1,000人以上の日本人にIELTSを指導してきた私が言えること。
それは、英文法がIELTSの全技能・・・リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングにおいて、絶対に避けて通れない、ということです。
スコアアップには、しっかりとした文法の知識が必要です。
そして、知識だけではなく「文法を適切に使いこなせること」が不可欠です。
英文法をうまく理解していなかったり、使いこなせなったりすることで、減点や失点につながることもあります。
この記事では、IELTS対策をするにあたってレベル別のおすすめの参考書と、効果的な英文法の学習法を共有したいと思います。
- 今からIELTS対策を始める
- 英文法には自信がない
- 英文法の知識は少しあるが、あいまいなところがあって不安
- 文法が原因でIELTSの文章が理解できないことが多い
こんな人は、ぜひ読んでみてください!!
本記事の信頼性
目次
IELTSにおける英文法の重要性
英文法とIELTSのスコア
IELTSで目標スコアを取るためには、各技能がどう文法に関連しているかを理解することが前提となります。
文法の理解度は、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング、全てのパートでスコアに直結します。
各技能で文法が占める役割
リスニング
ある程度の文法知識がなければ、問題文や音声で何を言っているのか理解することが困難になります。
リーディング
文法力がないと、問題文や本文パッセージの理解が難しくなります。
スピーキング/ライティング
文法は採点基準の25%を占めています。伝えたいことを明確に伝えるためには、適切な文法知識が必須となります。
文法がすべてではありませんが、ライティングやスピーキングで、間違いの頻度や度合いが高いと、試験官が理解できません。
以上のことからも分かる通り、文法はIELTSの全技能の試験に深く関わっています。
IELTS文法対策におすすめの参考書5冊
私がこれまでの経験から、特におすすめしたい5冊をご紹介します。※紹介するテキストは、私のアフィリエイトリンクです。
IELTSスコア5.0未満の人へおすすめの参考書
今のスコアが5.0未満、もしくは、IELTSを受けたことがなく「英語を最初からやり直さないと」という状況の人へおすすめなのがこちらです。
いわゆる「基礎」を身に着ける、ということになりますが、これを日本式に言うと「中学英文法」にあたります。
その名前ズバリの参考書が存在するのですが、これは大人の英会話本ではなく、学生のための参考書です。基礎的な英文法を網羅するにはピッタリです。
実は中学校で習うレベルの英文法で、かなりのことがカバーできてしまいます。
なので、まずはこちらをおさえておきましょう。
参考書と問題集で並行して学習します。
- 参考書を1項目読む
- 問題集で同じ項目の問題を解く
- 間違えたところは参考書に戻って復習する
というようなサイクルを回していきます。
IELTSスコア5.0以上の人へおすすめの参考書
「これからIELTS対策を始めたいけど、文法があいまいで不安だな・・・」という人は多いです。
かといって、初心者というわけでもなく、文法は知識として持っている、という場合が多いんですよね。
そういった人の問題は何かというと、文法の知識があちらこちらに散らばっており、きちんと頭の中で整理されていないため、結局なんとなくで文法を運用してしまっているわけです。
そういう場合にやることは「また文法書をイチからやり直すこと」だと誤解されがちですが、違います。
もし文法書をイチからやり直しても
- 知ってることばかりで退屈→続かない
- もしやり通したとしても、また同じ場所に戻るだけで発展しない(結局、文法を使えるレベルにならない)
と、完全に無駄になってしまいます。私の知る限りでは、退屈で続かないパターンが多いです。
こういう人が何をするべきかというと、「構文演習」です。
構文演習には2通りあります。
- ある程度のかたまりの英文を日本語に訳していく
- 文法別に分けられた日本語のシンプルな文章を英語に訳していく
この2つを、①→②の順番、もしくは、同時並行でおこなっていきます。
構文演習➊(英語→日本語)に適した参考書
この参考書をする目的は「少し複雑な英文のパターンを頭の中に入れ込んでいく」ということです。
実際に、習った文法が文章の中でどのように使われているのか、そして英文の中に使われている文法を見破ることができるのか、ということを検証してしていくことができます。
同じ目的で「精読」をやる人も多いのですが、こういったものを使ったほうが「特に取り上げるべき文法」を狙い撃ちした文章を使って練習できるので効率が良いです。
構文演習➋(日本語→英語)に適した参考書
日本語の文章を英語に訳すトレーニングをするときの参考書の選ぶ条件は、この二つです。
- 文法別に分けられていること
- 日本語がシンプルな文章であること
私のおすすめはこちら。
英語の初級者ではなくても、この目的としては「初級」の本を選びましょう。
IELTSスコア6.5以上の人へおすすめの参考書
ちょっとだけ上級を目指したい人には、こちらもおすすめしておきたいと思います。
IELTSを主宰しているケンブリッジが出版しているIELTS用の文法テキストです。
良い点としては、公式機関が発行しているだけあって、問題形式がIELTS本番の形式にきちんと沿っていること。
でも、けっこう難しいので、6.5未満の方や「受けたことがない」人にはあまりすすめないです。
ただ、このレベルになってくると、「文法」そのものにフォーカスするよりも、とにかくたくさん読んで(多読)、英語の文章を読むことに慣れ、速度を上げていくほうが効果的だったりします。
英文法の効率的な勉強法
文法のルールを理解する、完全を目指さない
まずは中学校で習うレベルの英文法を知識として入れましょう。
全てのルールを完璧に覚える必要はありません!
なぜなら、IELTSではあくまで使える英語が求められるからです。
覚えすぎると、細かなルールにこだわりすぎてしまい、スピーキングでの流暢性やライティングでの論理一貫性など、文法以外の重要なポイントに悪影響を与えることもたくさん見てきたからです。
たぶん、中学英文法を終了しても「まだまだわからないことがたくさんある!」という状態になるかと思いますが、それで大丈夫です。
練習問題をたくさん解く
中学校の英文法を学習していく際に、練習問題をたくさん解くことも重要です。なぜなら、文法を学ぶということは、新しい言語のルールを身につけるということ。
それを自分のものにするには、繰り返し使うことが必要なのです。
読んだだけで全部覚えられる人は、0.01%くらいの天才だけです。
学校では、どの科目でも、教科書を読むだけではなくて書いて、ドリルをして、暗記して、テストがあって、ようやく一部覚える程度ですよね?
英文法もまったく同じ。問題を解き、解説を読むことで、理解が深まり、使える文法知識が増えます。
実際に、私の英文法講座でも、かなりの数の練習問題を講座生に解いてもらい、文法力を身につけてもらってます。
構文演習をする
参考書を紹介する章でも書きましたが、「理解している文法が、実際に文章となった時にどのように使われるか」というパターンを頭に入れ込んでいくために、このプロセスは必須です。
なぜ、このトレーニング法があまり知られていないのか、本当に七不思議なのですが・・・
中級者くらいの人が「私、文法があいまいだから文法書をやり直す!!」と決意するシーンを数えきれないほど見てきたんですが、これはあまり良い判断ではありません。
だって、すでに知識はあるので、必要なのは知識を入れなおすことではないのです。
私が大学受験をしたときに何周もして使い倒したテキスト、それが「構文演習」です。
これで私は(当時の)センター試験で英語満点を取りました(英語に振り過ぎて他の教科がひどい結果だったという戦略ミス)しかし、これで学んだことが今でも私の英語力の基礎になっています。… pic.twitter.com/JyJhoZIBeu
— Kumiko|英語学習を高速化する人 (@IELTS_expert) February 5, 2024
もし「知識はあるけどうまく運用できない」と感じているなら、構文演習にトライしてみましょう。
つまづいたら、その都度見直す、間違った項目だけやり直す
さらに、IELTSの勉強中に文法でつまづいたときは、その都度文法書を見直すこともおすすめします。
上でも言ったように、文法は一度覚えたら終わりではなく、定着させるまでには繰り返し学習する必要があります。
また、特にIELTSのリスニングやリーディングでは、色々な文法が使われています。そのため、特定の文法ルールにつまづいたときは、その部分だけを見直すことで、効率的に学習を進められます。
ライティングやスピーキングで誰かに添削してもらった時、間違いを指摘されたら、そこも見直しておきましょう。
多読をする
文法の知識を入れた、問題もたくさん解いた、構文演習を通して英文のパターンも入れ込んだ。
それでも文法が原因で、下のお悩みをお持ちの人は多いです。
- リーディングやリスニングで問題文がパッと読めない
- リーディングのパッセージ本文を読むのに時間かかる
- ライティングやスピーキングで文法間違いをしてしまう
これを解決するのは多読です。というか、多読しかありません!
英語をとにかくたくさん読みましょう。
すぐに効果が出るものではありませんので、継続することを優先事項において、やってみてください。
多読の効果については、Pivotに出演した際の動画を参考にしてください↓
IELTS文法対策について詳しく解説しているメール講座
実は、IELTS対策にしぼった英文法の参考書は多くありません。日本語でいえば、現時点では存在しないと思います。
IELTSにおいて文法は重要なんですが、不思議です。
そんな重要な文法の勉強法について、この記事よりもさらに詳しく解説している、私のメール講座(無料)があります↓
このメール講座はIELTS対策に絞ったものではありませんが、IELTS学習者にとっても非常に役に立つ内容になっています。
まとめ
この記事では、IELTS対策の中でも「文法」について解説しました。
- 英文法の理解がIELTS全技能のスコアにかかわってきます。
- 有効な英文法の参考書を選ぶことも鍵を握ります。適切な参考書を選ぶことで学習効率が格段に上がります。
- 文法のルールを理解し、完全を目指さないこと、練習問題をたくさん解くこと、そして文法に躓いたらその都度文法書を見直すことが効率的な学習法となります。
IELTSを教えて長いのですが、意外に「文法」については誤解が多いような気がしました。
IELTS対策をするにあたって、文法に悩んでいる人は、ぜひ今回の記事を参考に学習を進めてみてくださいね。
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