このツイートの通り、24歳でカナダに渡航した私なのですが、渡航する前には父に大反対されました。
24歳でカナダにワーホリに行くと告げた時、父に反対された。英語は日本でも勉強できる。新卒で得た仕事を手放して、帰ってきても仕事は無いと。でも反対を押し切って渡航。結局カナダに15年住んで、私の人生は180度変わった。英語も上達したけど、現地でしか得られない文化を体感できたことが大きい。
— Kumiko🇨🇦 (@IELTS_expert) January 10, 2022
父の反対を押し切ってカナダに行き、結局15年住みました。
- そのことで、私の人生がどのように変わったのか?
- 海外生活で得られることは何なのか?
このことについて、書いていきたいと思います。
留学・ワーホリ・移住を迷っている方の参考になれば幸いです。
この記事を書いた人
15年のカナダ暮らしで、まぁいろいろとありました…
- 国際結婚
- 離婚
- 永住権取得
- 起業と経営
- 就労
- 訴訟
- 出産
- 育児
こんな経験を持つ私が、お話ししていきますね。
目次
強靭なメンタルになる
これは、上のツイートにコメントをくださった方がおっしゃった言葉です。
海外にしばらく住むと、「強靭なメンタルが身に付く」と。これには私も完全同意です。
私はカナダに15年住みましたが、その間に本当にいろいろなことがありました。カナダは、日本のように一般生活者が甘やかされるような構造になっていません。
というか、世界の中でも、一般市民が公私のサービスを受けるにあたって、こんなに安心していられるのは日本くらいです。
例えば、こんな事件がありました。
私はカナダで携帯電話の契約をしていましたが、ある時、請求書に間違いがありました。
カスタマーサービスに電話をすると、すべての説明を聞いた後に「担当者に代わります」ということが繰り返されました(いわゆる、たらい回し)。
そのたびに、15分ほど待たされます。そして、新しい担当者が出ると、すべて最初から説明させられます。
1時間ほどかかったうえに、保留されている最中に、電話が切れてしまいました・・・
偶然切れたのか、だれかが故意で切ったのか、それはわかりません。
結局、問題は解決されず。請求書は明らかに間違っているのですが、その額を支払うことにしました。
海外では「サービス担当者の愛想が悪い」というのはよく言われることですが、愛想が悪いくらいなら、まだ良い。
このように、問題が解決できないうえに、納得できない金額を払わされることになったりもするので、深刻です。絶望感、無力感・・・。
15年の間に、このような問題が何度も何度も起こりました。
今でも、思い出すとはらわたが煮えくりかえるような思いをする事件も多々あります(笑)
このような例を出すと、カナダの悪口を言っているように見えるかもしれませんが、実は、私はカナダに感謝しているのです。
おかげで、多少のことじゃーへこたれないメンタルが身に付いたと思っています。舐められないように、英語も努力しましたし、堂々とした態度も身に着けました(後述)。
日本に住んでいただけでは、できない体験でしょう。
英語が上達する
カナダに住んで、英語がとても上達しました。特に、スピーキングやライティングといった、アウトプットの技能が伸びました。
これは、「たくさんのカナダ人とつるんでたくさん話したから」と思うでしょう?
実は、違います。
私の英語が、自分でも実感できるくらいにグンと伸びたのは、実は「引きこもり」の時期だったのです。
どんな勉強をしたのか?については、こちらの記事をどうぞ。
じゃあ、海外に住んで英語が上達したってどういうこと?と思うかもしれません。
私の場合、英語圏に住んで、自分の英語にこんな影響がありました。
- ネイティブじゃなくて良い!と心から思える
- 堂々とした態度をとることができる
- くやしい思いをするので、勉強のモチベーションがあがる
それぞれ、詳しく説明します。
ネイティブじゃなくて良い!と心から思える
これは、声を大にして言えます。
今となっては、この考え方は、私の財産です!
日本にいると、自然と「ネイティブを目指して」英語を学ぶことになります。
もちろん、私も日本にいたころはそうでした。というか、ネイティブ以外の選択肢はない・・・?という感じですよね。無意識というか。
しかし、カナダに渡った私は衝撃を受けました。非ネイティブの人がいかに多いか。そして彼らがいかに堂々と、なまりのある英語を話しているか。
何より、なまりのある英語でもネイティブと変わらないくらいの給料を稼ぎ、成功し、友達も多く、楽しんでいる・・・。
そのことを誰も疑問に感じない。
カナダ・アメリカ・オーストラリアなどは、今や移民の国であり、アジア系・南米系・ヨーロッパ系・中東系など、見た目からして本当に様々。
話される英語も多種多様です。まさに「みんな違って、みんないい」の世界です。
特にヨーロッパ系や南米系の人は、ものすごく強いなまりで、ものすごく堂々と英語を話しており、私にとっては頭をガンと殴られたような衝撃でした。
カナダに住んでみて、英語を学ぶ目的をあらためて考えさせられました。
「ネイティブのような英語を話さなければいけない」という考え方は、世界では非常にレアな考え方である
ということも知りました・・・。
堂々とした態度をとることができる
上記のような、様々な国からの移民に一番影響されたのは、なんといっても、堂々とした態度です。
日本人のメンタリティとしては、「こんなひどい英語をしゃべってて、すみません。私の英語がひどいから、通じないですよね?意味わかんないですよね?」みたいな感じです。
私ももちろん、そうでした。
カナダで英語を話して、通じない・・・と落ち込んでいた私に、ヨーロッパ人がかけてくれた言葉。
Kumikoは日本語と英語の二か国語がしゃべれるから、英語だけしかしゃべれない人よりも賢い。努力もしている。
英語しかしゃべれないってことは、英語を取り上げられたら、彼らは犬のようにワンワン吠えるしかないんだよ?
英語が自分の言葉なんだから、聞き取る側が努力しなければいけない。私たちは彼らの言葉を『話してあげている』んだからね
これには驚きでした。
この考え方は、図々しい・・・!!と思う人もいるかもしれません。
でも、当時、英語圏で通じない英語で奮闘していた私にとっては、一筋の光が差したように感じられ、それ以来、この言葉を頼りにして、すぐに落ち込んでしまう自分を奮い立たせてきました。
なんだか、英語ネイティブを馬鹿にしたような、見下したような意見かもしれません。
でも、ともするとすぐに「すみません、すみません」と、みずから下になってしまいがちな日本人は、これくらいの気持ちでいても良いんじゃないかと思います。
もちろん、実際に馬鹿にしたような態度をとるわけではありませんよ。
気持ちの中だけでも、このように考えるようになったら、背筋を伸ばして、目を合わせて、大きな声で堂々と会話ができるようになりました。
そしたら、各段に通じやすくなって、コミュニケーションがしやすくなり、好循環が生まれました。
くやしい思いをするので、勉強のモチベーションがあがる
日本に住んでいると、英語をまったく話せなくても生活にはまったく支障がありませんね。
英語をマスターしたくても、なかなか続けることができないのは、それが大きな理由でもあるでしょう。
私は、カナダに住んで、カナダ人の友達がたくさんできたり、パーティに行ったり・・・というリア充経験こそ少ないのですが、15年間で色んな経験をしてきました。
そんな中で、もう本当に「くやしい・・・!!!」と奥歯がギリギリ鳴るような経験をたくさんしてきました。
やっぱり、自分の英語が思うように通じないために、うまくいかないことってたくさんあるのです。
「舐められたくない!絶対にうまくいかせたい!」と思うことが、私の英語学習の原動力になってきました。
日本では、まずできない経験かと思います。(良い意味でも悪い意味でも・・・笑)
だから、海外に行って「たくさん英語を話す機会があるから伸びる」という意見は、私に言わせると、当たらずとも遠からず。
私の場合、カスタマーサービス、行政、エージェント、弁護士などと会話することで、「くやしい!!」という強い思いから、英語を伸ばすことができました。
英語圏の文化を体感できる
この「体感」というところが重要です。
もちろん今の世の中、英語圏の文化というのがどういうものなのか、映画や海外ドラマ、SNSやYoutubeを見れば、わかります。
でも、実際にその環境に入ってみて、目の当たりにして、自分でも体験する。というのとは、天と地ほどの違いがあるわけです・・・!!
小さなことから大きなことまで。良いことから悪いことまで。
「文化」というのは本当に、生活に根差したことなので、「生活」をしてみることこそ、よく知ることができる手段なわけです。
文化を知れば知るほど、言葉も上達していきますし、コミュニケーションもうまく取れるようになってきます。
反対の立場のことを想像してみてください。
- 日本の文化・風習を知り尽くしている外国人
- 日本のことを全然知らない外国人
これらを比べると、どちらが話しやすいですか?
そりゃ、知っている人のほうが、コミュニケーション取りやすいですよね?話が伝わりやすかったり、共感してもらいやすいですよね?
そういうことです。
この場合の「文化」というのは、なにも茶道や武士とか相撲とかそういうのではなくて、
日本のバスでは、最後にお金を払って降りる。とか、日本のスーパーでは、買い物カゴをそのままレジ台に乗せる。とか、そういった小さなことも含まれます。
※ちなみに、カナダのバスでは乗るとき払いが原則、スーパーでは、レジ台に自分で商品を出して並べます。
日本に誇りを持つようになる
これは海外在住の人がとても良く言うことですね。
やはり日本を一度出てみると、「日本がいかに良い国か」ということを実感させられるんです。本当に言われつくされているので、もう聞き飽きている人もいるかもしれませんね。
でも、聞くのと実際に体感するのとは大違いです。
今、「日本は嫌いだ!」「日本はもう終わりだ!」なんて思っている人ほど(日本沈没なんていうワードもありますね)、海外に数年住んでみてほしいです。
- 日本ほど安全な国はない
- 日本ほどキレイな国はない
- サービスのすばらしさ
- 選択肢の多さ
- 多くのお金がなくても豊かな暮らし
- 企業努力がすごい
- 低い予算でおいしいものが食べられる
- 日常的にボラれたり、間違われたりする心配がない
- 自分がマイノリティとして肩身が狭い思いをしない
- 学校教育で音楽や図工などバラエティに富んでいる、部活も(実費以外)無料でできる
ざっと挙げてこんなところです。ここでは趣旨がずれるので、詳しい説明はしません。
もちろん日本も完璧な国ではないし、いろいろな問題が山積みで、闇やらなんやら、あるでしょう。
しかし、30カ国以上を見てきた私は、日本のことを「砂漠の中のオアシス」と思っています。
世界中のどこにも、日本のような国はないのです。
日本人に生まれてきたことを心から感謝し、誇りに思うことができるようになりました。
自責思考が身に付く
日本では、何かを契約するときなどに「契約書」を隅から隅まで読む人というのは、少ないのかもしれません。
私も日本に住んでいた時は、契約書はほとんど読まずにサインしていました。
しかし、カナダでは契約書は日本よりも大きな意味を持ち、「契約書にサインしたら、もう文句は言えませんよ」ということなのです。
日本では、契約書を読まずにサインしたとしても、後からクレームをつけることができますが、カナダでは、「サインしたあなたが悪い」という話になります。
私は、学校を経営していたこともあり、不動産やら弁護士やらの契約により、「しっかりと契約書を読まなかった」ことで痛い思いをたくさんしてきました。
「誰も説明してくれなかった!教えてくれなかった!」と泣いてダダをこねても、完全なる「自己責任」です。
この「自己責任ワールド」にポーーーーンと放り込まれて、絶望感を味わう経験を数多くしてきた私は、当然ながら、完全なる自責思考が身に付きました。
自分の身は、自分で守る、というわけです。
利益を追い求める私的サービスはもちろんですが、公的なサービスである市役所や警察など、そういうところでも盲目的に信頼せず、ドライな関係を保つ。
わからないところは、お金を払ったりサインする前に必ず確認し「言ってくれなかった!」というクレームは入れない。
という感じですね。
私は日本に帰ってきてからも自責思考で暮らしています。
自責って、すごく嫌な言葉に聞こえるかもしれませんが、自分のコントロールできる範囲が増えるので、とても便利で暮らしやすいですよ。
まとめ
24歳の時、父が反対するのを聞いて、カナダに渡航しなければどうなっていただろう・・・と、考えてみましたが、それはそれで、それなりに楽しかったでしょう。
しかし、あの時カナダに渡航したことで、私の人生は本当に変わりました。
自分では、良い決断だったな、と思っています。少なくとも、あの時モンモンとしたままで終わるよりは、良かった。
もし、自分の人生はこれでいいのか・・・と悩んでいる人がいたら、私はぜひ、海外に行ってみることをお勧めしたいです。
英語は、日本でも勉強できる。でも、海外に行く目的は、英語だけではありませんよ!
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