英語がスラスラ口から出てこない
って全員共通の悩みですよね。
これに対する、よくある答えは
練習が足りないので、ネイティブと会話する機会を増やしましょう
というものです。
しかし、私はこれには真っ向から反対意見を述べたい。
この記事では、
- ネイティブと会話練習は最小限で
- 独学で、自宅で
- 誰でも英語が口からスラスラ出てくるようになる
という勉強法を伝授します。
誰でも、お金が無くても実践できる方法です。
というか、お金があってもなくても関係なく、これをやらないとペラペラにはなれない、という「事実」です。
カナダで語学学校を10年経営し、これまで5,000人以上の人に色々な形で英語を指導し、講師養成や教材開発してきた私がたどりついた、たった一つの結論です。
何もせずにラクに英語が話せるようになると良いな、という人は読まないでください。
英語がうまく話せない理由から書いていきますので、勉強法だけ知りたい人は、下の目次から「英語がペラペラと話せるようになる勉強法」へと飛んでください。
目次
英語がスラスラ口から出てこない理由

「会話練習が足りない」は本当か?
「日本人は大学受験英語しかやってない」「6年間も義務教育で英語をやっているのに、ちっともしゃべれないのは、授業で会話の機会が無いからだ」
っていうのは定説で、本当に良く聞きます。
しかし、これは
真実ではありません!
その理由は下記です。
- 大学受験英語も十分役に立つ
- ずっとやってもしゃべれない人は、義務教育での英語も苦手だった人が多い
- 6年間と言っても、週に3~4時間のことである
- 会話の機会だけあっても、中身がないとしゃべれるようにならない!
特に、私が声を大にして言いたいのは、4番です!
これは本当に誤解している人が多いのですが、
とにかく会話をたくさんやれば、しゃべれるようになる!
っていうことです。
これは絶対にウソです。
言葉の特徴として、最初に「情報が必要」っていうのがあります。
言葉って、赤ちゃんが覚える過程を考えてみると、赤ちゃんはずーっとずーっと周りの人間を観察しまくって、それからおもむろに少しずつ言葉を発していくわけですね。
その発する言葉というのは、今までの観察からの「真似」に間違いなく、その証拠に、日本語環境の場合は突然子どもが英語しゃべりだしたりとかは絶対ないわけですよね。笑
大人の場合は、下で書くように、文法を使っていくので時間が少しだけ短縮できますが、それでもこの「情報を入れる」プロセスは絶対にスキップできないのです。
そして、よく言われることですが、
「言葉は、コップに水を一滴、一滴と少しずつたらしていき、コップに水がいっぱいになってあふれる時に、話せるようになる」
のです。
それを考えると、最初にコップを満たすことがいかに重要かおわかりいただけますでしょうか。
自分の中にいっぱいに情報が詰まっていないと、「外に出す」つまり「話す」ことはできないのです。
多くの人は、中身が不十分な状態で、外に出そうとしているので、うまく行きません。
(私がいつも言う「英語の悩みの9割はインプット不足」ですね)
だから、10年英会話学校に通っていてもしゃべれない、なんてことが起きるわけです。
こちらの記事にも書いていますので、ご参照ください。

「英語脳が必要」は本当か?
「英語をペラペラ話すには、英語で考えないといけない」
これも良く言われるのを聞きますね。
たぶん、バイリンガルや帰国子女からの発想だと思います。
でも、これって、何だか絶望的な気分になりませんか?笑
だって、我々のような、日本語が母国語の人は、「英語で考える」って相当にハードルが高いです。
とても無理なような気がしてしまいますよね。
しかし、朗報です。
「英語で考えなければ、英語がペラペラにならない」はウソです。
私が生き証人でして、私は日常に支障がない程度に英語がスラスラと話せますが、英語を話している時に「英語で考える」ということは行っていません。
母国語の日本語で、思考しています。
じゃあ、どうなっているのか?ということについては、次章の「英語がペラペラに話せる人の頭では、何が起きているのか」で書きます。
※自分のことを「英語がペラペラ」と言うのは恐縮ですが、普通のコミュニケーションは問題なくできるし、英語を教えることでご飯を食べていますので、とりあえずそういうことにしておきます。
「子どものように学べ」は本当か?

こんな風にも言われるのを聞きます。
「英語圏の子どもは、文法なんて学ばなくても自然と英語ができるようになる。日本人も文法をやらずに自然と英語に触れていれば自然な英語が話せるようになる」
・・・って、「自然、自然」とわざと嫌味で何度も言いましたが、この場合の「自然」って何だろう、っていつも思います。
上でも書きましたが、子どもが母国語を話せるようになるのに、2年ほどは余裕でかかるわけです。起きている間はずっとその言語のシャワーを浴び続けても、2年です。
しかも2歳の子どもの話し方なんて、完成された言語とは言えないですよね。
きちんと意志が伝えられるようになるのには少なくとも5年はかかるのではないでしょうか。
そして、大人同士のコミュニケーションが取れる言語レベルっていうと、小学校高学年とか、中学生とかじゃないですか?
つまり「子ども式」にやると、英語の習得には10年はかかるってことです。
この事実で、「子ども式」に大人が外国語を学ぶのは相当おかしい(現実的ではない)、ということがわかるでしょう。
大人が外国語を学ぶのに用意された時間短縮の方法が「文法」というわけです。
なので、文法は必ずベースに置きましょう。それは絶対に飛ばせないプロセスです。
私が教えてきた人たちでも、義務教育の英語は得意だった、とか大学受験の英語は真剣にやった、という人は、スピーキングも伸びるのが早いです。本当です。
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- 文法がなぜ必要なのか
- 中級者が壁を越えるのにどうすれば良いか
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について、書いています。
ただ、「子ども式」が完全に間違いとも言い切れず、子どもが言語を学ぶプロセスの中で、「真似る」という部分は大人にも絶対に必要です。
それについて、次の章で詳しく説明しますね。
英語がペラペラに話せる人の頭では、何が起きているのか

言葉の本質は真似ること
上で、子どもが言葉を学ぶ過程は、観察したものを真似する、と言いました。
言葉の本質は「真似る」ことなのです。
子どもが
まず観察すること数年→ちょっとずつ口に出してみる→相手の反応を見て答え合わせ
というのをものすごく時間をかけてやっていくのに対して、大人の外国語は
- まず何を言っているか文法や単語で理解
- 色々な表現を覚える
- 口に出してみる
- 相手の反応を見て微調整
という過程をたどります。
子どもが「観察」に数年かけるのに対して、大人は文法があることで時間を短縮できるわけですね。答え合わせも短縮でき、微調整の程度ですみます。
文章まるごとで覚える→それを出してくるというプロセス
例えば、What is it?(それは何?)という文章は、あなたもすぐに出てくると思うのですが、この文章をしゃべるときに「えーと疑問詞がwhatでisを先に持ってきて、『それ』はitだから・・・」といちいち考えないと思うのです。
文章まるごとで覚えていませんか?そして必要に応じて出てくる、という感じではないでしょうか。
そして、例えば「それ」を「あれ」に変えたい場合は、What is it?のitの部分をthatに変える、という作業をしないでしょうか。
言葉のすべてはそれの積み重ねです。
少し長い文章や難しい文章も、カタマリで理解し自分のものにすると、あとは引き出しから出してくるだけで会話したり、書いたりすることができます。
なので、
会話をする=「どの英語の文章を出してこようか?」という引き出しをあさる作業
というのが私の意見です。
英語がペラペラと話せるようになる勉強法

大量のインプットをする
まずは、自分のコップの中に水を満たすことをとにかく優先しましょう。
コップに水があふれなければ、しゃべれるようにならないので、インプットは多すぎるくらいがちょうど良いのです。
英語の悩みの9割は、インプット不足です!
特に、ペラペラに話したい、つまりスピーキングを強化したいなら、海外ドラマが有効です。
もちろん単語や文法といったベースは重要なのですが、だいたい初中級者くらいになったら、早めに海外ドラマを取り入れて、どんどんインプットを加速させてください。
下の記事を参考にしてください。

「多読」は、ライティングに最も有効ではありますが、英語全般にとっても効きます。特に、大人が教養ある英語を話すには絶対に必要ですので、下記の記事を参考に、ぜひ取り入れてほしいです。

洋書の選び方はこちらをどうぞ。

フレーズを暗記する
IELTSスピーキングの指導で、フレーズノートを作って、暗記しましょう、というのは私の定番のアドバイスなのですが、普通の英会話のトレーニングとしても非常に有効です。
上で言ったインプットをするときに、使えそうなフレーズを取ってきて自分のノートを作り、暗記するのがポイントです。
市販のフレーズ集もありますが、言葉って基本的に母国語がベースになりますので、「自分が日本語でも良く言っているな」という内容を英語にしたフレーズを集めるのがベストです。
そのフレーズが使われた文脈、状況も少し書きとめておくと良いですね。
海外ドラマがすごく良いのは、フレーズが使われる状況がそのまま知れて、同じ状況が自分に来たときに、そのままポンと出せるからなんです。
つまり英語圏の子どもが家庭でやっていることを、自宅でできちゃうわけですね。
ノートに書きとめたら、それで満足せずにスキマ時間などで見返して、口に出して練習して、何度も反復しましょう。
練習する時には、「自分が実際にそれを使うのだ」という意識を持って、イメージトレーニングすることが大事ですよ!
シャドーイングをする
シャドーイングは、最近とてもメジャーになってきている勉強法(トレーニング法)です。
「真似する」のプロセスを強化し、「口に出す」ということの練習をするのに有効です。筋トレみたいな感じですね。
シャドーイングのような「真似」のプロセスがないと、結局英語が「単語+文法」で理解したままになってしまい、自然な形にならないのです。
しかし、間違った方法でやっている人がとても多いので、ぜひこちらの記事で正しい方法を学んでから実践してみてください!

まとめ

英語がペラペラになるためのプロセスというのは、筋トレに良く似ています。
筋トレは
身体の仕組みなどを学ぶ→トレーニング方法を知る→トレーニングを実践する→微調整する
という過程なので、英語とそっくりです。
英語はそういう意味でも、学問というより、体育会系のトレーニングですよね。
筋トレは自分で動画を見たりして実践できますが、ジムのパーソナルトレーナーにお金を払うのは、微調整のアドバイスをもらったり、モチベーションを維持したりする目的ではないでしょうか。
英語も同じです。
はっきり言って、英会話学校は、英語学習のほんの一部でしかなく、完全に独学で英語がペラペラになることは可能です。
特にインターネットで英語学習法も、英語の知識もすべて落ちている世の中ですから・・・
英会話学校へ行くなら、はっきりとした目的を持って、賢く利用しましょうね。

ちなみに、「モチベーションを維持することが大事」というのもウソなので、これについては下の記事をご参照ください。

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