IELTS(アイエルツ)(International English Language Testing System)は最近注目の英語試験です。東大や外務省でIELTSが英語能力の判断基準に採用されており、留学や移民など特別な目的に限らず、英語力判定や英語力アップに効く試験として、いまおススメです!
特に、中級から上級への伸び悩みを感じている方にも、適した試験だといえます。
そんなIELTSの特徴を5つにまとめてみました。
- TOEIC® と違い、記述式
- リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つすべてが試される
- スピーキングは1対1の面接
- イギリス英語
- スコアは1~9で、各スキルと平均のスコアが出る
TOEICと違い、記述式
IELTSは、日本でよく知られているTOEIC(トーイック)と大きく違い、記述式です。マークシートとかパソコン上の試験ではなく、まるっきり、紙と鉛筆で書いていくアナログ~な試験です。
もちろん、スペルも採点に入ります。リスニングやリーディングで、スペルを間違えたら、その問題は不正解となります。
そして字はブロック体で、キレイである必要はありませんが、きちんと読めるレベルである必要があります。
ライティングももちろん、ひたすら鉛筆で書いていく方式です。(当然コピペなどはできないので)、途中で大幅に変更することはできません(というか、そういうことをしている時間はありません)。ですので事前の準備が重要になってきます。
追記:現在は一部の会場でコンピューターベースの試験が導入されています。
リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つすべてが試される
TOEICにもスピーキングやライティングはありますが、まだまだ一般的ではありません。通常のTOEICはリスニング、文法、リーディングを試されるので、アウトプットの能力は試されません。
ある意味、日本人がとっつきやすい試験とはいえますが、英語の本当の能力は測れませんよね。実際に、TOEICは満点なのにしゃべれない、という人が続出していたりします。
それに対してIELTSはライティングやスピーキングを含めた4つすべての能力が試されます。ライティングはエッセイを2本書き、スピーキングはQ&Aとプレゼンといった本格的なもの。
でも、地道に勉強したら報われるようにきちんとデザイン・設計されている、歴史のある試験です。(わたしはそこが好きなんですよね!)自分の現在の英語力がしっかりわかります。
スピーキングは1対1の面接
IELTSの良いところの一つがスピーキング!!IELTSのスピーキングは1対1の面接なんです。スピーキングって、本来は人と人とのコミュニケーションですよね?それに一番近いスタイルと言えます。TOEFL(トフル)などではパソコンで録音、一人でしゃべる形式なのでちょっと自然ではありませんよね。
緊張する!と思われるかもしれませんが、意外となごやかに面接は進みます。内容は、試験官が質問をして受験者が答える、という形式と、受験者が一人でしゃべるプレゼンの形式が組み合わさっています。
面接官はきちんとトレーニングを受けており、一定の質が保たれています。
イギリス英語
IELTSはイギリスのケンブリッジ大学が主催の試験です。したがって全般的にイギリス英語です。公式の主張としては(笑)いちおう、アメリカ英語なども採用しているということなんですが、まぁ基本イギリス英語ですよね。
問題となるのは主に二つ。
イギリスならではの用語。apartmentはflat, elevatorはlift, truckはlorryと、アメリカ英語に慣れた方だと「何じゃこりゃ?」という単語がお目見えするかもしれません。これは慣れるしかないですね・・・。そんなに数としては多くないですよ。
あとは、イギリス訛りですね。スコットランドなど、極端にわかりにくい訛りはありませんが、それでも慣れていないと最初は戸惑うかもしれません。でもね、イギリス発音が真の問題ではないことがほとんどです。
本当にリスニングが出来る人は、イギリスだろうがアメリカだろうがあんまり関係ないとわたしは思います。下のページも参考にしてください。
IELTSリスニングで合格スコアを取るための症状別・勉強法7つ
スコアは1~9で、各スキルと平均のスコアが出る
IELTSのスコアはちょっと不思議な感じになっています。最低スコアは1.0。最高スコアは9.0で、0.5きざみです(たとえば4.5とか)。
英検と違って、合格・不合格ではなく、TOEIC® やTOEFL® と同じで、必要なスコアを自分で調べたり設定してそれを目指すタイプです。このサイトで私が「合格スコア」と呼んでいるのは、それぞれの受験者が必要とするスコア、という意味です。
4つのスキルを平均で出したものがOverall(オーバーオール)スコアと呼ばれます。必要になるスコアは、この平均スコアを指すときもありますし、一つひとつのスキルに指定がある場合もあります。
まとめ
IELTSはイギリスのケンブリッジ大学が主催ということもあり、ちょっとスノッブ(高慢)なところが見え隠れしなくもありませんが、上で書いたように色々と良いところがあるんです。しっかりと英語を勉強し、試験対策をした人が報われる、日本人の性格に適した試験だといえます。少なくとも、わたしはとても好きです。歴史が長く、試験自体がとても洗練されています。
決して簡単な試験とはいえませんが、IELTSで合格を目指して勉強していたら、いつのまにか英語力も上がっている、というのがうれしいところ。留学や移民を目指してIELTSを受ける方も、IELTSの対策勉強は、(留学生活などで)とても役立ちますよ!
※アイキャッチ画像 © Igor Mojzes– stock.adobe.com
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