IELTSのリーディングで合格スコアに足らないとき、単純に「英語力が足りない」と考えては前進がありません。
スコアが伸びない原因を分析しなければいけません。
- ボキャブラリー(語彙・単語力)が足りない(同義語・類語を含む)
- 構文・文法力が足りない
- 速読テクニックを知らない
- 要約力がない(木を見て森を見ず)、国語力がない
- IELTSの試験形式に慣れていない(言い換えを含む)
- 背景知識が足りない、英語圏の文化に慣れていない
- 集中力がない
という7つの原因が考えられます。
まずは、IELTSの公式問題集を使い、リーディングを1セット解き、答え合わせをして、間違った問題を「なぜ間違ったのか?」という視点で振り返ってみてください。
公式問題集については、下記のリンクに詳細や使い方が書いてあります。少しクセがある問題集なので、一読してから購入することをお勧めします。

この時、「すべてを正解しよう」と思わないでください。
日本人の場合、どうしてもマイナスの点に目を向けがちになってしまいます。
答え合わせをしていると、
あ、ここも、ここも、あれも、間違っている
と落ち込んでしまう方が多いのですが、実は全体で数えてみると、十分に目標スコアに達している場合もあります。
もし十分に目標スコアに達している場合は、その技能(たとえばリスニングなど)については少しお休みして、他の技能に力をいれたほうが、限られた時間で目標スコアに近づく戦略としては正しいのです。
4つの技能すべてで目標スコアをクリアしないといけませんからね!
また、人間の自然な気持ちとして、どうしても自分の得意な技能をやりたくなってしまったりするものですが、これも客観的な判断が必要になるところです。
一つひとつの原因について、症状の特徴と対処法を見ていきます。
目次
ボキャブラリー(語彙・単語力)が足りない

症状
- 質問文(本文ではありません)の1つにつき絶対に一つわからない単語がある。
※「単語がわからないせいで本文がわからない」という気持ちになるかもしれませんが、それは分析が間違っていることも多いです。
- 単語や文法はだいたい知っているけど、リーディングのスコアにつながらない
- 答え合わせをしてみたら、答えになっている単語そのものが「知らない単語」であることが多い
対処法
こちらのページ↓

を参考に、まず単語力を伸ばすこと。単語力は絶対に必要です!!!
また、言い換え表現は本当に重要です。
私のレッスンでは、リーディングを普通に解いてもらった後、言い換え表現をリストアップしていただきます。
ここでのコツは、「指し示すもの」を挙げるのではなく(それも読解演習でやることもありますが)、
どのパッセージに出てきても共通するようなものを挙げるということです。
例えば
employ – hire
など、シンプルに同義語の言い換えのものと、文章レベルになっているものがあります。
言い換え表現をしばらく特訓していると、IELTSのパターンがつかめるようになってきます。
質問文を見たら、言い換え表現がいくつかパッと頭に浮かんでくるようになります。そうなれば、こっちのものです!
構文・文法力が足りない

症状
IELTSの質問文(本文ではありません)を見たとき、単語はわかるけど、全体の文章になると、混乱してしまう。または、質問文の意味をとるのにすごく時間がかかってしまう。
対処法
これには、
- 品詞(名詞、形容詞、動詞)
- 文型(SVOなど)
- 関係代名詞
- 分詞
- 受動態
に関する知識が必須です。
これが無いと、いつまでも「なんとなく」で終わってしまい、IELTSで、なぜかいつもリーディングだけがスコアが落ち込む、ということになってしまいます。
少し複雑な文章になると、分詞の知識が重要になってきます。
分詞とは、動詞が形容詞の働きをして名詞を修飾するというものです。
ただ、一見、動詞のように見えてしまうので、分詞を動詞を勘違いしてしまう人が多いのですが、勘違いしてしまうと文章の意味がまったくつながりません。
There is a table made by my father.
という文章があったとすると、この文章の中のmade は分詞であり、a table を修飾している形容詞です。
この文章の主語はthere , 動詞はis という解釈をしなければいけません。
この場合のmade は過去形ではなく、過去分詞形なのです!
IELTSに出てくる文法だけを狙いうちで勉強してください。特に、
- 品詞(名詞、形容詞、動詞)
- 文型(SVOなど)
- 関係代名詞
- 分詞
- 受動態
です。
文法の勉強方法
決して、文法書を端から端までやろうとしないこと。本屋さんで、薄い文法の練習本(説明だけではなく、練習問題が豊富にあるもの)を選んで、上記↑の文法項目だけやってください。
速読テクニックを知らない

症状
一つひとつの文章を訳していくと、意味を正確に取ることができる。でも時間がすごくかかり、正答率も低い。
対処法
IELTSのリーディングは時間が勝負なので、読まないでいいところは、
少しでも読まない努力
をしなくてはいけません。
その意味では、「リーディング」と考えるのではなく、「情報を取る」と考えてください。これは本当に大事な考え方です!
一言一句読むのではなく、情報を取る のです。
あなたは、Wikipediaで何かを調べるとき、ずらーっとある情報の中から自分が求めている情報だけ読むでしょう?
そして、その情報が書いてある部分でも、一言一句きっちり読まずに、飛ばし読みしませんか?
Wikipediaで調べることを、「読書」と思う人はいないでしょう。
それを英語でもやるということです。
要約力がない、国語力がない

症状
- 本文を一つひとつ訳していくことはできるが、やっているうちに全体像を見失ってしまう。
- 学生時代、「国語」が苦手科目だった。
対処法
全体像を見る
単語をぜんぶ調べても、リーディングが読めないので、文法がまずいのかな・・・
という発言をされた生徒様がいらっしゃいましたが。
リーディングのスキルは、決して、
単語+文法
で構成されているわけではありません!
というより、それより大事なものがあり、それは、
全体像を把握する
ということです。
リーディングに取り組むとき、まず最初から最後まで本文を読まなきゃだめだ!という考えにとらわれていませんか?
そういうふうにリーディングを行ってしまうと、タイムは永遠に縮まりません。
それより、ざっと見て、全体像を把握することが大事です。
木を見て森を見ず・・・にならないように。
常に大きな視点を失わないようにすること。
これは英語全般に通じることです。
国語が苦手
「日本語力がない」というのも、IELTSのリーディングの足をひっぱる要因になったりします。
英語も言葉の一つですから、自分の母国語のスキルも、英語のスキルに大きく関係してくるわけです。
「日本語でも速く読むことができない」という場合は、とにかく日常生活に訓練を組み込むことです。
- 電車の広告を見て、1秒で「何が書いてあるか」「何の目的の広告か」を把握する
- メニューを見て5秒くらいで全体的に何があるか把握、自分のオーダーを決める
- 説明書を見たら5秒でどういう流れなのか把握する
- Wikipediaで何かを調べたら、10秒くらいでその物について人に「一言で」説明できるようにする
とにかく、何か文章が固まりになっているものが目に入ってきたら、ぱっと読んで全体像を把握!
日本語でも英語でもです。
もちろん最初からできないと思います。
でも意識することが大事です。
電車の広告のような短いもので速読できないのに、IELTS(アイエルツ)のような文章の固まりが速読できるわけがありません。
勉強は、机に座ってやるだけではありませんよ!
要約については、こちらの記事にも書いていますのでご参照ください。

IELTSの試験形式に慣れていない

症状
英語にはそこそこ自信があるし、本文も何が書いてあるかだいたいわかっているけど、正答率が低い
対処法
言い換え表現を身につける
IELTS(アイエルツ)のリスニングとリーディングでは、「言い換え」表現が良くあるということを申し上げましたが、言い換え表現のバリエーションでよくあるものとして、
主語と目的語が入れ替わる
というパターンがあります。
主語と目的語が入れ替わるというのは、「受動態」が定番ですが、
そのほかにも、
cause⇔result from
give⇔receive
といった、対になる言葉を使用して言い換えてきたりします。
この問題形式は、「うーん、うまい!」と私もうなってしまいます。
単語を知っているかどうかということに加えて、文法を試していることにもなるからです。
たとえば、
The accident resulted from careless driving.
(その事故は不注意な運転により起こった)
という文章は、
Careless driving caused the accident.
(不注意な運転がその事故を引き起こした)
というように言い換えがなされます。
これは、IELTSのリスニングとリーディングどちらでも出題されます。
復習を重視しつつ、問題をたくさん解く
問題形式に慣れるには、もちろん問題の数をこなす必要があります。
ただ、ここで思考停止して「とにかく数をたくさん解けばスコアが上がる」というのは間違いです!
問題を解いた後には、かならず振り返りにたくさんの時間を取り、特に
なぜ自分はこの問題を間違ったのか?
ということを考え、具体的な対処法を考えるようにしてください。
背景知識が足りない、英語圏の文化に慣れていない

症状
- (特にジェネラルのSection 1やSection 2で)お金や面積、サイズの単位など(square feet, pound, acreなど)がわからない。
- どうしてそういう話の展開になるのか、時間をかけて考えてもわからない。
対処法
ちょっと対処に時間がかかってしまうと思いますが、海外ドラマや映画、本などをとにかくたくさん観たり読んだりすること。
海外に住むのもアリですが、現実的じゃない人も多いと思うので。
ここでのコツは、焦らないこと。結果をすぐに求めないでください。
1ヶ月~3ヵ月くらいのスパンで考えましょう。
IELTSのほかの勉強に疲れたら海外ドラマ観ようかな・・・くらいの軽い気持ちでやってください。好きなものを選ぶのが大事です!
IELTSでスコアを取ったら、海外に留学する人も多いはず。
英語圏の文化を知っておくことは、IELTSだけじゃなく将来的にも絶対に役立ちます!

集中力がない

症状
リーディングをやっていると、読んでいる最中にほかのことを考えている。目が上滑りして、何度も同じ文章を読み返している。ご本人はそれが元々コンプレックスだったり、もしくはそのことに気付いておらず、レッスンを始めてから講師に指摘されて初めて気づいたりします。
対処法
集中力を持続する方法、色々とあるようです。
- 1つのことをやる(シングルタスク)をまずは5分続けてみる→10分→15分と長くしていく。
- 休憩時間をしっかり分けて取る(たとえば、食べながら、飲みながら勉強をしない)
- ごほうび(これが終わったらあれを食べよう、など)
- 難しいことと簡単なことを交互にする(リーディングをやった後はリスニングなど、自分の得意なものと苦手なものの組み合わせ)
- 自分のサイクルを把握し、それに応じて計画をたてる(例えば朝型の人は朝にいちばん大変なことをやる、など)
試験本番では3時間ほど集中力を持続させないといけないので、勉強しているときから少しずつ集中力も意識して鍛えていきたいですね!
まとめ

リーディングと一口で言っても色々な原因があり、それによって対処法も違うことがわかっていただけたと思います。
- ボキャブラリー(語彙・単語力)が足りない(同義語・類語を含む)
- 構文・文法力が足りない
- 速読テクニックを知らない
- 要約力がない(木を見て森を見ず)、国語力がない
- IELTSの試験形式に慣れていない
- 背景知識が足りない、英語圏の文化に慣れていない
- 集中力がない
あなたのリーディングが伸びない原因は何でしょうか?
もちろん、2つ以上の原因が合わさっていることもあります。じっくり見極めて、見当違いの勉強をしないように気をつけてくださいね。
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