IELTSのボキャブラリー(単語)

「文脈で覚えるIELTS英単語」のレビューと効果的な使い方

「文脈で覚えるIELTS英単語」アゴス・ジャパン著

のレビューと効果的な使い方について書きます。

私は、カナダで語学学校を創設し、10年間経営。カナダで初めて、日本人特化のIELTSコースを創設し、以来、1,000人以上の日本人に、対面・オンライン・通信講座を通してIELTSを指導してきました。

教材オタクなので、IELTSの教材・参考書・テキストも日本語のものと洋書のものを合わせて100冊程度、使ってきました。

IELTSのお勧め教材のまとめはこちらからどうぞ。とても人気の記事です。

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基本情報

アゴス・ジャパンという試験指導の専門学校の講師が作った単語集です。2019年2月出版。

価格は、2,090円です。

サイズ

ページ数は352ページなのでちょっと薄め。

サイズもB6サイズというか、少し小さめなので、持ち歩きには適しています。

収録単語について

見出し語1,510語+類義語2,650語+注意語440語=合計 4,600語収録しています。

「注意語」というのは、英文パッセージの下に書いてあります。「覚えるべき単語」としては取り上げていないけど、テーマによって意味を知っている必要がある単語として扱われています。これについては後ほど詳しく書きます。

(↑Amazon.co.jpから画像をお借りしました)

単語部分の表示:

  • チェックボックス
  • (その文脈での)意味
  • 発音記号
  • 品詞のアイコン
  • 類義語1~4個(平均2個)
  • 類義語の例文とその日本語訳

英文パッセージについて

Part 1には、IELTSリーディングを模したパッセージ(文章のカタマリ)が52個、記載されています。こんな感じ。

(↑Amazon.co.jpから画像をお借りしました)

英文のレベルとしては中級くらいですが、英語圏のニュースもこんな感じです。

(当たりまえですが)文法の間違いなどもなく、読みやすい英語です。後で説明しますが、多読の入門には、ピッタリ。

音声データについて

音声はCDではなく、データをウェブ上からダウンロードするようになっています。インターネットにアクセスできれば、誰でも簡単にダウンロードできます。

音声の内容:

  • すべての英文(英語)
  • すべての見出し語と意味(英語・日本語)
  • すべての類義語(英語)
  • 類義語の例文(英語)

この音声データはなかなか充実していて、役に立ちます。詳しくは、後で説明します。

特徴

Part 1はリーディング、Part 2はライティングTask 1、Part 3はライティングTask 2、Part 4はスピーキングに効くようになっています。

つまり、

Part 1=リーディングのパッセージに似た英文

Part 2=ライティングのTask 1の解答文章(模範解答)みたいな英文

Part 3=ライティングのTask 2の解答文章(模範解答)みたいな英文

Part 4=スピーキングの解答文章みたいな英文(おもにスピーキングのPart 2ですね)

というような内容です。

良いところ

文脈で覚えられる

このテキストの大きな特徴であり、ウリになっているところです。

おそらく、IELTS講師や英語講師のほとんどが、「単語は文脈で覚えるのが効果的である」と思っているはず。

でも、日本で売られている英語の単語集って、「キクタン」みたいのを含め、とにかく「意味を覚えれば良いのよっ!」とばかりにゴリゴリと数を増やしていく目的のものがほとんどで、けっこう矛盾を感じている講師が多いと思います。

「単語集は単語の数で勝負」みたいな日本の市場の雰囲気の中、このような単語集を出すのは、賞賛に値すると思います。

特に、リーディングが苦手な方、国語が苦手な方、英語は「文法と単語の組み合わせである」と(無意識にでも)思っている方にはとても有意義なテキストでしょう。

多読が実践できる

正直、IELTSのリーディングのパッセージと比べると、このテキストの掲載されているパッセージの量は半分以下です。

ですが、大量の英文を読む、ということに慣れていない人が圧倒的に多いので、「読む」ことの入門として良いと思います。

また、英文を読み上げた音声もダウンロードできるので、「聞きながら、読む」ということが実践できます。

この方法は上級者でも実践している人が多く、多読がとてもやりやすい方法と言われています。

必要な単語がピックアップされている

IELTSリーディングの問題をやったときに、

わからない単語が多すぎる・・・!

とショックを受ける人は多いと思います。

そこで、真面目な人は、わからない単語をぜんぶピックアップして、覚えようとしたりするのですが、実はこれはとっても効率が悪いのです。

というのも、IELTSリーディングは、本文パッセージ中にわからない単語があっても、満点は取れます。

つまり、覚える必要のない単語がたくさんあるということです。

しかし、英語の勉強に慣れていないと、イマイチどの単語をピックアップするかわからない、という人もたくさん居ると思いますので、そういった人にはこのテキストはお勧めです。

このテキストでは、「必要な」単語は右側に別途覚えるべき単語としてリストされており、覚える必要はないけど、意味がわからないであろう単語や、リーディングでは出る確率も高いよ、という単語は「注意語」としてパッセージの下に黒字でまとめられています。

まぁ、はっきり言って、自分で多読をして、その中から必要そうな単語だけノートに書きだして覚えると良いのです。

ただ、真面目な人は、どうしても「厳選して」覚えるということができないことを、私も経験から知っています。「マインド」の問題なのです。

そのマインドから脱出するためには、このように、あらかじめ単語を選んでくれているテキストというのは、とても役に立つと思います。

ここから多読の入門を始めて、その他のテキストなどを使った多読に移行していくと良いでしょう。

トピック別になっている、数少ない単語集

私がこの単語集を手に取った理由の一つです。

以前からずっと、「トピック別」の単語集が日本には少ないなぁ、と思っておりました。

しかし、洋書の単語集はトピック別にまとめられているものがほとんどです。

私は個人的に、トピック別に単語を覚えていくと、記憶が定着しやすいと思います。

また、IELTSのスピーキングとライティングの対策、特にライティングには、トピック別の単語が必要です。

かなり細かい専門用語は必要ないのですが、ある程度の専門用語は必要です。

どういうことかというと、例えば「裁判」をテーマとする問題文があるとします。

あなたも、日本語であれば

  • 刑罰
  • 告訴する
  • 陪審員
  • 検察
  • 被告、原告

といったような、ある程度の単語は知っていて、使えますよね?

でも、弁護士や検事のようなプロみたいな専門用語はわかりませんよね?

同じことが医療やITやビジネスといった分野でも言えると思います。

IELTSのライティングやスピーキングで求められるのは、そういった、「専門職の人ではない、一般の人」が知っているような単語を使って自分の意見を表明することです。

こういった単語って、日本語ではわかるものの、英語では知らなかったりします。そして、「知らなければ、その分野については全然語れない」というものでもあります。

だから、こういったトピックに特化した単語って絶対に覚える必要があるのです。

ただ・・・、このテキストでは、ちょっと不十分ですね・・・

例えば、一つのトピックにつき、特化した単語は2~3個といった感じです。うーん、これではちょっと少なすぎる。

音声が充実している(文章の読み上げも含まれている)

個人的にはとても音声データのポイントが高いです。

文章の読み上げもあるのは、良いですね!上で書いたように、多読の入門として、音声があるとかなりの助けになります。

また、私がいつも推奨している、「スキマ時間」での勉強に最適です。

忙しい社会人は隙間時間で英語を学習しよう【継続の唯一の方法】フルタイムで仕事していたり学生だと「英語は時間ができたらやろう」と思っているだけで始められなかったりすぐに挫折します。英語学習は机に向かってやるものだと思っていると続けられません。この記事では私が実際にやり、効果が出たスキマ時間学習について具体的に紹介します。...

音声も活用した、このテキストの効果的な使い方は、後程説明します。

すべての単語に類義語が付いている

これはIELTSの単語集として、必須です。

IELTSでは、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングのすべてで、類義語・同義語の知識が必要になってきますので、IELTSの対策をし始めたらすぐに、類義語の意識をしてほしいです。

ただ、Amazonのレビューにもありますが、多少、無理やりな感はあるかなと・・・

類義語って難しいんですよね。私もIELTSの単語集を作っていますが、類義語がどうにも当てはまらないものもあります。私の場合は、そういった時には無理に類義語は書いていません。

私の作った単語集は無料でこちらからお配りしています。(メール講座の受講生への特典)

IELTSによく出る単語集付き!7日間メール講座【独学でIELTSの目標スコアを取る方法】 IELTSで目標スコアを最短で取るためには、「独学」での対策が絶対に必要です! スクールに通う・通わない、レッスンを受講す...

イマイチなところ

「文脈に沿って単語を覚える、語彙を増やす」という、本書のコンセプトには、確かにウソはないと思います。

ただ、IELTSの対策という観点からみると、「この単語集で完全に対策できるか?」と聞かれたら答えはNOです。

というか、このテキストは「単語集」とは捉えないほうが良いと思います。IELTSで必要になる単語を網羅しているわけではないですし、トピック別の単語集としても不十分だからです。

この単語集を使うべき人・使うべき人、使うべきタイミング・使うべきではないタイミング、上手な使い方というのが存在します。

次の章から具体的に説明しますね。

あとは、Kindle版が無いのは、個人的にはバツです。ただ、紙の単語集に対する需要は日本では特に根強いので、これは仕方がないでしょう。

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こんな人に向いている

この単語集を買うべきなのは、こんな方でしょう。

  • リーディングが苦手。特に、わからない単語を前後から類推できない。
  • リーディングで出てきた単語で、どれが覚えるべき単語なのかわからない。
  • 基本的な単語は覚えたが、実際にそれをスピーキングやライティングで使うことができない。
  • 「文脈で単語を覚えろ」と言われるが、どういう意味なのか、どうすれば良いのかわからない。
  • シャドーイングやディクテーションに慣れてきたので、ちょっと難しめの教材を使いたい。
  • IELTS対策をある程度やってきて、自分の苦手がわかっている。

これでもわかるように、わりと具体的な悩みを持っている方におススメできるテキストです。

「今からIELTS対策を始めるぞ!」という方が、単語の勉強をしようとして手に取るべき本ではないです。

効果的な使い方

(↑Amazon.co.jpから画像をお借りしました)

このテキストが推奨している使い方は、下記のようになっています。

Step 1 英文を読む

Step 2 単語を覚える

Step 3 英文を繰り返し読む(音読する)

しかし、私が使うとしたらちょっと違います。私が考える、効果的な使い方を補足して書いていきたいと思います。せっかく買ったのなら、使い倒しましょう。

Step 1 音声を聞く→内容を要約する

テキストを読む前に、まずは英文の読み上げを聞いてみます。

大多数の人は、目よりも耳が弱く、そして要約のスキルはIELTSで必要とされるわりに、できない方が多いので、チャンスがあれば要約をやるべきです。

Step 2 英文を読む(単語はわからないまま)

今度は英文を読み、また内容を要約してみます。要約の内容は、Step 1と変わってくるかもしれません。これを分析すると、自分が耳で認識する英語と、目で認識する英語が違ってくるのがわかります。

Step 3 単語を覚える、日本語訳を読む

このステップは日本人が好きな(?)ところだと思います。右側にあるリストから自分のわからない単語を拾い出して覚え、パッセージは日本語訳を読んでわからない箇所をゼロにします。

Step 4 ディクテーションをする、シャドーイングをする

せっかく読み上げの音声もありますし、こういった教材があったらディクテーションやシャドーイングのチャンスと考えます。

実際のIELTSのリスニングの問題は、難しすぎて、シャドーイングやディクテーションには向きません。

そういう意味で、下記↓の記事で紹介している易しめの教材からちょっとステップアップしたい人にもお勧めです。

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Step 5 単語ノートを作る、何度も反復して覚える

こちらの記事で書いているように、オリジナルの単語ノートを作り、暗記し、反復する、という作業を繰り返してください。

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Step 6 スキマ時間に、読みながら音声を聞く

下記の記事で書いていますが、通勤時間、お風呂の時などに、音声データを聞きながらスクリプトを読み、耳で聞こえる情報と目で認識する情報とを一致させる作業をします。

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Step 1~6までこなせば、相当な力がつくはずですよ!!

まとめ

とても良い本です。ただ、下記のことを知っておく必要があります。

  1. 使う人、使うタイミングが決まっている
  2. これ1冊ではIELTSの単語対策は不十分である

そのため、これからIELTS対策を始める方にはあまり向いていないと言えるでしょう。

これから本気で、IELTS対策を始めていくぞ!という方には、まず下記の7日間メール講座を受講してほしいです。独学でどうやってIELTS対策を進めていくのか、その具体的な方法を伝授しております。また、無料の単語集が特典で付きますので、単語の対策はここから始めてください。

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Kumiko
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カナダで語学学校を10年経営し、IELTS対策をはじめ、TOEIC、英文法、ビジネス英語、翻訳、通訳、英会話などさまざまなコースで指導してきました。現在はその経験を活かし、オンラインで英語独学法を発信。
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