IELTSリスニングでは、音声が一度しか流れません。聞き逃した問題を考えているうちに次の答えも過ぎてしまった、選択肢を読み切れないまま音声が始まった、といった経験がある人も多いと思います。

リスニングの時間対策は、何分ごとに問題を区切ることではありません。音声が始まる前、音声中、パートとパートの間、最後の2分に何をするかを決めておくことです。

日本では2026年にペーパー版が終了するため、このページはコンピューター版を前提に更新しました。リスニング全体の勉強法を探している人は、IELTSリスニング対策完全ガイドから読んでください。

中林くみこのプロフィール。IELTS公式運営団体IDP Educationセミナー講師。東京オリンピック公式ルールブック日英翻訳。カナダ・トロントで語学学校を10年経営。

コンピューター版リスニングの時間

IELTSリスニングは4パート40問で、音声は一度だけ流れます。コンピューター版の所要時間は約30〜34分です。

ペーパー版では音声終了後に10分間の転記時間がありましたが、コンピューター版は答えを画面へ直接入力します。最後に与えられるのは2分間の確認時間です。

最後に答えをまとめて入力する時間はありません。答えが聞こえたら、その場で入力してください。

時間の使い方は「前倒し」が基本

リスニングで一問聞き逃すと、思い出そうとしている間にも音声は進みます。分からない問題へ気持ちが残り、次の設問まで落とすことがよくあります。

聞き逃した問題にはReviewの印をつけ、すぐに次の設問へ視線を移します。正解できなかった一問を取り戻すより、これから流れる答えを取ることを優先してください。

私は、音声に追いかけられず、少し先の設問を見ている状態を「前倒し」と呼んでいます。前倒しを保つには、先読みの時間とパート間の確認時間を、終わった問題の見直しだけに使わないことが必要です。

音声が始まる前の先読み

先読みは、設問を日本語に訳す時間ではありません。誰が何について話し、何を聞き分け、どのような答えが入りそうかを予測する時間です。

先読みでは、次の順番で確認します。

  1. 問題の指示と語数制限
  2. 会話やスピーチの場面
  3. 設問が聞いている内容
  4. 選択肢の違い、または空欄に入る内容

長い選択肢をすべて浅く読むより、理解できる設問を深く先読みしたほうがよい場合があります。長い選択肢が5問あるなら、まず2問を確実に理解し、時間が残ったら次へ進みます。

穴埋め問題の先読み

空欄の前後を読み、名詞、形容詞、数字など、入る答えの形を確認します。品詞だけで終わらず、場所、料金、時刻、理由など、意味として何が入りそうかまで予測します。

「NO MORE THAN TWO WORDS AND/OR A NUMBER」のような指示も先に読みます。コンピューター版では画面に答えを直接入力するため、聞こえた答えを必要以上に長く書かないことも大切です。

選択問題の先読み

選択肢の違う部分へ目を向けます。人、場所、理由、評価、変更点など、音声で聞き分ける内容を整理してください。

設問と同じ単語を待つと、言い換えを逃します。不正解の選択肢にある単語が先に聞こえ、話し手が後から訂正することもあります。選択肢の単語を探すのではなく、どの内容が最終的な答えになるかを聞きます。

マッチング問題の先読み

人物マッチングでは、選択肢に入る前に、会話の場面と話者の役割を確認します。誰が、何について話しているのかを把握できれば、意見が変わっても追いやすくなります。

選択肢は、似ている部分より違う部分を確認します。画面のハイライトやメモ機能は使えますが、操作に時間をかけすぎないでください。自分が一目で違いを確認できる程度で十分です。

地図問題の先読み

地図問題では、スタート地点、方角、すでに書かれている建物や目印を確認します。音声が始まってから地図全体を理解しようとすると、最初の答えに間に合いません。

entrance、reception、car parkなど、案内の起点になりそうな場所を先に探し、どの方向へ移動する説明なのかを追える状態にします。

Part 1の準備時間

Part 1は、日常生活の場面を扱う2人の会話です。フォームやメモの穴埋めが出ることが多く、名前、住所、数字、料金、日時などを聞きます。

最初に語数制限を確認し、空欄の前後から答えの種類と意味を予測します。固有名詞のスペルや数字の言い直しにも注意してください。

Part 1の設問を十分に読めた人は、余った時間でPart 2の最初だけを見てもかまいません。ただし、Part 3やPart 4まで先へ進むと、今から聞く内容と混ざりやすくなります。

Part 2の準備時間

Part 2は、施設案内や地域の説明など、一人の話者による日常的なスピーチです。地図、マッチング、選択問題が出る場合があります。

地図ならスタート地点と目印、選択問題なら選択肢の違いを確認します。Part 2の音声が始まる前は、基本的にPart 2の準備へ時間を使ってください。

Part 3の準備時間

Part 3では、学生と指導者、複数の学生などが、課題や研究について話します。途中で意見が変わりやすく、選択問題とマッチングが難しく感じる人が多いパートです。

まず話者の人数と役割を確認します。選択肢が長い場合は、全問を浅く読むより、取ると決めた問題を深く読んでください。

目標が満点でなければ、難しい選択問題を一部カンで選び、後の穴埋めや得意な問題へ集中力を残すことも戦略です。

Part 4の準備時間

Part 4は、学術的なテーマについて一人が話します。ノートや文の穴埋めが多く、10問分の情報がまとまって画面に並ぶことがあります。

すべてを一度に読み切ろうとせず、見出しやまとまりを確認し、最初に聞く設問から準備します。空欄の前後では、品詞と意味の両方を予測してください。

Part 4は会話の相手が変わる合図がないため、今どの設問について話しているかを見失いやすいです。答えを一つ逃したら、その空欄を見続けず、次の設問のキーワードへ移ります。

パートとパートの間

各パートの後には、答えを確認するよう案内される時間があります。コンピューター版では、画面下の問題番号から未入力やReviewを確認できます。

ただし、Part 4が終わるまでは、終わった問題を長く考え直さないでください。音声の内容を正確に覚えていない問題へ時間を使うより、次のパートの先読みに移ったほうが正解数を守りやすいです。

  • Part 1の後は、Part 2の最初の設問を読む
  • Part 2の後は、Part 3の話者と選択肢を確認する
  • Part 3の後は、Part 4の見出しと最初の空欄を読む

画面上の案内や残り時間を確認しながら、次のパートへ移ります。練習の段階から同じ動きを繰り返し、どこまで先読みできるかを記録してください。

最後の2分で確認すること

コンピューター版の最後の2分は、聞き逃した音声を思い出して難しい問題を考え直す時間ではありません。次の順番で、機械的に確認します。

  1. 未入力の問題
  2. スペル
  3. 単数・複数
  4. 語数制限
  5. 選択肢の選び忘れ

空欄が残っている場合は、分かる範囲で入力します。スペルを迷う単語へ長く固執せず、40問を一度確認できるようにします。

自分に合う時間の使い方を模試で確認する

先読みの方法を読んだだけでは、本番で使えるようになりません。公式Familiarisationテストやケンブリッジ公式問題集を使い、毎回一つだけ試す内容を決めます。

  • 長い選択肢は最初の2問を深く読む
  • 聞き逃したらReviewをつけて次へ移る
  • パート間は次の設問を先読みする
  • 最後の2分は未入力とスペルから確認する

模試後は、何問正解したかだけでなく、前倒しの状態を保てたか、取ると決めた問題を取れたかを分析します。うまくいかなかった動きは、次の模試で一つだけ変えてください。

リスニングの模試は、多くても週1回が目安です。模試を解いた同じ日に答え合わせと分析まで行い、模試をしない日は単語、多聴、多読で英語力そのものを伸ばします。

聞き取れない原因の分析、問題形式別の対策、普段の勉強法は、2026年版IELTSリスニング対策完全ガイドにまとめています。

IELTS対策全体の勉強順を知りたい方には、7日間の無料メール講座「独学でIELTSの目標スコアを取る方法」を用意しています。

7日間無料メール講座の内容と特典を確認する

ABOUT ME
プロフィール中林くみこ
中林くみこ(Kumiko)
中林くみこ(Kumiko)。株式会社エヌファム代表、IELTS専門講師・著者。「KumikoのIELTSオンライン講座」を主宰しています。カナダで語学学校を10年経営し、IELTS対策をはじめ、TOEIC、英文法、ビジネス英語、翻訳、通訳、英会話など幅広く指導してきました。詳しいプロフィールはこちら
7日間無料メール講座
独学でIELTS目標スコアを取る方法

「独学でIELTSの目標スコアを取る方法」では、IELTSを「独学で」勉強して結果を出す方法を具体的に解説しております。

独学のスタートにぜひどうぞ!

無料購読