IELTSという試験には、目的によって2つの種類(モジュールと呼ばれています)があります。
- Academic (アカデミック)
- General Training(ジェネラル・トレーニング)
IELTSを受験するときには、1回の受験で、この2つのうち、どちらかしか受けられません。
試験形式も違いますので、学習を始める前から、自分にはどちらが必要なのか、知っておいてください。
この記事では、この2つのモジュールの違いについて詳しく書いていきますね。
本記事の信頼性
ちなみに、日本ではアカデミックしか教えていない学校や講師が多いのですが、私はカナダの移民対策でジェネラルを長く教えてきましたので、両方のモジュールについて熟知しています。
「IELTS対策を通じて英語力アップをしたいだけなんです」という人が、どちらを受けたら良いのか、ということについてもお話します。
目次
アカデミックとジェネラルの使用目的の違い
アカデミックモジュールとジェネラルモジュールは、使用目的がはっきりと分かれています。
ですので、代替はきかないことがほとんどで、勉強を始める前に自分がどちらが必要なのか、しっかりと理解しておきましょう。
アカデミックモジュールの使用目的
アカデミックモジュールは、英語圏の留学(大学、大学院、専門学校への入学申請)の際に使われます。
ちなみに、全ての大学(海外含め)がIELTSを採用しているとは限らないので、かならず志望先の大学やその他学校に確かめましょう。
IELTSの試験自体がイギリスとオーストラリアの団体によって実施されているため、主にイギリスとイギリス英語圏で使われています。
カナダでは、英語はアメリカ英語が話されているんですが、イギリスに傾倒しており、IELTSも非常に広く使われています。
アメリカの大学などは圧倒的にTOEFLですが、最近はIELTSスコアも受け入れている学校も多くなってきています。
イギリスの大学などは、TOEFLは受け入れていない所も多いようですのでお気をつけください。
ジェネラルモジュールの使用目的
ジェネラルモジュールのほうは、一般的にカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど英語圏の国での移民申請で使われます。
これらの国は、一般的に言って、他の国より現在広く移民を受け入れている国とも言え、
IELTSのジェネラルモジュールでスコアが取れると、海外移住のチャンスもそれだけ増えます。
ちなみに、カナダでは市民権(国籍)の申請にも、IELTSのリスニングとスピーキングスコアを使うことができます。
私はアカデミックとジェネラル、どちらを受けるべき?
一般的には上の章で書いたような分け方になります。
しかし、厳密には、下記に確かめましょう。
もし大学などに進学するなら
→進学先の留学生担当課や、公式ウェブサイトの留学生の申請の説明ページ
もし移民申請をするなら
→移民弁護士、移民コンサルタント
ついでに、スコアがいくら必要なのかも併せて確かめましょう。
アカデミックとジェネラルは試験形式はどう違う?
違っている箇所
試験内容が全く違うわけではなく、違っているのは実は一部だけ。
違うのは、2か所です。
- リーディングの3分の2
- ライティングの半分
具体的には、
- リーディングのSection 1,2
- ライティングのTask1
つまり、読み書きの部分が違うわけです。
これは先ほど話した使用目的を考えると当然です。
ジェネラルの方は、試験に合格したら移民申請をして英語圏で働いたり普通の生活を送っていくことが前提なので、アカデミックの読み書きは、最低限で良いという考えです。
対してアカデミックは、英語圏の大学などで留学生活を送っていくわけです。
専門書をたくさん読んだり、レポートや論文をたくさん書いたりしないといけないので、「アカデミックに」読み書きができることが要求されるわけです。
「アカデミックに」読み書きする、とはどういうこと?と思った方、そりゃ疑問に思いますよね。
下記にアカデミックのライティングについてまとめていますので、参考にしてくださいね。
リーディングはどう違う
アカデミック – リーディング
リーディングパート全般を通してアカデミックな内容です。
Passage1,2,3と、3つパッセージがありますが、この3つの間で大した違いはありません。(Passage 3が一番難しい傾向はあります)
ジェネラル – リーディング
ジェネラルのリーディングパートでは、セクション1,2がアカデミックと異なります。
Section 1
広告などの日常的なもの。
Section2
ビジネス、職場に関するもの。内容的にはTOEICのリーディングに近いです(レベルはIELTSのほうが高いですし問題形式も違いますが)。
Section 3
アカデミックと同じ。
ライティングはどう違う
アカデミック – ライティング
アカデミックのほうのTask1は「グラフ・表・地図などの説明」です。グラフは棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフなど様々な形が出てきます。
グラフ・表・地図から読み取れることを文章にして説明しなければいけません。しかし、コツをつかめばそれほど難しいわけではありません。
ジェネラル – ライティング
ジェネラルのほうのTask1は「手紙」です。
大きく分けるとフォーマルとインフォーマルで、フォーマルの方は苦情・問い合わせ・依頼 といった内容で、インフォーマルのほうは友達や家族に宛てた手紙です。
架空の話なので、完全なる妄想で内容を考えます。案外、インフォーマルのほうが苦戦する方が多い印象です。
アカデミックとジェネラルの難易度の違い
結論を言うと、ジェネラルのほうが簡単です。
しかし、個人的には、ライティングのほうはジェネラルのほうが難しいかも?という気がしています。
特に日頃あまり妄想をしない人(笑)、とても真面目な人にとっては内容を考えるのがけっこう難しいようです。
対して、アカデミックのほうは自分の意見を交えず、ただ説明するだけなので、一般的には日本人向けと思います。
リーディングのほうは、アカデミックのほうが難しいと言えるでしょう。
ジェネラルリーディングは最初の二つのセクションは日常生活のものなのでとっつきやすいと言えます(年々難しさはアップしているようですが)。
アカデミックリーディングはセクション3つとも、最初から最後までアカデミックで専門的ですから・・・。
しかし、一つ落とし穴があり、リーディングのジェネラルは、評価基準が少し厳しいのです。
例えば、40問中23問を正解した場合、アカデミックであれば6.0を取れますが、ジェネラルだと5.5になってしまいます。
アカデミックとジェネラルの対策教材の違い
対策教材は、やはりケンブリッジの公式問題集を使ってほしいです。
公式問題集については、下記のリンクに詳細や使い方が書いてあります。少しクセがある問題集なので、一読してから購入することをお勧めします。
ジェネラルとアカデミック、本が分かれていますので注意!
というより、ジェネラルの対策教材は、オフィシャルなもの以外は、対応しているものがほとんど無いのです。
でも私は、IELTSの基本的な対策は公式問題集で十分だと思っているので、どちらにせよ、これをやっておけば大丈夫です。
IELTS対策で英語力アップを狙う場合
今すぐにはIELTSを受験する予定や必要はない・・・けれど、もしかしたら、将来受けるかもしれない
IELTSを受験するつもりはまったくないけど、IELTS対策は、英語力アップにとても良いと聞いた
という人が、けっこうたくさん居ます。
そういう人には、私は基本的にアカデミックをお勧めしています。
理由としては、上記で述べてきたように、アカデミックのほうが少し難しいので、将来的にジェネラルが必要になったとしても、転向しやすいということ。
また、純粋に英語力を上げたい場合でも、問題集が多いので、学習が進めやすい、ということがあります。
これからIELTSの勉強を始める人へ
アカデミックとジェネラルは、試験形式でいうと少ししか違わないのですが、使用目的がまったく違いますし、1度の試験で1つのタイプしか受けられないので、
- ジェネラルなのか
- アカデミックなのか
- どちらでもいけるのか
ということをしっかり調べてから、勉強を始めましょう!
もし、今すぐに受ける予定がないけど、英語力をアップさせたい場合や、つぶしが効きやすいものが良いという場合は、アカデミックをおすすめします。
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