IELTS(アイエルツ)を受ける意味って何だろう。お金もかかるし・・・
IELTSの受験料は、2024年1月現在、27,500円です。
※IDP Educationでの受験料
留学する予定はないけど、英語力を試すのに良い試験と聞いた。本当かな?
という疑問に答えたいと思います。
私の結論は、留学する予定がなくても受けるべき!
理由の大きなものは、やはり英語力アップにつながるからです。
IELTSの勉強を始めようか迷っている方、英語力アップをしたいけど勉強法に悩んでいる方に参考になるはずです!
この記事を書いた人
IELTSを勉強する意味を、詳しく説明していきますね。
目次
IELTSってなに?
IELTSとは
IELTS(International English Language Testing System)は、カナダ、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドといった英語圏の国々に留学または移住を希望する人々の英語力を測定する英語試験です。
IELTSは、4つの技能(書く、読む、聞く、話す)をはかるテストで、IELTSアカデミックとIELTSジェネラル・トレーニングの2つのモジュール(タイプ)があります。
本場イギリスなどではTOEICよりも断然知名度のある試験であり、また歴史も長いため、信頼性も高い試験です。
世界の年間受験者数は、なんと300万人以上います。
日本ではあまり知名度が高くないのですが、世界の英語学習者にはとてもメジャーな試験です。
IELTS試験の特徴
IELTSの特徴は何といっても、聞く、読む、話す、書く、の英語4技能すべてが試されることです。
そして、スピーキングはネイティブスピーカーの試験官と1対1の面接形式になっていることが大きな特徴!
日本では主に土曜日に開催されることが多いですが、長時間のために1日つぶれてしまう、なかなか負荷の高い試験です。
TOEICとの違いをメインにIELTSの特徴を説明した記事です。↓
IELTSを受ける目的。こんな時に役立つ!
海外でのIELTS事情
IELTSは、上で述べたように、主に英語圏での留学や移民をしたい時に使われる試験です。ですので、英語圏に短期でも住んでみると、IELTSについて聞く機会が増えることでしょう。
移民(永住権)の申請をする
私が15年間、住んでいたカナダでは、移民申請をする年にもよりますが(カナダでは条件がコロコロ変わるので)
いわゆる「手に職がある」系の職種の人、つまりシェフや美容師などは、IELTSのスコアが5.0~6.0程度で移民をする(永住権を得る)ことが可能です。しかし事務職(ホワイトカラー)などは厳しく、7.0~8.0が要求されることも多いです。
カナダに限らず、移民を受け入れているオーストラリアやニュージーランドでも同じような感じだと思います。
移民の要件は常に変化していますし、個人の状況によっても異なるので、移民コンサルタントや弁護士に相談することが必要です。
留学をする
英語圏の大学・カレッジへと留学をする時にもIELTSのスコアが必要になります。
IELTSはおもにイギリスですが、最近はカナダやアメリカなどの北米でも主流になってきています。
TOEFLと同じくらいメジャーかもしれません。
- 大学の学部のほうは6.0~7.0程度
- カレッジだと5.5~
- 大学院になると6.5~7.5程度
それぞれ必要になってくるようです。
それぞれの機関や学部・コースによって細かく分かれているので、必ず募集要項などをしっかり確認して、わからないことはエージェントさんなどに聞きましょう!
日本でのIELTS事情
日本国内に居る場合にはIELTSのスコアが役立つことはほとんどありません。
ただ、昨今のIT技術の向上とコロナ禍が相まって、イギリスやアメリカの大学でもオンラインで学位などを取得できるコースが増えています。
ですので、日本国内に居ながらでも、海外の大学の学位や資格を取りたい、という場合にはIELTSスコアが役立つでしょう。
海外の大学のオンラインコースだけではなく、国内の大学においても、IELTSスコアを持っていたら優待、という大学も増えてきています。
これは独自で4技能を試験することは難しい(コスト面、技術面)ので、信頼性の高いIELTSを基準としている、ということがあるでしょう。
日本の大学受験でも、IELTSスコアが使える大学が増えており、出願資格の獲得、試験免除など、さまざまな優遇があります。
また、外務省専門職員の外国語資格としてIELTS7.0以上が推奨されていたりします。
参考サイト(外務省):https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/prs/page4_002723.html
英語力アップにつながる理由
IELTSは英語の実力がとても反映されてしまうので、ちゃんと実力がないとスコアが取れない試験といえます。
逆にいうと、IELTSの対策をするというのは、英語力そのものをあげる作業ともいえるわけです。
具体的には、こんなスキルに特に効いてきます。
語彙力
まず第一に、IELTSの勉強をすることで、
語彙(ボキャブラリー)は飛躍的に伸びます。
ボキャブラリーを伸ばしたい方は、みんなIELTSの勉強をしましょう!と私は言いたいくらいです。
なぜかというと、
- わりと同じ単語が繰り返し出てくる(専門用語などは除く)
- 言い換え表現(同義語)がたくさん出てくる
- 単語力が評価される
ということからです。
スピーキング力
また、私が個人的にオススメしたいのは、スピーキングを上げたい方です。
スピーキングとか英会話って、実態がないのですごく勉強しにくいです。
とにかくネイティブと話せばいい!というのが都市伝説(?)、真実ではないことは、皆さんもうご存知ですよね?
実際、それは実現が難しいですしね。
とにかく話すって言っても、予算的にも時間的にも、週1~2日が良いところじゃないでしょうか?もしくは、毎日格安英会話レッスンをやったとしても、せいぜい1日30分とかですよね。
でも、IELTSの面接対策では、とてもシステマティックに「会話」というのを分析します。
私が個人的にIELTSがスピーキングに効く!というのは下記の理由からです。
自分が話さなければいけない
「英会話」のレッスンというと、「先生」が話している時間も含まれる。
結果、1時間のレッスンがほとんどあいづちをうって終わった、ということが少なくない(あいづちも「会話」の一部であることは間違いないんですけどね・・・)。
でも、IELTSでは試験官はひたすら聞き役でないといけないので、「自分が話す」というスキルが鍛えられるんです。
話の内容が自然と海外向き
普段考えたことがないけど、欧米圏の人ならよく話題にのぼり、議論になるようなネタが選ばれている。
たとえば「環境問題」について日本人が居酒屋で集まったときに議論することはほぼ無いでしょう。
でも、英語圏ではありえるし、みんな意見を持っているので、そういった議論に慣れることは絶対に必要。
話の組み立てをする順番が鍛えられる
日本人はあれこれ回り道をして、最後に結論、となりますが、英語ではそれは嫌われます。
というかみんな話を最後まで聞いてくれないから結論までたどり着かないまま、「何が言いたかったんだあの人?」ってなります(笑)
IELTSでは話の順番を欧米風にしないと絶対に高スコアは取れません!
というわけで、
IELTSのスピーキングで高得点を取る=英語での会話をスムーズに進める、議論が出来るようになる
というスキルに直結するわけです。
これは長年IELTSを教えてきていて、本当に実感していることです。
プレゼン力
IELTSのスピーキングテストの中には、「プレゼン」が含まれています(パート2)。
2分間ずっと一人で話し続けるわけです。
しかも、準備時間は何と1分!
英語の試験なので内容は問われないのですが、上で言ったような話の順番や、組み立てをする必要があり、しかも論理的に話が通じるように、2分間しゃべり続けるというのはすごい技術です。
これを試験のために勉強していたら、かなり鍛えられます。
継続するモチベーションになる
英語の学習が習慣化するまでの間は、やはり、これが合ってるのかな?という迷いがあるので、指標となるものが必要です。
そこで英語資格試験の出番です。
やはり学習を続けていくうえで、指標となるものがあったほうが続けていけることは確かです。
例えマンツーマンで英会話の先生について習っていたとしても、客観的に伸びを測るのは難しいもの。「うまくなったね~」などと言われても、イマイチ実感もわかないし・・・という感じになってしまいます。
TOEICは中級レベルまで、IELTSは中級以上から効力を発揮する試験だと思っています。
つまり、TOEICから始めて、IELTSに切り替えると良いです。
そして、IELTSのほうが、より実力に近いスコアが出る試験でもあります。
一つ注意点は、英語の実力が必ずしっかりと反映されるとは限らないので、あまりスコアが思ったように上がらなくても落ち込まないこと。
毎日学習を続けているなら、水面下で必ず英語力は上がっているはずなのです。
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