IELTS対策全般

IELTSの問題に取り組む前に!ネイティブと会話せずに基礎の英語力を伸ばす方法5つ

『IELTSのスコアはどうやったら取れるでしょうか?ちなみに今の英語力は中学校のやり直しレベルです。』

なんていう相談をよく受けます。

さてどこから始めればいい?というのが悩むところですよね。

そこで、ここではIELTS対策を意識しつつの基礎英語力の伸ばし方として、5つの方法を提案します。

この記事を書いた人

独学で、会話の練習の機会もないけどやる気はある!という方に向けた方法です。

実は、ネイティブと会話をしなくても英語力は伸ばせるんですよ!

基礎英語力を伸ばす方法①|シャドーイング

シャドーイングとは、音声の0.5秒ほど後について声に出し、そっくり真似っこをするという英語学習法です。

シャドーイングは、最強の英語勉強法だと思っています。

会話の流暢性、発音、単語、文法、リスニング力、英語の処理スピードなど、とにかくすべてに効きます。

難点は、非常に面倒かつ時間がかかる・・・

スポーツで言えば、素振りなどの基礎練習にあたるところをひたすら繰り返すイメージです。

英語は楽しくネイティブと話せば伸びるもの、と考えている方にとっては「つまらない」の極みだと思います。しかし、英語の勉強とは本来、時間がかかるもの。

ともすれば単調になってしまいがちな学習法ですが、小さな目標をたてたり、日によって違う教材を使ったりして、とにかく毎日続けることです。

毎日続けると、1ヶ月後くらいには効果が少し実感できます。

半年続けると、すでに自分でも、大きく違いを感じられるでしょう。これは保証します。

教材の選び方

シャドーイングは、正しい教材を選ぶことが本当に大事です!

まずはレベルです。

英語を少しできるようになってくると、「よしTedでも使ってシャドーイングするか!」となる方が多いのですが、Tedでは難しすぎます。

※Tedとは、「Ted Talk」という、英語でのプレゼンテーション動画を集めたサイトです。ted.com

また、映画やドラマなどでも難しすぎます。

レベルの目安としては、字幕なしで聞いて十分理解できる程度。背伸びは決してしないでください。ちょっと簡単すぎるかな?くらいでちょうど良いです。

レベルの他には、

  • CDなどの音源がついている。
  • スクリプト(台本)
  • スクリプトの日本語訳がついている。
  • 量が多すぎない。(紙の半分くらい。200〜300語くらいで良いと思います。)短いかな?と思うパッセージが数多くあるほうがやりやすいです。

上記をチェックしてください。

やり方

  1. まず音声のみ再生し、全体の意味をとらえ、要約をする
  2. 英語のスクリプトを全文、辞書などを使いながら訳し、日本語訳と照らし合わせる
  3. わからずに辞書で調べた単語は自分で作った単語ノート(こちらのページ参照)に書き写す
  4. 完全に英文の意味がわかった状態になったら、まずは音声なしで、自分で声に出して読んでみる
  5. 音声を聞き、①スピーカーが息継ぎをしているところ ②音の高低 ③アクセントの位置 ④リンキング(単語と単語がつながって発音されているところ)に印を入れていく
  6. まずはリピート。音声を1文章ずつ区切って止め、リピートをする。この時点ではテキストを見ながら。
  7. リピートを何度かやって慣れてきたら、音声を流したままにして、0.5秒遅れで自分も声に出す。テキストを見ながらでいいです。
  8. 7を2〜3回やったら、テキストを見ずに音だけを頼りにシャドーイング
  9. テキストを見ながら・見ずに、というの交互に繰り返す

最終的には、テキストを見ずに音だけを頼りに、スムーズにシャドーイングができるようになるのが理想!

1番の作業は、将来的にIELTSのリスニング力をつけるために、必ず入れましょう。

7番のところで、あまりにも音声から遅れてしまうようであれば、レベルが高すぎるのかも、と疑ってみましょう。

教材は、下記の記事で紹介している、森沢さんの音読シリーズがお勧めです。

2024年最新版!IELTS講師が厳選したおすすめ参考書と効果的な使い方【8選】IELTS対策におすすめの教材、テキスト、参考書、問題集の特徴と使い方を、IELTS講師歴10年の私がレビューします。英語(洋書)と日本語のテキストから厳選しています。すべて、私がレッスンで使ってきているものです。これを読めば、どの段階で何を買ってどう使うのかがわかります。...

基礎英語力を伸ばす方法②|ディクテーション

ディクテーションとは、書き取りのことです。

つまり耳で聞いたものを書き取っていく(タイピングしてもいいですけど)、という練習方法のこと。

当然のことながらリスニング力を伸ばすのに一番効果的ですが、英文処理能力(英文を聞いたり読んだりしたときに、どういう意味か即座に理解できること)を全体的に伸ばすことができます。もちろん、文法やスペルにも効果的。

しかし、これもシャドーイングと一緒で、けっこう(かなり)しんどい。体育会系です。

うまく自分をだましだまし、毎日ではなく1日おきにする、教材をローテーションする、など飽きがこないように工夫してください。

あまり自分に厳しすぎないように、3ヶ月、半年と続けることのほうが大事です。

教材の選び方

これはシャドーイングと同じで、レベルが高すぎないものを選ぶのが大事。

この記事を読んでいる方は、Tedや海外ドラマなどは選ばないように!きちんと教材として作られたものが良いです。

長さも大事。一つひとつの区切りが短い教材が理想的ですが、長いものは分けて別の日にやるなど、1日にやる量が多すぎないようにしてください。

上でお勧めしている森沢さんの音読シリーズや、NHKのテキストなどが良いかと思います。

他には、

  • CDなどの音源がついている。
  • スクリプト(台本)
  • スクリプトの日本語訳がついている。

などをチェックしてください。

やり方

  1. まず音声のみ再生し、全体の意味をとらえ、要約をする
  2. 英語のスクリプトを全文、辞書などを使いながら訳し、日本語訳と照らし合わせる
  3. わからずに辞書で調べた単語は自分で作った単語ノート(こちらのページ参照)に書き写す
  4. 完全に英文の意味がわかった状態になったら、スクリプトは隠しておき、音声を1文ずつ再生→ストップを繰り返しながら、白紙に書き取っていく。このとき、パソコンにタイピングでも良いのですが、IELTSは手書きのため、今から手書きの練習をしておいても良いと思います。とはいえ、これも厳しくしすぎずに、しんどい日はタイピングなど柔軟性を持たせておきましょう。
  5. 最後まで終わったら、答え合わせをする前に自分の書いた文章を音読し、おかしいと思う箇所は訂正する。
  6. スクリプトを見ながら、答え合わせを赤ペンでして、間違ったところの分析。なぜ聞き取れなかったかを考える。
  7. 赤ペンの箇所に注目しながら、また音声を聞く。
  8. そのあと、シャドーイングの作業の4番に移っても良いですね!

ポイント

  • 1文ごとに切っていくが、長い文章の場合はコンマの直前や主語の直後に切る。(スピーカーが息を吸うタイミングなども参考に)
  • 同じ箇所を7~10回くらいまで。それでも無理ならあきらめて先へ進む。
  • 上記に書いているように、シャドーイングと組み合わせるのも効果倍増です。
  • 1語書き取ってはまた再生し、1語書き取ってはまた再生ということを避ける。わかったところから埋めていく。I saw the man standing alone at the bus stop, shivering in the cold. と聞いたときに、I sawと書いた時点で「あれ?sawだっけ?sowだっけ?」と悩んでいると、その後の文を丸々聞き逃すことになる。ディクテーションの前にやっている訳や、リピート、シャドーイングの記憶なども頼りに、「男の人が寒さに震えながら?凍えながら?1人でバス停に立っているのを見た」んだよな~…と考えながら、I saw the man standing alone at bus stop/  / the cold.というように空欄を開けながら大まかに書き、2回目以降に空欄部分に集中して聞き直す。

基礎英語力を伸ばす方法③|単語の暗記

IELTSの勉強をしていると、必ず語彙の壁にぶつかるでしょう。

単語は一朝一夕に身につくものではないので、今から少しずつ覚えていきましょう。

やり方

これについては、IELTSに効く単語力を伸ばす、7ステップ勉強法に、詳しく書いていますので、参考にしてください。

実践でスラスラ使うためのIELTS単語勉強法!知ってるだけは通用しない【7ステップ】IELTS単語集の著者が、実践でスムーズに使いこなすためのIELTSの頻出単語の正しい覚え方を7ステップで解説します。実際にスコアUPに繋がる暗記のやり方をお伝えしています。...

とにかく知っておいてほしいのが、単語は1度覚えただけでは使えるようにならない、ということ。多くの方が誤解していることです。

1度暗記した=即、使えるようになる

ではありません!

暗記して忘れて、また覚え直し、同義語や派生語を知り、文章の中での使われ方を知って自分でも使う。

そうして初めて、その単語を覚えたと言えるでしょう。

IELTSでは、そういった本物の単語力が試されます。ご覚悟を〜

基礎英語力を伸ばす方法④|瞬間英作文

瞬間英作文とは、その名の通り、日本語を聞いてそれを瞬間的に英語にする、というものです。

瞬間英作文はやはりスピーキングに主に効いてきます。まさに「瞬発力」です。

ただ、文法別になっているので、文法のやり直しにも効きます。

単語は簡単なものを使うのであまり関係ないかもしれません。

正しい構文の基礎をこれで身に着けると、長い目で見ればライティングにも効いてくるかと思います!

教材の選び方

これは音読シリーズと同じ森沢さん著で、「瞬間英作文」というそのものズバリのテキストが市販されていますので、それをお使いいただくのがベストです。

色々発売されていますが、まずはベーシックなこの↑青の本から!

一通りできたら、このシリーズの本で応用にもチャレンジしてみましょう。

やり方

まず、1ユニット分の英語の文章(10個分)を、完全理解する。文法の成り立ちなど、ページ下部の「ワンポイントアドバイス」も参考にし、もしそれで足りないようなら文法書やネットで補い、理解するようにする。細かいところまで理解してください。例えば前置詞はなぜこれなのか、とか単数・複数や、なぜこの文章にはbe動詞があって、この文章には無いのか?とか。

  1. 音声をまず1回通しで聞いてみる。
  2. テキストを見ながら、音声に続いて言ってみる。
  3. テキストを見ずに、音声に続いて言ってみる。最初は、日本語の後に音声を止めながらでもOK。
  4. 最終的には、音声を止めずに日本語のすぐあとにあるポーズの間に英語を言ってしまえるくらいのスピードで英作文をする。

必ず声に出して行うこと!頭の中だけではダメですよー!!

小さい声でも良いので。口を動かすことが大事です。

基礎英語力を伸ばす方法⑤|日記

これは一番地味かも(笑)

でも昔から英語の学校では採用されてきた、地味~に効いてくる方法です。

そしてけっこう負荷が高いので(日記って日本語でも続きませんよね・・・)、だれかと一緒じゃないと続きにくい。例えば宿題に出されるとかね。

やってみるとわかりますが、英語で文章を書く、というのは、すごく難しいのです!!

IELTSでも、ライティングが一番みなさんが悩むのですよ。

英会話、英会話っていいますが、「書く」ことは日本人が一番苦手な分野だと思います。

いざ書き始めてみると、文法、単語、構文・・・様々な課題が見えてきます。

やり方

日記を書くだけです。

しかし、続けるのが難しい!!

最初は1文章から。

慣れてきたら少しずつ増やすというようにしてください。

今の時代は、ChatGPTがあるので、お題の提案から添削まで、AIにサポートを受けながら継続することもできます。

IETLTS対策を始めたい人へ

今回は、IELTSを学習する人に向けて、基礎的な英語力を上げる方法を5つご紹介しました。

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Kumiko
カナダで語学学校を10年経営し、IELTS対策をはじめ、TOEIC、英文法、ビジネス英語、翻訳、通訳、英会話などさまざまなコースで指導してきました。著書『スピーキング攻略・IELTS英単語』『独学で英語を話せるようになった人がやっていること』詳しいプロフィールはこちら
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