「単語帳が続かない」
「洋書を買ってみたけれど、3ページで閉じた」
「TOEICの問題集を見ると眠くなる」
これ、よく聞く声です。
そんな人におすすめしたいのが、漫画を使った英語学習です。
私は、約20年にわたって英語学習業界に携わる中で、ずっと「英語ができるようになりたいなら、多聴・多読をすることが大切です」と伝えてきました。
以前は、多聴なら海外ドラマ、多読なら洋書をおすすめすることが多かったのですが、最近は状況が少し変わってきています。
英語で読める漫画や、英語学習に使いやすい漫画アプリが増えてきたことで、漫画も立派な多読教材として使える時代になってきました。
日本人にとって漫画はすでに慣れ親しんだコンテンツです。「本を読む習慣がない」というハードルを最初から飛び越えられる洋書はほとんどありません。
つまり、英語学習が続かない人にとって、英語の漫画は強力な学習ツールになります。
この記事では、『漫画で英語独学』の著者として、また長年学習者を見てきた立場から、
- 漫画で英語学習は本当に効果があるのか
- 失敗しない漫画の選び方
- レベル別のおすすめ作品
- 力をつける読み方と、やってはいけない読み方
- 続けるためのスケジュール
までを、できるだけ具体的にお伝えします。
マンガで英語を学びたいと感じている人は、ぜひ私の著書『漫画で英語独学』も手に取ってみてください。
目次
漫画で英語学習は効果ある?
結論から言うと、漫画で英語学習はかなり効果的です!
もう少し正確に言うなら、漫画は「英語に触れる量を増やし、英語を読む習慣を作り、会話表現に慣れる」ためにきわめて相性のいい教材です。
つまり、英語学習を続けるための入り口としては非常に優秀です。
漫画が英語学習に向いている理由
漫画が英語学習に向いている理由は、大きく4つあります。
1. 英語処理能力がアップする
まず1つ目は、多読によって英語処理能力が上がることです。
英語を読む力を伸ばすには、ある程度まとまった量の英語に触れる必要があります。英文を1文ずつ丁寧に分析することも大切ですが、それだけではインプット量はなかなか増えません。
漫画は「次を読みたい」という気持ちが生まれやすく、自然と英語に触れる量を増やすことができます。
たくさんの英文に触れていくうちに、英語処理能力が上がり、リーディングだけでなく、スピーキングなどアウトプット能力も鍛えることができます。
こちらについて、詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
2.「返り読み」のクセが抜ける
英語が苦手な人の多くは、英文を後ろから日本語の語順に並べ替えて理解する「返り読み」をしています。
たとえば、英文を読んでいるのに、頭の中では一度日本語に直してから意味を考えている状態です。これを毎回していると、どうしても読むスピードは遅くなってしまいます。
漫画は、この返り読みのクセを抜く練習に向いています!
なぜなら、絵というヒントがあるため、英文を完璧に日本語訳しなくても場面を理解しやすいからです。キャラクターの表情や動き、前後の流れを見ることで、「今、何が起きているのか」をつかみながら読み進めることができます。
つまり漫画では、一文一文をきれいに訳すよりも、英語を前から読んで、場面の流れに乗って理解する練習がしやすいのです。
この読み方に慣れてくると、リーディングのスピードも少しずつ上がっていきます。
3. 会話表現の宝庫である
漫画は、英語の「会話表現」を増やしたい人にも向いています。
洋書の小説は、状況説明や心理描写などの文章が多くなることがあります。もちろんそれも英語学習には役立ちますが、「実際の会話でそのまま使いやすい表現」を探すなら、漫画のほうが見つけやすいことも多いです。
なぜなら、漫画は基本的にセリフ中心だからです。
たとえば、
- “Are you serious?”(え、本当に?)
- “Hold on.”(ちょっと待って)
- “I didn’t mean it that way.”(そんなつもりじゃなかった)
- “Could you give me a hand?”(手伝ってくれる?)
- “Cheer up.”(元気出して)
といった、日常会話でそのまま使えそうな表現がたくさん出てきます。しかも、漫画ではそのセリフがどんな場面で使われているのかが絵でわかります。
怒っているときの一言なのか、冗談っぽく言っているのか、本気で励ましているのかが見えるので、表現のニュアンスもつかみやすいです。
つまり漫画は、スピーキングに使える表現を集める教材としても活用できるのです。
初心者が失敗しない英語漫画の選び方
最初の1冊選びを間違えると、「やっぱり英語は無理だ」という残念な結論に着地してしまいます。
そうならないために、選び方をお伝えします。
1.「読みやすさ」より「好きかどうか」を優先する
英語学習者がよく陥る罠があります。効果を求めるあまり、自分が興味のない教材を選んでしまうことです。
「この海外ドラマがいいらしい」「このマンガが効果的らしい」と頑張ってみるけれど、そもそも内容に興味がないから続かない。
これは本当によくある失敗パターンです。
たしかに、日常系・学園もの・恋愛ものは日常会話が多く、英語学習に向いています。
でも、バトル漫画が好きな人が無理に日常系を読む必要はありません。ファンタジーが好きならファンタジーで、スポーツものが好きならスポーツものでいい。
英語は英語です!
自分が読みたいと思える作品で英語に触れることのほうが、長期的に継続するために、はるかに大切です。
2. すでに日本語で読んだ作品は強い
内容を知っている漫画を選ぶと、英語学習のハードルはぐっと下がります。
たとえば『鬼滅の刃』には、独特の技名や世界観があります。英語版では “Water Breathing” のような表現が出てきますが、原作を知らない人にとっては「水?呼吸?」と少し戸惑うかもしれません。でも、すでに日本語版を読んでいる人なら、「ああ、水の呼吸のことね」とすぐに理解できます。
このように、内容を知っている作品なら、知らない単語や少し不自然に感じる表現が出てきても、ストーリーの流れを止めずに読み進めやすくなります。
3. アプリやウェブ版の活用を検討する
紙の本でじっくり読むのもいいのですが、続けやすさで選ぶならウェブ上で読めるサービスやアプリを使うといいです。
私がお勧めしているのは、この3つです。
- Langaku:英語学習用マンガアプリ
- K MANGA:講談社系のマンガ配信サービス
- MangaPlaza:全米最大級のデジタルマンガ配信サービス
特に、Langakuは日本人英語学習者用に設計されているため、日本語字幕をワンタップで切替、辞書・ブックマーク機能など、便利な機能が備わっています。
他の2つは、世界中の人がマンガを読むためのサービスなので、中級者以上向きです。
漫画で英語学習ができるアプリLangakuが、英語を始める&継続するハードルがすごく低くなる、画期的なアプリだと感じてます。実際に使ってみてすごかった点を挙げると、
❶超人気のマンガ50作以上(ワンピース、推しの子、スパイファミリーなど)
❷英語:日本語の表示比率を自在に変更可… pic.twitter.com/vwUqTq8PEc— Kumiko|英語学習を高速化 (@IELTS_expert) October 27, 2024
スマホで開けるので、通勤中・寝る前・カフェでの数分など、スキマ時間を学習時間に変えられます。
英語学習におすすめの漫画
ここからは、実際に私が読んだ中で、英語学習にピッタリの漫画を紹介します。
初心者におすすめの漫画
君に届け(

私が読んだ中で、英語学習に一番おすすめしたい漫画のひとつが『君に届け』です。
理由はいくつかあります。
まず、日常系なので、英語学習に使いやすい表現がたくさん出てきます。学校生活、友人関係、恋愛、家族、気持ちのすれ違いなど、現実に近い場面が多いので、会話表現を学ぶにはとても向いています。
さらに、大ヒット作なのでストーリー自体が面白く、巻数もしっかりあります。多読として考えると、ボリュームがある作品は大きなメリットです。
鬼滅の刃(

『鬼滅の刃』も、英語学習に使いやすい作品です。
理由の一つは、すでに内容やキャラクターの性格を知っている人が多いからです。
また、初心者の人でも理解しやすい英語で書かれているため、バトルアクション系の中ではスムーズに読める本です。
もちろん、日常会話が中心の漫画ではありません。技の名前や独特の表現には、英語にすると少し無理やりに感じるものもあります。
「英語学習向きかどうか」だけで判断すると、日常系のほうが向いているかもしれません。でも、「好きでどんどん読める」という意味では、『鬼滅の刃』のような人気作も十分におすすめできます。
その他、読みやすい漫画
そのほか、次のような作品も初級者の人にとってかなり読みやすいです。
- アオハライド
- マッシュル -MASHLE-
- ケントゥリア
- ワンパンマン
- ラーメン赤猫
少し慣れてきた人におすすめの漫画
英語漫画に少し慣れてきたら、次のような作品にも挑戦できます。
- 正反対な君と僕
- 花より男子
- ワールドトリガー
- 約束のネバーランド
今回、お勧めしたマンガは全てLangakuで読めますよ!
漫画で英語力を伸ばす読み方
漫画で英語学習をするときに大切なのは、「勉強にしすぎないこと」です。
もちろん、英語力を伸ばすために読むのですが、最初から精読して、真面目になりすぎると英語処理能力も身に付きませんし、何より続きません。
これを言うと、英語学習者の方が混乱するのですが…座学ではなくリアルな英語を伸ばすうえで本当に必要なことなのです。
わからない単語を調べすぎない
英語漫画を読むとき、わからない単語をすべて調べる必要はありません。
むしろ、全部調べようとすると、読書のリズムが止まってしまいます。1ページ読むのに時間がかかりすぎて、漫画の楽しさが消えてしまいます。
辞書を引くのは、次のような単語だけで十分です。
- その単語がわからないとストーリーについていけない
- 何度も出てくる
- 自分でも使えそうだと思う
- 気になって意味を知りたい
逆に、初めて見たけれど今後あまり出会わなさそうな単語や、細かい専門用語は飛ばしても大丈夫です。
たとえば病名が出てきたとしても、「何かの病気なんだな」と文脈でわかれば、細かい病名まで調べなくても読み進められます。もちろん、興味があるならサクッと調べても構いません。
大切なのは、完璧に理解することではなく、英語を読み続けることです。
返り読みをしない
もうひとつ大切なのが、返り読みをしないことです。
英語を読むときに、関係代名詞を後ろから意味をとるなど、日本語の語順に戻して理解しようとすると、読むスピードが上がりません。
この癖が染みついていると、リーディングのスピードだけでなく、リスニングにもついていけなくなり、スピーキングで話を組み立てるときにも大幅に時間がかかり、全然英語がでてこないことにもつながります。
漫画を読むときは、英語を前から順番に読んで、ざっくり意味をつかむ練習をしましょう。
最初は完璧にわからなくても大丈夫です。絵や前後の流れをヒントにしながら、「だいたいこういうことを言っているな」と理解できれば十分です。
大切なことは、自然な英語の語順で、前から英語を理解していくとです。
気に入った表現だけメモする
分からない単語の全ての意味を調べて、メモするのはやめましょう。漫画を読んでいて、「これはかなり使えそう」と思う表現があれば、メモしておきましょう。
おすすめ漫画英語学習スケジュール
英語学習というと「毎日30分コツコツ」が定石です。
ただ、英語の多聴・多読に限っては、週末に一気読みする時間を作ることを、私は強くおすすめしています。
ストーリーに入り込んでくると、「英語であること」を忘れて読み進められる瞬間があります。脳が英語モードに切り替わった状態です。ここに入ると、1時間でも2時間でも、英語漬けの時間を作れます。
せっかく「もっと読みたい」と思っているのに、「今日は1話だけ」と無理に止めるのは、もったいない。読書熱が冷める前に、波に乗ってしまうのが正解です。
理想は次のパターンです。
- 平日:1日10〜15分、無理のない範囲で
- 週末:時間があるとき、好きなだけ一気に
習慣化と没入の、いいとこ取りができます。
お財布と相談しながら続けるコツ
ここで、正直なことも書いておきます。
漫画での英語多読は、初心者でも楽しめる学習法である反面、それなりにコストがかかります。
紙の単行本でも電子書籍でも、アプリでも、量を読もうとすると費用は無視できません。多読は「量がものを言う」世界なので、続けるほどお金の問題は現実になってきます。
ここで効いてくるのが、一度読んだ作品を読み返すことです。
漫画のいいところは、面白い作品なら何度でも読めてしまうところにあります。
これは意外と侮れないポイントで、たとえば超大作の小説だと、どれだけ面白くても「もう一度1巻から読み返そう」とはなかなか思えません。でも漫画なら、お気に入りの作品をふと開いて、また最初から一気に、ということが自然にできてしまう。
これを学習スタイルに組み込みましょう。
- 平日:新しい作品をコツコツ読み進める
- 週末:過去に気に入った作品を一気に読み返す
このリズムなら、新規購入を抑えつつ、英語に触れる時間はむしろ増やせます。しかも2回目に読むときはストーリーを追う労力がなくなるので、英語に集中できます。
単語の学習を繰り返しすることにもなるので、単語やフレーズも自然に暗記できます。
お財布にやさしく、復習効果もある。漫画多読を長く続けるための、現実的で賢い戦略です。
よくある失敗:完璧主義を捨てる
最後に、漫画で英語学習を始める人に一番気をつけてほしいことを伝えます。
完璧主義を捨ててください!
「1冊を完璧に理解しないと次に進んではいけない」
「知らない単語を全部覚えないと意味がない」
「面白くなくても一度読み始めたから最後まで頑張る」
こう考え始めた瞬間、英語学習は苦行になります。そして苦行になった学習は、ほぼ確実に続きません。
漫画で英語学習をする目的は、完璧に読むことではありません。
- 英語に触れる時間を増やすこと
- 英語を読むことへの抵抗を減らすこと
- 「自分にも英語で読めるんだ」という感覚を持つこと
初心者の人は、まずはここに照準を合わせてください。
読んでいくうちに、今回で書いた内容を本当の意味で理解できるようになります。
マンガ多読はハードルが高いと感じる人へ
マンガ多読はハードルが高いと感じる人へ
ここまで読んで、「やってみたい気持ちはあるけれど、それでもやっぱり自分には難しそう」と感じている方もいるかもしれません。
正直に言って、その感覚は珍しいものではありません。20年近く学習者を見てきましたが、漫画多読を始める前にためらう人には、だいたい共通した理由があります。
「読み始めても、これで学習になっているのか不安」
辞書を引かずに読み進める、ざっくり理解で先へ進む。頭ではわかっていても、実際にやってみると「本当にこれで力がついているんだろうか」という不安に襲われます。手応えが見えない学習は、続けるのが難しいものです。
「どういう風に読んでいけばいいか分からない」
返り読みや精読はやってはいけないことは分かってるけど、実際にどんな単語を飛ばして、何を調べたらいいのか、はっきりと分からない。
こうした「マンガ英語多読のハードル」を、できるだけ下げるためにまとめたのが、『漫画で英語独学』です。
この本では、
- なぜ英語学習に「多読」が最強なのかを、英語の処理能力という視点から解説
- マンガ多読だからこそ得られる8つの効果を一つずつ紹介
- スマホでマンガを読む方法を、アプリ・電子書籍・図書館・AI活用まで網羅
- 英語学習者向けアプリ「Langaku」の使いこなし方を徹底解説
- 『ブラックジャックによろしく』を題材にした読み方の実演を収録
- ジャンルごとの特徴と選び方を整理し、目的に合う作品を見つけやすく
- 多聴との組み合わせ方や、もう一歩踏み込んだ学習法も紹介
を、できるだけ具体的に解説しています。
この記事は、漫画で英語学習を始める入り口として書きましたが、本書は「始めた後に、どう深めていくか」までを含めた完全ガイドです。
「英語学習を続けたい」
「漫画を本気で英語学習に使ってみたい」
「効果の出る形で習慣化したい」
そう思っている方には、必ず役に立つ一冊になるはずです。
入り口に立ったあと、迷わず進める地図として、ぜひ手に取ってみてください。
よくある質問
Q. 初心者でも英語の漫画は読めますか?
読めます。むしろ初心者だからこそおすすめです。絵があるので内容を想像しやすく、日本語で読んだことのある作品ならさらに楽になります。最初から難しい作品を選ぶ必要はありません。
Q. 辞書はどれくらい使えばいいですか?
「その単語がわからないとストーリーを追えない」とき、または「何度も出てきて気になる」ときだけで十分です。それ以外は飛ばしてOKです。辞書を使いすぎないことが、続けるコツです。
Q. 紙の本とアプリ、どちらがいいですか?
続けやすさで選ぶならアプリです。スマホでスキマ時間に読めるのは想像以上に強力です。紙の本は、所有する満足感や、ゆっくり読みたい人に向いています。まずはアプリで始めて、気に入った作品を紙で買い直す、というのも良い流れです。
Q. どれくらい続ければ効果が出ますか?
まずは10巻以上ある作品を1つ、最後まで読み切ることを目標にしてみてください。完読すると「自分でも英語で漫画が読めた」という確かな自信がつきます。この自信が、次の作品、次のジャンルへの推進力になります。長期的には、英語多読で言われる「100万語」も一つの目標です。ただ、最初から100万語を意識すると遠く感じるので、まずは1冊から積み上げていきましょう。
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