IELTSスピーキングのパート1と3では、ただ単に思い浮かんできたものを、そのまま話していると、採点基準の一つである「流暢性と一貫性」のポイントが取りにくい傾向にあります。
その理由は、日本語と英語の「話の順番」がまったく違うからです。
日本語の話の順番のまま答えてしまうと、英語ネイティブスピーカーである試験官にとっては、かなり理解しにくいのです。
それを防ぐにはどうしたら良いか?
この記事では、「これに沿って話せば大丈夫」という、テンプレートをご紹介しますね。
本記事の信頼性
明日香出版社より、スピーキング特化のIELTS英単語集を発売しています。
目次
IELTSスピーキングPart 1とPart 3で使えるテンプレート
テンプレートの必要性
前書きのところでも書きましたが、日本語と英語では「発想、考え方そのもの」が完全に違っており、真逆なんですよね。
なので、「英語を正しく話そう」ということばかり気にして、とにかく日本語で思いついたことを話していくと、まったく意味をなさなかったり、ずっと同じことを言っていたり、試験官は、理解がしにくかったりします。
つまり、流暢性と一貫性のポイントが取りにくい!
ただ、「考え方を変えましょう」というのも無茶な話ですよね。もし変えようとしたら留学したり海外に住んだり、とにかく長期間がかかってしまうものなので。
そこでこの記事では、正しい英語の話し方を4ステップにして、慣れてきたらあまり考えずに論理的に話していくことができるようにしています。
話す順番は4ステップ
基本的に、Part 1とPart 3では下記のような順番で話を組み立てていきます。
- 結論(質問の答え)
- 理由
- 具体例
- そうじゃなかったら・・・(if/whenを使う)
4つありますが、基本的に①~③だけで良く、パート3などでもっと話したいな・・・と思った場合に④を使ってください。
話をわかりやすくするために、日本語で例を書きますと。
問題:バケーションって必要だと思いますか?
① はい、必要だと思います。(結論)
② なぜなら、バケーションに行くと忙しい現実を忘れてリフレッシュできるからです。(理由)
③ 例えば、私は去年ハワイに行きましたが、青い空と海に囲まれ、その時の仕事の悩みをちっぽけなものだと思うことができました。(具体例)
④ もしバケーションが無ければ、人の心はすさんでしまうでしょう。(そうじゃなかったら・・・)
※④はなくてもOK
という感じですね。イメージわきますか?
テンプレートを使う時の注意点
ここでの注意点は、③のところでとにかく具体的にすること!
上の例でいうと、よくある間違いが、
③ 例えば、私は去年ハワイに行きましたが、現実を忘れてリフレッシュできました。
というように、②とほぼ同じ内容にしてしまうことです。
そうではなく、
③ 例えば、私は去年ハワイに行きましたが、青い空と海に囲まれ、その時の仕事の悩みをちっぽけなものだと思うことができました。
というように「現実を忘れてリフレッシュできる」という箇所をできるだけ具体的に言う、ということですね。
テンプレートを実践する時のチェックポイント
上で書いたテンプレートは限りなくシンプルですし、書いてあるのを読んだあなたも「簡単だな」と思われているかもしれません。
しかし、実際にやってみると、なかなか実践できない人のほうが多いです。
なにせ、考え方・思考の話なので、無意識ですよね。
ですので、独学でスピーキングの勉強を進めていく場合、自分の録音を聞いて、どういうところをチェックするべきか、ということをお話しますね。
最初に結論を言う
まず、最初に結論を言う、というのが大前提になっています。
それでひきつけておいて、理由を出していき、説得力をさらに持たせるために具体例を出していく。という意味合いがあります。
IELTSに限らず、英語での会話でもまったく同じです。(これが、IELTSがスピーキングの練習に良い!と私が考える理由でもあるのですが)。
日常会話などでも、英語だと、日本人同士のように会話は進みません。
英語スピーカーは、最後まで忍耐強く聞いてくれることは稀で、すぐにかぶせてきます。たぶんみなさんも経験があると思います。
まずは、はっきりと結論を言って聞く人を聞きつける必要があります
そして、「なんでかって言うとね・・・」と詳しく説明していくわけです。
まず説明から入ると、聞き手は何が言いたいのかわからなくてイライラしてきて、すぐにさえぎられたりしてしまいます。
この話し方は、日本人にはとても抵抗があると思います。確かに、日本人同士や日本語では最も嫌われる形であり、信頼されない話し方であるような気がします。
でも、英語圏でコミュニケーションをしたり、IELTSで良いスコアを取るには必須です。IELTSは、とても英語圏の文化に根ざしたテストであると言えます!
結論を繰り返す
上のテンプレートを実践していく過程で、「最初に結論を言う!」というのは、みなさんすぐに心がけてくださるのですが、
最後にもう一度結論を言わない!
というのも同じくらい、大事です!
日本語で話すときは、普通は「オチ(結論)」が最後に来ますよね。(特に関西人?)結論を最後に言って、相手の反応を待つ、みたいな。
これって本当に日本人のDNAにしみこんでいるのか、こちらのほうが矯正するのが難しいです。
自分でもなかなか気づかないポイントなので、録音を聞き返す時は特に注意してみてください。
that’s why -(今から結論を言うぞ、という表現ですね)という表現を、自分で禁止してみても良いかもしれません。
別にこの表現を言ったらスピーキングの点数が下がるわけではなく、「繰り返している」という事実がスピーキングのスコアを下げてしまいます。
「しゃべり終わっちゃったけど、もっとしゃべらないと・・・!」「なんか、付け加えたい気分」というときは、具体例を付け加えましょう!
理由と例を混同する
理由の後には、具体例を言います。
自分が持つ意見に対する「理由」(なぜその意見を持つに至ったか)と、それをより説得力のあるものにするため、「具体例」を出すのです。
英語では「example to “support” your opinion」と言いますが、まさに、具体例が理由を「サポートする(支える)」という感じですね。
この、理由と具体例の区別が、慣れるまではなかなか難しいようです。日本語ではそういう指導もされないですし、意識している人はほぼいないでしょう。
理由を言うべきところで、すぐに「For example,」と、具体例を先に言ってしまうパターンを非常に多く見かけます。
上の”バケーション”の例でいうとこんな感じです。
★間違った例
問題:バケーションって必要だと思いますか?
はい、必要だと思います。(結論)
↓
例えば、私は去年ハワイに行きましたが、青い空と海に囲まれ、その時の仕事の悩みをちっぽけなものだと思うことができました。(具体例)
本来であれば、結論の後に、理由の文章が必要なわけです。
なぜなら、バケーションに行くと忙しい現実を忘れてリフレッシュできるからです。(理由)
難しいですが、意識してご自分でチェックしてみてください。
このパターンを身につけられると、普段の会話でも、相手にとって聞きやすい=もっと話を聞いてもらえる、話し方ができるようになります。
スピーキングの練習は実際に口に出して!
ここまで記事を読んで、「簡単だな」と思われたでしょうか?
しかし賭けても良いですが、実際にやってみると、かなり難しいです。頭で考えているのと、口に出すのでは大きな違いがあります。
小さい声でも良いので、口に出す。そして、録音して分析する。IELTSスピーキングの対策では、そういったトレーニングが欠かせませんよ・
IELTSスピーキング対策に伸び悩んでいる人は、ぜひ、こちらのまとめ記事もご参照ください。
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独学のスタートにぜひどうぞ!