私は、IELTS講師歴10年で、グループレッスンや個別レッスン、スカイプオンラインレッスン、通信講座と様々な形でIELTSを教えてきました。
ここでは、IELTSで最短スコア達成を狙うにあたり、たくさんある中から厳選して、本当にオススメの教材・テキストだけを紹介しますね。
主に、3つのカテゴリーに分けて紹介したいと思います。
- IELTSの試験対策に役立つ参考書
- IELTSの勉強法を解説した教材
- IELTSを受験するにあたり、英語力を引き上げるのに必要なテキスト
アカデミック・ジェネラル両方、また日本語の参考書だけでなく、洋書も幅広く紹介します。
本記事の信頼性
2024年6月に明日香出版社より、IELTSスピーキングに関する参考書を出版する予定になています。
IELTS試験対策に役立つ!参考書・教材・テキスト
これははずせない!『ケンブリッジIELTS公式問題集』
IELTSの学習には、やはりこの「CAMBRIDGE 公式問題集」の数字シリーズを使うのが一番です。受験英語でいうと、「赤本」みたいな位置づけです。
数字が大きいものほど新しいので、これから取り組む方は、最新版の「18」を買ってください。
18が終わって物足りなければ、17→16と進んでいきます。
Academic 18【最新版】
IELTS 18 Academic Student Book
General 18【最新版】
※この記事で紹介している問題集は、私のアフィリエイトリンクです。
特徴
繰り返し言いますが、18が最新です!
11~18に関しては、AcademicとGeneralが分かれているので注意!(14から色が少し違うのでわかりやすくなりました)
しかし、リスニングとスピーキングは,
AcademicとGeneral共通です。
つまり、それぞれのテストを目指している人がもう一つの本を買う必要はまったくない、ということです。
たとえば、Generalを受ける方がAcademicの本を買っても、新しいスピーキングやリスニングの問題は得られません。
ケンブリッジ社以外の洋書のIELTS教材は、本番の形式と遠く離れていることも多いので、オススメできません。
含まれるもの
【含まれるもの (1〜10まで)】
- アカデミックのテストが4セット
- ジェネラルのリーディングとライティングが2セット
- リスニングの解答とスクリプト(脚本)
- リーディングの解答
- ライティングのサンプル解答と模範解答
【含まれるもの (11~18の場合)】
- アカデミック、もしくはジェネラルのテストが4セット
- リスニングの解答とスクリプト(脚本)
- リーディングの解答
- ライティングのサンプル解答と模範解答
15からは、上記に加えて、Resource bankというところで英語の解説を読むことができます。
1~14に関しては、解説はまったくありませんのでご注意ください。
ライティングではすべての問題に模範解答が付いているわけではなく、ほとんどがサンプル解答で、「この解答だと5.5になるよ」というコメントとともに採点者の講評が付いています。
そしてスピーキングにはまったくサンプルも模範解答も付いていません。
これを使って自分で研究しろと。おいおい、そりゃー無茶ですよ・・・。
ですが、公式問題集なので、コレに勝るIELTS対策はありません。つまり、使い方がポイントになるというわけです!
使い方
テキストを過去問として、実力試しのように時間を計って取り組む練習はとても大事です。
でも、ただ解いていくだけではスキルは伸びていきません。
- 完全な理解
- 反復練習
この2つが、欠かせません。
IELTSを独学されている方は、この問題集を使って上記のように、完全な理解や反復練習をするだけでもかなりの力がつくことでしょう!
私の7日間無料メール講座では、公式問題集を使って、IELTSを「独学で」勉強して結果を出す方法を具体的に解説しております。
時間に余裕がある方にオススメ!『Step Up to IELTS』
この本は、Cambridge社が出したIELTS本ですが、とてもカラフルです。全面カラーで、テキストに抵抗がある方にとっては使いやすいと思います。
もちろん、IELTSのテスト形式にもきちんと沿っていますから、楽しみながらIELTSに入門する目的では最適です。
ジェネラルには対応かしていないので、アカデミックを受ける人が向きです。
※CDは別売りになっていますのでお気をつけください。(なぜか、CDがとても高い・・・)
含まれるもの
- トピックごと(映画とかバケーションとか)に分かれて練習ができるようになっているユニットが16個分
- 音声CD(リスニング用)
- テスト形式の問題が各ユニットに1~2個
- それぞれの問題の解答(当たり前のように思えますが、洋書テキストにはたまに解答が別冊になっているものがあるので注意が必要!これには付いてます)
使い方
「来月スコアとらなきゃ!」とせっぱつまったような方よりも、「1年後に取れればいいかな」というように、期限に余裕がある方で、英語力をまずは全体的に伸ばしたい方にはちょうどいいかと思います。
IELTSだけではなく、たとえば文章のつなぎ方、話の発展のさせ方などは、英語力全般を伸ばすのにとても役立ちます。
せっぱつまった方は、やはり最初に紹介した、公式問題集が一番の近道ですね。
日本語対応の練習本!『ケンブリッジのIELTS公式ガイド』
こちらもケンブリッジが公式で出している、日本語版のIELTSの練習本です。ジェネラル対応にも対応しています。
特徴
「ガイド」っていうタイトルがついていますが、別に勉強法やテクニックを紹介しているわけではなく、基本的には「問題集」と思ってもらって良いです。
なので、まずは最初に紹介した公式問題集をやり、もし足りなくなった場合にはこれを使っても良いでしょう。
繰り返しますが、問題集は必ず「ケンブリッジ公式」のものを使いましょう!
この本には、練習問題が8セットもあります。
特にリスニングはたくさん問題に触れることがスコアアップにもつながりますので(もちろん同じ問題をしっかりやることも大事ですが)、この本をやるだけでもかなりのテスト準備となるでしょう。
しかし、相変わらずジェネラルの問題は少ない・・・2セットしかありません!(こんなに分厚い本なのに)。そして、ジェネラルのリーディングの難易度が少し高い気がします。
逆にいえば、良い練習なんですけどね。
単語集ならコレ!『Barron’s Vocabulary for IELTS』
英語教材でよく知られているBarron’sという会社が出している、IELTS(アイエルツ)の単語にフォーカスしたテキストです(洋書)。
IELTSに欠かせない派生語が覚えられる単語集で、アカデミック/ジェネラル関係なく役に立ちます。
特徴
この単語集がなんと言っても優れているのは、この2つです。
- トピックごとに分かれている
- Word Familyが秀逸
IELTSのスピーキングやライティングでは、トピック特有の単語を知らないとまったく話せなかったり、書けなかったりするので、トピックごとに単語を学ぶのは、効率が良いです。
例えば、Environment(環境)関連でいえば、
- pollution
- species
- endangered
- extinct
- green house effect
といったような独特の単語を知っていると、得点源になりますし、話も組み立てやすいです。
Word Familyというのは、派生語のことで、例えば、「employ」という言葉は「雇用する」という動詞です。
それを発展させて、
- employment 雇用(名詞)
- employee 従業員(名詞)
というように、語尾を変えると違う品詞になる、という言葉が英語には山ほどあります。
ですので、新しい単語を覚えるときには、このWord Familyを一緒に覚えるのが一番効率が良いのです。
含まれるもの
- リスニング問題のための音声データ(CD)
- 問題の解答
- リスニングのスクリプト
- 環境、ビジネスなどのトピックに分かれてすごく地味~に練習問題で構成されているユニット10個分
使い方
- 各ユニット最初のページにある、WordsとDefinitionをつなぎ合わせる問題をやります。
- その中から正解できなかったもの(つまり、意味を知らなかったもの)を抜き出して自分の単語ノートに書きます。
- 単語ノートを見ながら暗記していきます。
- 暗記が終われば、各ユニット最後のほうにある「Word family practice」の問題をやります。
単語の勉強法については、下のページもどうぞ。
欠点
ただ、このテキストには欠点もあります。
それは、ケンブリッジ公式のものではないため、練習テストの形式が、若干本番のものと違う点です。
ただ、上に書いた長所を兼ね備えたテキストがケンブリッジ公式から今のところ出ていないため、テストの形式が少し違うことだけ認識していれば、IELTSの単語の対策としてかなり使えるテキストだと思います!
スピーキング特化の単語集ならコレ!『スピーキング攻略IELTS英単語』
スピーキングが苦手な人にオススメしたいのが、明日香出版者より私が出版した「スピーキング攻略IELTS英単語」です。
IELTSスピーキングで7.0を取るために必要な単語力は、難しい単語を知っていることではありません。重要なのは、「ちょっと良い単語を良い場面で、正しく使えること」です。
IELTSスピーキングで特に有効な単語と熟語を厳選しています。
特徴
- スピーキング特化の単語を厳選
- 頻出トピック別の単語
- 豊富な言い換え・関連表現
- 試験を想定した例文
- 模範解答で収録単語を確認
- 音声無料ダウンロード
使い方
IELTSの勉強法を解説した参考書
『スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集』
ジェネラルには対応していないので、ジェネラルを受ける方は、ライティングとリーディングの形式が違うことに気をつけて参考にしてください。
含まれるもの
- IELTSテスト全体および各テストの概要
- IELTSの学習方法、対策、Tips、練習問題、チェックリスト、よくある間違い、など
- 模擬テスト×2、それぞれにスクリプト、日本語訳、解答と解説、スピーキングとライティングの回答例(添削例やフィードバックは無い)
- 練習問題と模擬テストのためのCD×2
良い点
著者は、元試験官で現在もIELTSを教えていらっしゃいます。
経験が長いだけあって、概要なども一般的に公開されている情報だけでなく、著者の視点からのコメントなどがあり、とても参考になると思います。
スコア5の人が6以上になるために書かれた本だ、とまえがきにありますが、そのとおり、一度受けた人が新たなTipsを求めて読むと、なかなか参考になることが多いはず。
ライティングとスピーキングに多くのページが意識的に割かれており、日本人の弱点をよく知っていると思います。(ただ、私の経験ではリーディングやリスニングが苦手な方も同じくらい多いですけどね・・・笑)
悪い点
役立つ語彙や表現が、あちこちにちりばめられていて、ちょっと不便かな。
これは巻末にまとめたりするのが定番だと思いますし、読者としては絶対にそのほうが使いやすいはずです。
また、著者のレッスンを受けているような感じで、話しかけるような文章が多く、全体的に文章が多めなので、テキストというより「読み物」みたいになっている箇所がほとんどです。
私は気になりませんが、読むのがしんどい方もいるかもしれません。
良い点のところでも言いましたが、一度受けた方でないとわかりにくい箇所もあり、IELTSのまったくの初心者が読むとちょっとしんどいかも。
模擬テストですが、おおむね試験形式に沿っていると思いますが、特にリスニングなどは常に最新の傾向をチェックしておきましょう。
このテキストだけではなく、本番までに、ケンブリッジの公式問題集(このページの一番上で紹介しているテキスト)で最新のものを解いておきましょう。
使い方
IELTSの対策をはじめようと思ったとき、まず最初にケンブリッジの公式過去問題集と一緒に買うのをお勧めします。
そして、過去問を1セットまずは解いてみてから、このテキストを読むとよく意味がわかると思います。
逆の順番だと、テキストの中で何を言っているのかわからない、という箇所が出てくるかもしれません。
IELTS試験に向けて英語力UP!参考書・教材・テキスト
英語の初心者の場合、いきなりIELTS問題を使って対策をしていくのではなく、「英語全般」のスキルをアップするのにある程度の時間をあてる必要があります。
基本の英語力が身についていない状態で試験形式の練習だけしても効率が悪いからです。
そんな時に役立つのがここで紹介するテキストです。ここでは、テキストの紹介をメインにしていきますね。
いつ、どのように使うかについては、下記の記事をご参照ください。
かの有名な音読パッケージ!『みるみる英語力がアップする!音読パッケージ』(通称:みるみる)
特徴
私は自他ともに認める「森沢教」信者です(笑)※そんな宗教はありません、私が勝手に言ってます。
著者の森沢洋介さんという方は、英語上達マップというウェブサイトで有名ですが、この方の英語勉強法は本当に理にかなっているし、日本人の性格にぴったりと合っていると思います。
どちらかというと体育会系!
ひたすら音読をしなさい!というような感じですが、やはり負荷をかけて毎日やらないことには英語って伸びないもの。
文法は講義形式や問題集を解いていくだけでは身につかない、というのは自分自身や生徒様を色々と見てきて実感していますので、このメソッドが、現段階で存在する英語の勉強法としてベストであると思っています。
使い方
- まず音声のみ再生し、全体の意味をとらえ、要約をする
- 英語のスクリプトを全文、辞書などを使いながら訳し、日本語訳と照らし合わせる
- わからずに辞書で調べた単語は自分で作った単語ノート(こちらのページ参照)に書き写す
- 完全に英文の意味がわかった状態になったら、まずは音声なしで、自分で声に出して読んでみる
- 音声を聞き、①スピーカーが息継ぎをしているところ ②音の高低 ③アクセントの位置 ④リンキング(単語と単語がつながって発音されているところ)に印を入れていく
- まずはリピート。音声を1文章ずつ区切って止め、リピートをする。この時点ではテキストを見ながら。
- リピートを何度かやって慣れてきたら、音声を流したままにして、0.5秒遅れで自分も声に出す。テキストを見ながらでいいです。
- 7を2〜3回やったら、テキストを見ずに音だけを頼りにシャドーイング
- テキストを見ながら・見ずに、というの交互に繰り返す
最終的にはテキストを見ずに音だけを頼りに、スムーズにシャドーイングができるようになるのが理想。
このパターンでパッセージ20くらいまで来ると、伸びは半端じゃない!自分でも実感できるくらい、英語全般の能力が伸びます。(その代わり、上記の作業は大変ですよ~~~)
良い点
- 音声がクリアでわかりやすい(ちなみにポーズの入ったものは私は使いません)
- 量がちょうど良い
- 文法がちょうど一つのパッセージで1~2個学べるようになっている。これは私は特筆したい点です!しかも、一つの文法事項が2回出てくるんですよね。
改善してほしい点
- 難易度順に並べてほしい
- 理解度チェックの質問が2~3個あると良い
この本のレベルアップバージョンもあったのですが、絶版になってしまったようです・・・再度パワーアップして再版されることを祈っています!
「みるみる」音読パッケージが終わったら、この教材!『5stepアクティブ・リーディング』
音読パッケージは、それほどたくさん章があるわけではないので、毎日マジメにやっていたら飽きが来ると思います。そんな時に、代わりとなるのがこれ。
この教材で好きなのは、質問がついているところ。
私が森沢さんの音読本でちょっと不満に感じているのは、理解度チェックの質問が無いところなのです。
パッセージを読んだり聞いたりした後に、理解度チェックの問題を解いてみるのは、本当に重要なステップだと感じています。
この本には、いい感じの質問が5問くらいあります。この質問形式が、けっこうIELTSのリスニングやリーディングに通じるところがあるんですよねー。
試験勉強に慣れていない方がいきなり過去問をやるよりも、こちらのほうがよほど身になる勉強ができると思います。
使い方
- パッセージを読む(リーディング強化したい人)か聞く(リスニング強化したい人)もしくは聞きながら読む(速読を強化したい人)
- 質問に答える
- 全体もしくはパラグラフごとに要約
- 全文訳
- リピート、シャドーイング 各30回ずつ
基本的には、先ほど紹介した「みるみる」と同じ使い方です。
内容も非常に面白いです!
IELTSのスピーキングやライティングで出てくるような、ちょっと深刻な問題(貧困、クローン、安楽死など)を取り扱っているので、レッスンでも「このテーマについてどう思いますか?」と軽く話し合ったりするのに使います。
英語初心者の方は、IELTSのスピーキング・ライティングにいきなり取り組むより、まずは「考える」クセをつけることが先決なので、このテーマはなかなか良いです。
IELTS参考書まとめ
わたしはIELTSの教材を40冊程度持っているんですが、本当に使えるのは、公式問題集とプラス4冊だけでした。
色々と試行錯誤した中での結果です。
ここで挙げたテキストは、少し高価なものもありますが、どれも「得られる効果」を考えると、お釣りがくるくらいの良本です!
あなたがIELTSの対策をするにあたって、無駄な教材を買いませんよう、このページを参考にしてみてくださいね。
ちなみに、私のオリジナルの単語集も、手前味噌ですが、IELTSのベースを作るのに非常にお勧めです!!
IELTSを独学で対策する方法を7日間の無料メール講座で伝授していますが、その登録の特典として差し上げている単語集です。
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