ifを使った文章ってイマイチよくわからない・・・
正しく書けているか、自信がない・・・
という悩みをお持ちの人へ向けて、ifを使った「仮定法」と呼ばれる文法について
基礎から応用まで書いていきますね。
実は、文法の中でも仮定法はとても単純で簡単。
この記事の中で紹介する、青い太枠で囲まれた公式に当てはめていただくだけで、簡単に正しい文章が話せたり、書けたりします!
ぜひお役立てください。
目次
仮定法とは何か?

まず、仮定法とは何か?という話です。
これは、別に文法用語を難しく解説しようという話ではなく、仮定法とは何を指すのか、という定義を知っておいたほうが、これからの混乱をかなりの割合で防ぐことができるからです。
一つ誤解があるのが、仮定法というのは、
「if(もしも)という言葉を使ったら、仮定法でしょ?」
というものです。
私も実際に、しばらくはそう思っていました。
しかし、「仮定法」というのは、
現実にはありえないこと
について話す時に使うものである という定義です。
ということは、逆にいえば、「現実に起こりうること」について仮定する時には、仮定法ではない、ということなんです。
この現実に「ありえるか」「ありえないか」という判断は、話し手や書き手、つまり発信者のほうが独断で行います!(下に詳しく解説します)
ここからは、
- 現実に起こりうる仮定を言いたい時
- 現実にありえない仮定を言いたい時
の二つに分けて、文法ルールを説明していきます。
現実に起こり得る仮定を言いたいときの文法ルール

では、現実に起こり得る仮定というのはどういうものか、そしてどのように使っていくのか、ということをまず見てみたいと思います。
If it rains tomorrow, we will cancel the picnic.
もし明日雨が降ったら、わたしたちはピクニックをキャンセルします。
↑この文章を見てみてください。
よく見る文章かもしれませんが、実は色々なルールがあります。
この文章を例にして、文法ルールを説明していきますね。
二つの節で出来上がっている
この場合の「if」というのは「接続詞」です。
あんまり接続するようなイメージないかもしれませんが、二つの節をつなげる役割を担っているわけですね。
節というのは主語+動詞のカタマリのことで、この場合、二つの節というのは
- it rains tomorrow(明日雨が降る)
- we will cancel the picnic(わたしたちはピクニックをキャンセルします)
という二つのことです。
これをifという接続詞がつないでいます。
接続詞についての記事もぜひあわせてご覧ください。

節と節の間にコンマがある
先ほど言った二つの節の間に「コンマ」があるのがわかると思います。
これは偶然、なんとなくついているわけではなく、重要な意味があります。
というのも、接続詞のif っていうのは、二つの節を「接続」するんだから、本来であれば節と節の間に置かれるのが「スジ」ではないですか。
実際に、そういう風に書いてもOKで、
We will cancel the picnic if it rains tomorrow.
というように書くほうが実は「正統派」なんですよね。
日本人にとっては、日本語の語順に似ている「if」から始める文章のほうが自然に思えますけどね。
ここで注目は、その正統派の文章のほうは、「間にコンマが無い」ことです。
なぜなら、ifという接続詞が真ん中にあるので、節と節の区切りが「ここだ!」というのがわかるわけですね。
それに対して最初に出した文章
If it rains tomorrow, we will cancel the picnic.
のほうは、ifが最初に来てしまっていて、どこが区切りかわからないのでコンマを入れるわけです。
このコンマは、なんとなくつけているわけではなく、必ずつけないといけないものであり、その理由がきちんとあるわけですね。
まとめると、二つの節の間には、接続詞もしくはコンマのどちらかが必ず存在するわけです。
未来のことなのに現在形
これは、多くの人が知らないルールです。
ifがついている節のほうですが、
it rains tomorrow
というわけで、rain(雨が降る)という動詞が「現在形」であることがわかります。
itが三人称単数の主語なので、rainにSがついているわけですが、この法則は現在形にしか当てはまらないので、現在形であることがわかるわけですね。
しかし、
tomorrow(明日)
という言葉がついており、未来の話なのに、未来形にしないのか?
そう、しないんですよね。
×If it will rain tomorrow
×If it is going to rain tomorrow
というようにしない、というのが文法のルールです。
これは一度覚えると迷わずに済むので覚えておきましょう。
助動詞+動詞
これも重要な部分です!
ifが付いていないほうの節ですが、これはwillという助動詞にプラスしてcancel(キャンセルする)という動詞の組み合わせになっていますね。
このように、willの他にはcan, mayなどの助動詞+動詞の原形 というパターンが多いです。
助動詞の場合は、
will→意志
can→可能・不可能
may→許可・不許可
の場合にそれぞれ使います。
もしくはシンプルに現在形のみでもOKです。
現実に起こりうる仮定の文章の「公式」

ここまで話してきたルールですが、ここでまとめて公式にしました。
「現実に起こりうる」仮定(厳密には、仮定法ではない)の文章は、この公式に当てはめて作ってください。
if + 主語 +動詞の現在形, 主語+助動詞(will, can, may)+動詞の原形
もしくは
if + 主語 +動詞の現在形, 主語+動詞の現在形
このまま丸暗記してください。
コンマも忘れずにね!!
この文法ルールを使った文章の例
この文法ルールを使った他の文章例を見てみましょう。
文章例1
If it is fine tomorrow, we can meet him.
もし明日晴れていれば、私たちは彼に会うことができる。
こちらは、先ほどの例と前半がほぼ同じで、「晴れである」という形容詞fineが使われていますね。
明日つまり未来のことですが、be動詞は”is”という現在形です。
後半はcanという助動詞を使って「可能」を表しています。
文章例2
Please read my report if you have time.
もし時間があれば、私のレポートを読んでください。
こちらはifの節のほうが後半に来ている「正統派」ですね。
少し話が逸れますが、こちらのほうが英語としては自然なので、自分の話したり書いたりする英語をちょっと洗練させたい場合、語順をこのようにすることを意識してみてください。
「時間があれば」というのは、まぁ未来と言うことができますが、こちらもhaveは現在形ですね。
if節ではない節のほうは、pleaseがついた命令文なのでちょっとした変形です。
こういった例を見てみると、現在形のifは「仮定」というより「条件」という感じですね。
現実にありえない仮定を言いたい時の文法ルール

今度は、いわゆる「仮定法」つまり現在の事実と違う、ありえないことを表す、仮定の話をするやり方について見ていきます。
現実にありえるか、ありえないかの判断
現実に起こらないことを仮定として表したい、かつ、それが現在の状態の話の時は、こんな感じの文章になります。
もしたくさんのお金があったら、島を一つ買うんだけどな。
もし宝くじが当たったら、とか、もしお金持ちだったら、○○したい。
というような話って、よくしますよね。
他によくあるパターンとして、
もし私が男/女だったら
もし私があなただったら
というのがありますね。
どちらもまぁ、ありえない話ですよね。
厳密には宝くじに当たることも、性転換することも、可能性がゼロではないので、「ありえるかどうか」というのは何が基準かというと、これは完全に話し手や書き手、つまり発信側が自分で決めちゃいます。
なので実際に「可能性がゼロかどうか」とかそういうように考える必要はなく「気持ちで決めちゃえるんだな」と考えてください。
基本的にはすごく主観的なものであり、明確な線引きというのはありません。
では、現実に起こらない仮定というのはどういうものか、そしてどのように使っていくのか、ということをまず見てみたいと思います。
現在のことでも過去形
If I had a lot of money, I would buy an island.
もしたくさんのお金があったら、島を一つ買うんだけどな。
この文章を見てみてください。
先ほどの例に挙げた文章を英語にするとこんな感じになります。
現在の事実と違う、ありえないことを表すには、ifのあとの動詞を過去形にする。
形は過去形ですが、現在のことを表しているので注意!
ifの入っている 節
if の入っている節のほうを見ると、”If I had…”となっており、現在のことなのに(「今」わたしがたくさんのお金を持っていたら、という意味ですよね)
動詞のhaveがhadという過去形になっていますね。
これが「あり得ないこと」を表す特徴です。
ifの入っていない節
ifの入っていないほうの節を見ると、”I would buy…”となっており、これもまた、過去形というか、確信度が薄い助動詞が使われております(助動詞については助動詞の回を参照)。
通常、wouldを使うのが一番多いのですが、mightを使うと「~かもしれない」、couldを使うと「~できる」という意味を表現できます。
現実にありえない仮定の文章の「公式」

「現実にありえない」現在の仮定の文章は、この公式に当てはめて文章を作ってください。
if + 主語 +動詞の過去形, 主語+助動詞(would, might, could)+動詞の原形
ぜひ、このまま丸暗記してみてくださいね。
この文法ルールを使った文章の例
この文法ルールを使った他の文章例を見てみましょう。
文章例1
If I were a man, I would travel around the world by myself.
もし私が男性なら、世界中を1人で旅行するんだけどな。
主語がI, he, sheでも、be動詞が「was」ではなく、「were」となる点に注意してください。
主語が複数のtheyの場合は、そのまま「were」を使います。
つまりbe動詞が来る場合は、ぜんぶ「were」ってことですね!
文章例2
If he had time, he might come to see us.
もし彼に時間があったら、私たちに会いにくるかもしれないんだけどな。
こちらは、mightを使った例です。
might=~かもしれない
という時に使います。
文章例3
If I were handsome, I could work as a model.
もし私がハンサムだったら、モデルの仕事ができるのに。
こちらは、couldを使った例です。
could=~できるかもしれない
を表します。
このように、助動詞は表したい意味により使い分けてください。
現実はどうなのか?を考える
ここで一つ提案です。
仮定法の文章を見たら、ぜひぜひ、「現実はどうなのか」を考えるクセをつけましょう。
If he had time, he might come to see us.
もし彼に時間があったら、私たちに会いにくるかもしれないんだけどな。
⇒現実は彼には時間がないので、私たちに会いにくることはできない。
If I were handsome, I could work as a model.
もし私がハンサムだったら、モデルの仕事ができるのに。
⇒現実にはハンサムではないので、モデルの仕事はできない。
といった感じですね。
まとめ

「公式」として丸暗記してください、と何度か言いましたが、
仮定法はとにかく
現実に起こるか起こらないか判断(自分の独断でOK)
↓
公式に当てはめて文章を作る
というようにすれば、正しく話したり書いたりできます。
とにかく最初は丸暗記です!
「仮定法が苦手」という人が多いですが、この公式の存在を知らないと、「なんだか複雑そう」というイメージがあるだけだと思います。
蓋を開けてみれば、とても単純なので、マスターしておきましょうね。
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