下記の記事で、IELTSの対策におすすめの教材を紹介しております。(人気記事ですので、ぜひご一読ください)

しかし、「お勧めではない」教材についても話しておいたほうが、読者の方に役に立つのでは?と考えるようになりました。
なにせ、私は現在世の中に出版されているIELTSのテキストはほぼ目を通していると思います(教材オタクなので・・・)
この記事を読んで、テキストを選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
※私がお勧めではないものが必ずしも良くないとは限りませんので、判断はご自身でお願いいたします。できるだけ公平に書いているつもりです。
目次
ライティング・スピーキングも怖くないIELTS完全対策のレビュー
ジェネラル対応か?×
含まれているもの
- IELTSの概要(基礎知識、受験の流れ)
- テスト演習
- リスニング 練習問題2個(Section 2とSection 3)、音声、解答用紙のサンプル、スクリプト、日本語訳、解答と解説
- リーディング 練習問題2個(パッセージ2つ分)、日本語訳、解答用紙のサンプル、解答と解説
- ライティング 練習問題Task 1×2、Task 2×2、回答例×16、採点例×16、目安のスコア
- スピーキング 練習問題 Part 1×1、Part 2×1、Part 3×3、回答例×9、講評例、目安のスコア
- リスニング、スピーキングテスト演習用のCD1枚
良い点
帯にもうたっているとおり、解答例は多いかと思います。しかし・・・私は個人的に、解答例を見て分析できる、というのはすでにかなり上級のテクニックだと思うんですよね。それができれば苦労はしないという・・・。IELTSの公式問題集でも、解答例は載せられているので、解答例がほしい方はそれでも十分なのでは、と思います。
学習のコツなども各スキル1ページずつくらい記載されていますが、一般的な情報のみ。
悪い点
リスニングのテスト演習では、Section 2とSection 3のみ。さらに、現在IELTSの主流となっている形式とは違っています。全体を通して、目新しい情報はありません。終始、IELTSの一般的な情報が記されているのみ。
というか、もしかすると著者の方はあまりIELTSを専門とされていないのかも?と思います。IELTSの情報に関してはどこでも調べられるようなことばかりで、テスト演習にいたっては、1セットが完全にそろっていないという・・・。ライティングの採点例でも「適切な語彙が使われている」「スコア5の典型例」となっていますが、じゃあ「適切」「典型」とはどういうこと?という解説はありません。
「完全対策」とはまったく呼べないシロモノ。申し訳ありませんが、完全にタイトル負けしていると思います。
結論
ほかのテキストと比べて、このテキストを選ぶ理由は特にないと思います。
IELTS 必須英単語4400のレビュー
ジェネラル対応か?△
含まれているもの
- 英単語3300
- 英熟語1100
良い点
同義語、例文が必ず記されている。これって意外にすべての単語集にあるわけではないんですよ。特に、同義語は、IELTSでは必須であるということを著者がご存じだからだと思います。
また、レベル分けされていて「どこまで覚えれば良い」というのがわかりやすいかと思います。
悪い点
単語のほうはレベルA〜Dまであり、Aは必須(基礎)でDが一番難しい単語なのですが、Dに収録されている単語ははっきり言って、「オタク」レベル!IELTSで必須と言えるのかなぁ?と思います。確かにリーディングでちょこちょこっと出るのかもしれませんが、知らなくてもスコアは取れますよ。私個人は、ここにある単語は知らないものが多かったのですが、リーディングやリスニングで8.5は取れていますし・・・。まして、スピーキングやライティングにこのような単語を使うのはちょっと現実的ではないです(自然な言葉遣いから離れてしまう)。
逆に、レベルAで「wheat(小麦)」とかっていうのもどうかと・・・。わざわざ単語集に入れるものでもないでしょ、という。
値段を高くするために、本を分厚くして単語数を無理やり増やしたのでは?と邪推してしまいます。違ったらすみません。
結論
IELTSの対策としてはこの半分の量で半分の料金になったら良いな、という感じです(単語集で3千円近くは、高いです~~)。良い本ではあるのですが、あまり良心的ではないかなと。ちなみにこの本は参考にしていませんが、私の単語集とかなりの単語が重複していましたよ。IELTSでは、単語はもちろん重要なのですが、「とにかく単語の数を増やす」とやみくもに考えてほしくはないな、というのが私の正直な気持ちです。単語数が〇〇だとスコア〇〇が取れる、みたいな単純な話ではないです、IELTSは。
単語の意味を覚えるだけではなく、使い方(一緒に来る前置詞などもセットで)、同義語、派生語などもセットにして覚えたうえで、スピーキングなどのアウトプットでも、無理やり使うのではなく自然な文脈で単語力を披露できると、一番スコアが高くなります。無理やりかそうでないか、どうやったらバレるのかって?それがわかるんですよ、長年英語を教えていると。だから必ず試験官もわかります。
話が逸れましたが、IELTSの単語の対策としては、私の無料単語集と、自分の単語ノート(作り方は単語集をお送りするときに一緒に教えます)、Barron’sのテキストで基本的にはOKかなと。いまのスコアが(目標スコアではなく)6.5を超えるようになり、目標が7以上の場合は、少し語彙を増やす必要があると思いますが、このテキストを買ってすべてを覚えるのはちょっと時間の無駄のような・・・。目標が7以上の方は、上記に加えて、私のTwitterやFacebookでは上級単語を少しずつ紹介していますので、参照ください。上級ですが、無理なく使える単語を厳選しています。
IELTS実践トレーニングのレビュー
ジェネラル対応か?×
含まれるもの
- IELTSテスト概要、対策ポイント
- 模擬テスト リスニング×2、その他各スキル×3、回答例、解答と解説、スクリプト、日本語訳
- 模擬テストのためのCD×2
良い点
特にありません。
悪い点
2005年に発行された本で、当時IELTSの日本語テキストが極端に少なかったため、多くの日本人が飛びつきました。なのでIELTSの対策本といえば、これ!みたいになっていた時期もありました。しかし・・・ちょっと試験形式が古すぎですね。私のもっているものは2015年に増刷されたものですが、特に改訂は加えられていないようです。残念。
また、対策の箇所も、「しっかり注意して解答しましょう」というようなものばかり・・・。
ライティング・スピーキングの対策アドバイスはほとんどなく、これでは絶対に対策は無理です 汗
結論
ほかのテキストと比べ、このテキストを買う意味はとくにありません。
IELTSライティング完全攻略のレビュー
ジェネラル対応か?× AcademicのTask 1にもかなりのページが割かれているので、ジェネラルの方はちょっともったいないかも。
含まれているもの
- IELTSの全体概要、特にライティングの概要は詳しく
- アカデミック・ライティングの基礎解説
- Task 1、2それぞれの攻略法
- Task 1の練習問題×16、Task 2の練習問題×15、解答と解説
- Task 1の模擬テスト×14、Task 2の模擬テスト×10、サンプルと添削フィードバック
良い点
ライティングの組み立て方に関して、私がいつもレッスンで言っていることがうまく図でまとめられているなぁ、と、同業者として尊敬のような嫉妬のような(笑)複雑な気持ちになりました。参考になる部分は多いと思います。特に、「文法とか単語は悪くないのにいまいちスコアがあがらない」とか「添削をされたときに全体的なこと(構成の部分)でいつも指摘を受ける」などといった問題がある方は一読してみても良いかと思います。
日本語でライティングの考え方についてここまで詳しく解説してあるという本は他にはないかなと。また、個人的には練習問題はとても良いと思います。特にTask 1は特殊な表現が多いので、このような練習問題を解いてからエッセイ全体を書く練習に移るほうが、最初から丸ごとエッセイを数こなすよりも効率が良いです。
悪い点
Amazonのレビューで酷評されているように、ずいぶんと間違いが多いなという印象です。他が良くても、間違いがあると、どうしてもその本に書かれていることを信用できなくなってしまいますよね。
また、テンプレートはダメ、と書かれているのですが、標準的な日本人にとっては、ある程度の型がないと、難しいと私は思うんですね。(自分が標準的で苦労したタイプなので)サンプル→添削例を表示、というスタイルで「ふむふむ」と理解できるような感じであればそもそも苦労しないという・・・。
結論
本のコンセプトとしては良いのですけどね・・・。うーん。間違いの多さのせいで、おすすめ本としてはイマイチ外れてしまったんですが、ライティングに行き詰っていたら、これを読むのも悪くはないと思います。
おススメできないテキストのまとめ
やはり、何年経っても日本人の方にお勧めできるテキストはあまり変わらず・・・
にある、「スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集」は変えましたが。
自分で完璧なテキストを書きたーい!ってすごく思っています。

「独学でIELTSの目標スコアを取る方法」では、IELTSを「独学で」勉強して結果を出す方法を具体的に解説しております。
独学のスタートにぜひどうぞ!