ライティングやスピーキングを添削していると、比較級の形を知っている人でも、more tallerと書いたり、very betterと言ったりすることがあります。

比較級は「-erとthanを付ければよい」という文法ではありません。単語によって-erとmoreを使い分け、差を強めるときはmuch、差が小さいときはa littleやslightlyを使います。

この記事では、-er・more・lessの使い分け、スペルの変化、不規則変化、muchを使った強調まで例文で説明します。

IELTSライティングやスピーキングのために比較級を見直している方は、IELTS英文法の勉強順と参考書も合わせて確認してください。

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中林くみこのプロフィール。IELTS公式運営団体IDP Educationセミナー講師。東京オリンピック公式ルールブック日英翻訳。カナダトロントにて英語語学学校を10年経営。

比較級とは

比較級は、人やモノ、状態などを比べて「AはBより〜だ」と表す形です。

This room is larger than that one.
この部屋は、あの部屋より広い。

largeをlargerへ変え、比較する相手の前にthanを置いています。

ただし、比較する相手を文中で言わない場合はthanを使いません。

It is getting colder.
だんだん寒くなっています。

昨日や少し前と比べていることが文脈から分かるため、than以下は必要ありません。

比較級の作り方

比較級の作り方

まず、形容詞と副詞を比較級へ変える規則を確認します。

元の語 作り方 比較級
small、youngなど短い語 語尾に-er smaller、younger
nice、largeなどeで終わる語 -rだけを付ける nicer、larger
big、hotなど「短い母音+子音」で終わる語 最後の子音を重ねて-er bigger、hotter
easy、happyなど子音字+yで終わる語 yをiに変えて-er easier、happier
useful、interestingなど長い語 語の前にmore more useful、more interesting

1音節の短い語は-er、3音節以上の長い語はmoreを使うのが基本です。2音節の語は、easyのように-erを使うものと、usefulのようにmoreを使うものがあります。

2音節の語で迷ったときは、「長そうだから」「短そうだから」と感覚だけで決めず、辞書の比較級を確認してください。何度も使う語は、元の形と比較級をセットで覚えるほうが確実です。

不規則に変わる比較級

-erやmoreの規則に当てはまらない語もあります。

元の語 比較級 意味
good / well better より良い・より上手に
bad / badly worse より悪い
many / much more より多い
little less より少ない
far farther / further より遠い・さらに先の
This result is better than the previous one.
この結果は、前回の結果より良い。

betterの前にmoreを付けてmore betterとは言いません。

形容詞と副詞の比較級

形容詞は人やモノの状態を比べる

形容詞の比較級は、主語となる人やモノの性質・状態を比べます。

主語+be動詞+形容詞の比較級+than+比較する相手
He is taller than her.
彼は彼女より背が高い。

副詞は動作のしかたを比べる

副詞の比較級は、動詞が表す動作の速さ、上手さ、頻度などを比べます。

主語+動詞+副詞の比較級+than+比較する相手
She runs faster than me.
彼女は私より速く走る。

He explained the rule more clearly than I did.
彼は私より、その規則を分かりやすく説明した。

thanの後ろに人称代名詞を置く場合、会話ではthan me、than herのように目的格を使うのが普通です。改まった文章ではthan I am、than she isのように動詞まで置く形も使えます。

much・a lot・farで差を強める

比較級をmuchで強調する方法

比較級の前にmuch、a lot、farを置くと、「ずっと」「はるかに」と大きな差を表せます。

He is much taller than her.
彼は彼女よりずっと背が高い。

The new system is far more convenient than the old one.
新しいシステムは、古いものよりはるかに便利だ。

I feel a lot better today.
今日はかなり調子が良い。

「とても背が高い」ならvery tallですが、「ずっと背が高い」はmuch tallerです。very tallerにはしません。

a little・a bit・slightlyで小さな差を表す

差が小さい場合は、a little、a bit、slightlyを比較級の前に置きます。

This bag is a little cheaper than that one.
このバッグは、あのバッグより少し安い。

Sales were slightly higher this year.
今年の売上は少し高かった。

slightlyは、IELTSライティングのグラフ説明でも使いやすい表現です。

数字を比較級の前に置いて差を示す

具体的な差を示すときは、数字と単位を比較級の前に置きます。

He is 10 cm taller than her.
彼は彼女より10センチ背が高い。

My sister is three years older than me.
姉は私より3歳年上です。

lessは「程度が低い」と表す

less+形容詞・副詞の元の形で、「〜の程度が低い」「〜ほど…ではない」と表せます。

This plan is less expensive than the original one.
この案は、元の案ほど費用が高くない。

She spoke less confidently than usual.
彼女は、いつもほど自信を持って話さなかった。

less expensive、less convenient、less clearlyのような形はよく使います。一方、less tallless fastは文法的に作れても、通常はshorterやslowerを使ったほうが自然です。

「逆の意味にしたいから、すべてlessを付ける」と覚えず、英語でよく使われる組み合わせを選んでください。

比較級でよくある間違い

比較級でよくある間違い

-erとmoreを重ねない

× He is more taller than me.
○ He is taller than me.

tallerの-erがすでに「より〜」を表しているため、moreは必要ありません。

thanだけを付けない

× This room is large than that one.
○ This room is larger than that one.

thanの前に、-er、more、less、不規則変化のいずれかで作った比較級が必要です。

比較級をveryで強調しない

× This book is very better than that one.
○ This book is much better than that one.

差を強めるときは、veryではなくmuch、a lot、farなどを使います。

比較級に関するよくある質問

-erとmoreはどう見分けますか?

1音節の短い語は-er、3音節以上の長い語はmoreが基本です。2音節の語には両方のパターンがあるため、easy → easier、useful → more usefulのように、よく使う形を単語と一緒に覚えてください。

比較級にthanは必ず必要ですか?

比較する相手を文中で示すときはthanを使います。It is getting colder.やPrices are higher now.のように、比較対象が文脈から分かる場合はthanを置きません。

muchとveryはどう違いますか?

veryはtall、expensiveなど元の形を強め、muchはtaller、more expensive、betterなど比較級を強めます。very tallは使えますが、very tallerは使いません。

最上級・原級も確認する

比較表現には、「Aが一番〜だ」と表す最上級と、「AとBは同じくらい〜だ」と表す原級もあります。

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プロフィール中林くみこ
中林くみこ(Kumiko)
中林くみこ(Kumiko)。株式会社エヌファム代表、IELTS専門講師・著者。「KumikoのIELTSオンライン講座」を主宰しています。カナダで語学学校を10年経営し、IELTS対策をはじめ、TOEIC、英文法、ビジネス英語、翻訳、通訳、英会話など幅広く指導してきました。詳しいプロフィールはこちら
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