オンライン英会話をやって長いけど、あんまり効果がない。
いつまでも、話せるようにならない・・・そんな方へ贈る記事です。
効果が出ないというのには、ちゃんと理由があります。
なぜそのやり方では効果が出ないか?というところから、少しでも効果を出すためにはどうすれば良いか?という解決策まで説明します。
では「そのオンライン英会話は効果がない!」理由のリストアップです。
- 聞き役になってしまっている
- 頻度が足りない
- それだけに頼りすぎている
- テーマがない
- 講師の質、やる気
- 長いスパンで考えよう
- マンネリ化
最後に、じゃあどうしたら良いのか?という対処法・オンライン英会話で効果を出すための方法について書きたいと思います。
この記事を書いた人
ネイティブ講師、日本人講師を雇い、オンラインや対面を含めて、様々なコースを提供した経験のある、私が解説します。
※これから書くことは私の個人的な意見であり、すべてのレッスンや講師に当てはまるわけではありません。
※オンラインに限らず対面式の英会話レッスンでも当てはまります。特に、マンツーマンのレッスンです。
目次
① 聞き役になってしまっている
私はカナダで語学学校を10年経営してきましたが、IELTS試験対策だけではなく、一般英会話コースを提供していた時もありました。
しかも、ネイティブスピーカーの講師を雇い、英会話コースを教えてもらっていました。
その時の私の一番の悩みの種は、「講師がしゃべりすぎてしまう」ということでした。
これ本当に何度も何度も、ミーティングや話し合いを重ねて、改善しようとしましたがなかなか難しい。
- 言語学を大学で勉強したり、
- 何年も英語を教えていたり、
- 日本に住んでいたことがあったり、
- 日本文化が好きだったり、
- 白人・黒人・アジア人、様々なバックグラウンド、
本当に色々な講師を雇いました。総勢20人以上にのぼります。
しかし、どんな講師であっても、必ずこの問題に行きついてしまいます。
講師がしゃべりすぎて、生徒が話すことができない・・・
1時間のレッスンで、多くても、講師:生徒が5:5くらいの割合が精いっぱい。
もちろんロールプレイだったり生徒同士の会話だったり、色々なエクササイズを使って生徒ができるだけ口を動かすことができるようにしていました。
ただ、それをするためには、最初にガイドラインが必要で、それを全員が必ず理解できるようにするためには、一定の説明時間が必要なんです。
文法的な説明とか、単語の説明とか・・・。
これを飛ばすと、生徒が今何をやっているかわからないので、必ずレッスンは失敗します。
これでもレッスンとしてはかなり成功しているほうで、もっとひどい学校のレッスンの話を聞くことも多かったです。
それは、フリートークのレッスンです。
フリートークというと聞こえが良いですけど、ようするにノープランで、「とにかく自由に話しましょうね」というレッスンです。
これって最悪で、もちろん生徒はなかなか言葉が出ないので、どうしても発する言葉が少ないので、その間を埋めるために講師が話してしまう。
講師ががんばって発言を引き出そうと、質問をするとこんな具合です。
仕事は何をしているの?→ 医者です
へー、すごい!何のお医者さん?→ 外科です
そうなんだ!外科ってどんな仕事するの?→手術です
これ、冗談でも何でもなく、こんな会話がいたるところで繰り広げられています。
業界(?)では、よく「会話ではなくて警察の尋問だ」と揶揄されている、こんな会話スタイル。
本当であれば、聞かれる前に自分から追加の情報を話すべきなんです。
例えば
「医者をやってます。外科なんですが、いつも手術で忙しくて・・・」
くらいは話したい。
もちろんそういったことを生徒さんにはアドバイスをしましたが、頭ではわかっていても、言葉が出ないんだからしょうがない。
これは、講師だけが悪いわけではありません。
考えた末に、私が行きついた結論は一つ。
「英語の初心者は、会話レッスンをするべきではない」
という身もふたもないものでした・・・。
もしあなたが初心者なら、しっかりと独学でやることをやってから、英会話レッスンを始めましょう。
初心者が独学でしっかり伸ばせる勉強法については、こちらび記事で書いています。
② 頻度が足りない
英語は毎日勉強すべきものです。(英語は完全なる趣味である、という方を除きます。)
- 英語をスキルとして身に付けたい
- IELTSのスコアを上げたい
- 英語によりキャリアアップを図りたい
そういった場合には、専門学校に通って毎日フルタイムで勉強する必要があるくらいのものなのです。
例えればプログラミングを学ぶようなものです。さすがにプログラミングを週1日でマスターできると考える人はいないですよね。
英語の場合は、趣味と実用がごっちゃになっていると思います。
何となく週1日でも良いような雰囲気がまん延しているのが問題だとは思うのですが、
日本人で英語を平均以上にできる人、というのは何らかの手段で、英語を毎日勉強、もしくは英語に触れている、という人です。
これは断言しても良い。
ただ英会話レッスンの頻度は週1日でも良いのです。
単純に英会話レッスンの頻度を週3日に増やしたとしても、そのレッスンにのぞむ態度が、これから書いていくように、テーマを丸投げだったり講師まかせであれば、ほぼ意味はありません。
③ それだけに頼りすぎている
英語学習は自分で指導権を握って進めていくべきであり、誰かに完全にゆだねるべきではありません。
英会話レッスンはオンラインに限らず、それを主軸に置くのではなく、自分の学習という大きな枠があり、その中のあくまでも一部であるべきなのです。
そういう風に考えると、おのずと、英会話レッスンは
「何をしてくれるのかな」という講師まかせ、カリキュラム任せ、ではなく、
「どのように活用しようか」という発想になるはずです。
英語は毎日勉強すべきであり、インプットが十分あってこそ、アウトプットができます。
インプットが無いままアウトプットだけ行っても仕方がないのです。
よく例えられるのが「コップに1滴1滴水が溜まっていき、コップから水があふれるときに話せるようになる」というものですが、まさにこれです。
コップが空の状態でいくら水を出そうとしても、苦しいだけです。
決して、(オンライン)英会話レッスンを主軸に置かないようにしてください。
④ テーマがない
多くの人が陥る失敗としては、レッスンにテーマがない、ということですね。
最初に書いた「フリートークのレッスン」というのは、いかにも日常会話が伸ばせそうで、聞こえはいいけど、一番失敗する確率が高いレッスンです。
というのも、日本語であっても、よく知らない人と30分~1時間くらいフリートークしろってきつくないですか?
また、例えば「好きな映画について話しましょう」というように、ゆるーくテーマが決められていたとしても、映画が好きではない、興味がない人にとっては、そんなに話すこともありません。
せいぜい好きな映画を1~2つ挙げて、終わりではないでしょうか(私はそうです)。
日本語でも興味ないことには口数少なくなってしまうのに、それを英語でしろとは、無茶な話です。
だから、結果として
- 相手が話しすぎる
- 尋問になる
ということが起きます。
相手(講師)が選んだテーマって、もちろんその講師が興味あるから選んでいるわけですからね。
⑤ 講師の質、やる気
講師の質が低い。講師のやる気がない。
可能性としては原因の一つではあるのですが、他の原因と比べると、小さいんですよね、多くの方が思っている以上に。
なぜかというと、講師が用意してくれるレッスン内容に完全にお任せ、受け身の姿勢ではなく、しっかりと自分で主導権を握る姿勢でいると、講師の質ってあまり気にならなくなってきます。
もちろん、一定のラインは超えていることは大前提ですけどね。
例えば講師側からのキャンセルが多かったり、開始時間に遅れたり、ということは問題外。
また、生徒側からのリクエストに応えることは、ある程度の経験・スキルとやる気がないとできないことですので、それも条件にはなります。
しかしこれまでお話したように、生徒側がしっかりとした正しい知識・意識を持つこと。それが一番です。
⑥ 長いスパンで考えよう。でも思考停止はダメ
みなさん、どうしても目線が短い傾向にあります。
平均して1か月、早い方だと1週間や2週間で、
え、全然英語うまくなってなくない?
と疑念がわきだすのですが、これはさすがに早すぎです。
ましてや、新しい言語ですよ!
幼児は自分の母国語を、一言、二言発するのに1年、1文章しゃべるようになるのに2年、何となく意思疎通ができるようになるのに3年かかるんですよ。
そして、英語は特に、自分で効果を実感しにくいもの。
客観的な数字などの指標が無いからです。
ですので効果を自分で実感するのであれば、半年は見てほしい。
ただ、その半年の間に、「何を学んだか」ということは言えるように、自分で主導権を握り、しっかり地に足を付けた状態で一つ一つのレッスンをこなしていきましょう。
思考停止して、完全に講師まかせになり、おんぶにだっこでは、あっという間に、わけがわからないまま半年が経ってしまいますよ。
⑦ マンネリ化
これは個人の講師の資質というより、人間だから仕方がないことなのですが、レッスンを半年、1年と続けてくると、どうしてもマンネリ化してきます。
特にオンライン英会話はマンツーマンレッスンが多いので、毎回毎回、同じ講師というのが続くと、どうしても同じような話題、同じような指導になってきて、お互いに飽きてしまう。
そこできちんとカリキュラムが決まっていたり、きちんと生徒の英語力が上がっていればまた話は別なんですが、そのどちらも残念ながら無い場合が多いので・・・。
そのままの状態で続けるのは、決して良いとは思えません。
そこで、対処法としては、実に単純明快。
学校や講師を変えます!
学校によっては、継続をうながす色々な工夫もあるでしょうし、講師も良くしてくれているのに、なかなか辞めづらい。
しかし、私は「英語学習は色々試すべき」派です。
必ずしも、続けることが正義ではありません。マンネリ~な風が吹いてきたら、迷わずにさっと変えましょう!
引き止められても、適当な理由をつけて、他を試して、もしやはりこの講師・学校が良いな~と思ったら戻ってきたらよいのです。
もし、長期契約をしてしまっていたら、契約条項をしっかりと読み直し、休会の手続きが取れないかということを考えてみてください。
どうすれば効果の高いオンライン英会話ができるのか?
オンライン英会話を開始して良いレベル
まず、英語の初心者のうちは、オンラインもそうですが、英会話レッスンで英語を伸ばそうとは考えない。ということが基本になります。
まずは、
- 単語を覚える
- 瞬間英作文
- シャドーイング
- 音読
といった、初心者が独学ですると良いと言われている学習を行います。
この独学について、具体的な方法を書いた記事はこちらを参考にしてください。
だいたい半年ほど毎日学習を続け(ここがちょっと大変なパートではあるのですが)、そこから英会話のレッスン(オンラインでも、対面でも)を検討しはじめても良いと思います。
目安は、自分でも測ることができます。
一つのお題について、30秒~1分程度、つっかえ過ぎず、止まりすぎることがなく、語彙は限られていたとしても、話すことができる。というくらいになったらOKです。
あくまで客観的に判断してくださいね!
「英語どれくらいできるんですか?」と聞かれると「まだまだ初心者で~」と答える方は多いと思いますが、そういった謙遜は置いておいて、自分のレベルを冷静に判断してください。
自分ひとりでアウトプットをする
上で書いたように、インプットがだいたい終わったらすぐに人を相手にしたレッスンに進んでも良いのですが、まずは一人でアウトプット練習ができると、さらに完璧です。
従来は、一人でアウトプットといっても、レスポンス(反応)が無かったり、正しいかどうかが判断できなかったり、ということがありました。
しかし、今では強力なツールがあります。それがChatGPTです。
「英語日記」「瞬間英作文」は現時点で一番おすすめできる、ChatGPTを使った英語学習法です
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— Kumiko|英語学習を高速化する人 (@IELTS_expert) September 1, 2023
ここでは、ChatGPTを使ってできる、2つのアウトプット法をご紹介しておきます。
英語日記
英語日記は従来から人気のある英語学習法ですが、ChatGPTを使うと、
- お題の提案
- 添削
両方やってもらえます。
お題を出してもらう
→ 『英語初級者が英作文の練習をしたい。簡単に書けるお題を教えて』
添削してもらう
→『下記の英文の間違いを指摘して、より良い言い方を提案して。なぜ間違いか日本語で解説して。』+自分の書いた英文を貼り付け
それぞれ、入力バーにコピペして入力してみてください。これを毎日1つやると、かなりアウトプットの力が付きます。
瞬間英作文
瞬間英作文は、私がおすすめしている同名のテキストが有名です。
ランダムに出てくる日本語の文章を、英語に(できるだけ速く)訳していく、というものです。
『瞬間英作文の練習をしたいのでランダムに日本語の文章を出してください。私が答えたら、また次の日本語の文章を出してください』
と入力すると、日本語を出していってくれます。
続けて自分が訳した英文を打ち込んでいき、これを会話のように交互に繰り返してみてください。
1日を終えるときに、
『これまでに私がした間違いと訂正した文章をまとめて一覧表にしてください』
と打ち込むと、間違いの指摘をしてくれるので、とても良い勉強になります。
ここでは、アウトプットの初段階としてタイピング(文字での入力)のやり方をご紹介していますが、最初のうちはこれでも十分かと思います。
音声での会話もできますが、少し複雑になります。
こちらで、ChatGPTを使った英語学習法について詳しく書いていますので、もっとやってみたいと思った方は参考にしてみてください。
効果を出すために、レッスンでは何をする?
大前提として、
生徒である自分が、主導権を握るのだ
というように考えてください。
- 英語学習は自分で毎日学習する。
- その中の一つとして英会話レッスンがある。
- 英会話レッスンは、自分でやってきた自宅学習の効果を試したり披露したりする場である。
という気持ちで臨み、自分がコントロールするという意識を持つことが大事です。
そして、レッスンのテーマは毎回、自分で設定してください。
これには、まず自分の目標を細分化することが重要です。
時間をとってノートに書きだすなりして、
なぜ私は英語ができるようになりたいのか?英語がどれくらいまで、どのようなシチュエーションにできるようになったら、ハッピーなのか?
ということをじっくり考えてみてください。
みなさん、
何となく日常会話ができるようになりたい~。何となく英語できたらカッコいい~。っていうのが多すぎます!!!
そうではなく、具体的に、箇条書きで、イメージできるように、書いてください。
例えば
- 会社に来る外国人の顧客を案内したい。
- 海外の支社とテレカンファレンスを通訳なしでできるようになりたい。
- 外国人の友だちを〇人作りたい。友達とは〇〇について話したい。
- 海外ドラマや映画を日本語字幕なしで理解できるようになりたい。
- 英語を武器に貿易事務の仕事につき、年収を〇%アップしたい。
といった感じです。具体的にするために、数字を盛り込むのがお勧めです。
そして、その目標を達成するのに、必要なスキルを、これまた具体的に考えます。
もちろんネット等で調べても良いです。
その後、そのスキルを得るために直結する英語を伸ばしてもらうレッスンを行ってもらいます。
具体的にはレッスンではロールプレイなどを中心に行い、宿題としてよくその状況で使うセリフを覚えたり、単語を覚える、ということをやります。
一番効果が高いオンライン英会話レッスンの頻度は?
それは、週1回です。
予算のあるなしとか、時間のあるなしとか関係なく、
週1回がベストということです。
しかし、これまでに何度も書いてきましたよね?
ご自分でのトレーニング(自宅学習・独学)は毎日やります。
そのトレーニングを行っていく中で、
- 本当にこれでいいのかな?(合ってるかな?)
- ヘンに覚えちゃってるところはないかな?
- 自分にはわからないクセはないかな?
といった疑問や、ネットや辞書で調べても出てこない疑問などが出てくると思います。
そういう疑問を解決する場として、週1回のレッスンを活用します。
そして、これまで書いてきたように、この毎日のトレーニングの成果を披露する場として、レッスンを位置づけます。
- 普段の疑問を解決する
- 成果を披露する
レッスンは、この二つを行う場だ!と考えていれば、おのずと、自分が主導権を握りレッスンの内容を考えるという形になってくるはずです。
これこそが、英会話レッスンの最も効果のある形!と言えるでしょう。
まとめ
英語や英会話は、どうしても対面で人としゃべるイメージがあるせいか、
英語をしゃべれるようになりたかったら、英会話スクールに行かなくちゃ!
という発想になってしまうようです。
しかし、元・英会話学校の経営者だからこそ断言できますが、
- 英語は独学を中心に、学習プランを組み立てるべきである。
- 英会話レッスンはエッセンスとしてほんの少し追加するべきである。
というのが真実です。
多くの方があまり知りたくない事実であり、かつ、英語教育業界(大手の英会話スクールなど)の強大なパワーがありますので、なかなか知られていませんが・・・
英語の上級者であれば全員知っている、真実なのです。
この記事が、みなさんの今後の英語学習のヒントになれば、幸いです。
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