IELTSライティングでは4つの採点基準がありますが、そのうちの1つが「文法」。
実際のところ、文法ってどうやって対策するか、難しいですよね。
- とにかく間違いがなく、完ペキに正しい文章を書けば良い?
- 過去完了形みたいな、難しい文法を使うべき?
こんな風に考えがちですが、実はそんな単純な話ではありません。
この記事では、IELTSライティングの対策をするにあたって、文法はどのように対処していけば良いのかについて書いています。
本記事の信頼性
IELTSライティングの文法ポイントで悩んでいる人は、ぜひお読みください。
目次
IELTS講師がよく見かける、間違った文法対策
解きっぱなしにする
これが一番良くありません。
ライティングを書いた後、添削してもらうにしろ、もらわないにしろ、「書きっぱなし」にして、添削したものが戻ってきたのも放置する人が多い。
気持ちはわかりますが、ライティングに限らず、試験対策は、解いた後の復習が命!!
スポーツでいう、練習試合の後の「反省」をしないでスコアばっかり見ているようなものです。
なぜこのスコアなのか?ということを考えないと、先に進めないですよね。
文法書を端から端まで読む
というわけで、ライティングを添削してもらったものを復習しようとしたら、文法間違いがとても多い。
そこで、「文法をしっかりマスターしなきゃ!」となり→文法書を買ってきて、1ページ目から読もうとする。
これは、個人的にはかなり効率が悪い方法だと思っています。
文法書は、辞書と同じように、必要な時に必要なところだけ参照するのに使いましょう。
自分の間違いというのは大きなヒントであり、間違いから学んでいきます。
間違ったものは、「文法的になぜ間違ったか説明できるか?」という観点で一つひとつ見直し、もし説明できないものは、文法書や辞書やネットで調べて答えを探しましょう。
そういった意味では、特に紙の分厚い文法書を使う必要はなく、ネットで調べれば十分ではあります。
間違いをゼロにしようとする
日本人の完璧主義?かもしれませんが、「文法のスコアを上げる」=「間違いがゼロの状態」というように思っている人が多いです。
確かに、その考えは完全に間違っているわけではないのですが、現実的に、間違いをゼロにすることはまず無理だと思ってください。
私たちが、母国語である日本語において文法を完璧に話したり書いたりすることができないのと同じで、英語のネイティブでも、もちろん英語の文法が完璧ではありません。
満点である9.0を目指しているとしても、文法の間違いをゼロにすることは、ほぼ不可能です。
ましてや、これを読んでいる人のライティングの目標スコアは、だいたい6.5や7.0など。高くても7.5ですよね?
IELTSで目標スコアを達成しようとする中で、文法の間違いをゼロにしようとすることが、いかにナンセンスであるかを知ってください。
ですので、次の章で説明する「ポイントに大きく響くものが最優先」という考え方につながっていきます。
ちなみに、これはスピーキングにも当てはまります。
とにかく難しい文法を使う
これは、中級者以上、具体的には、現在5.5~6.0で、7.0以上を目指している人が陥りがちなワナです。
ライティングを添削していると、とにかく難しい文法を無理やり使っている・・・
でも、「無理やり」難しい文法を使って、間違っていたら、無理していることは必ず試験官にバレますし、よけいにポイントが下がるリスクもあります。
単語も同じことが言えるんですが・・・
優先順位を知っておく
ポイントに大きく響くものが最優先
上で言ったように、文法の間違いをゼロにするということは、まず不可能です。
じゃあどうするかというと、効率よくスコアを取って行くために、ポイントに大きく響くような文法項目で大きなコケ方をしない、という考え方が重要になります。
下記に例を挙げているような、大きな文法項目では、ゼロにするとまで言わなくとも、できるだけ間違いを少なくする。
小さな文法項目は、とりあえず無視する、重視しない!
そういう考え方が必要です。
大きな文法項目の例
- 時制
- 文型(主語・述語の一致)
- 動詞の使い方
- 接続詞
- 分詞
- 受動態
小さな文法項目の例
- 冠詞
- 前置詞
- 単数複数
冠詞はとりあえず無視
ライティングの添削をしていると、冠詞(a やtheなど)を訂正することもよくあります。
それ以外にもたくさん訂正している箇所があるのですが、冠詞が気になる人がとても多いようです。
「添削したところについて何か質問はありますか?」というと、「なぜここは a ではなくて、the なんですか?」というような質問があったりします。
もちろん、講師としては、その質問にも答えますが、本心としては、「冠詞は全体からすると小さいことなのにな~」と思っています。
冠詞は完璧になるのに非常に時間がかかるうえに(例外が非常に多いので、ハッキリとした文法ルールで決められるものではないです)、あまり実にならない、というのが私の実感です。
同じ時間をかけるなら、もっと全体的なものに手をかけるほうが、スコアは伸びます。
英語でも、「木をみて森を見ず」は「can’t see the wood for the trees」と言うそうです。
あなたにも覚えはありませんか?
これはIELTSだけでなく、英語全体に言えることですし、英語だけではなく人生の色々なことについて言えるかもしれません。
細かいところだけに注目していて、全体を見逃してしまわないようにしましょう!
IELTSのことをよく知らない英語講師などは、「冠詞を直すように」などと言ってきたりしますが、どうか冠詞にとらわれて他の間違いを見落とさないように、切に願います・・・。
冠詞は、それだけで本が何冊も書けてしまうくらい奥が深いのです。
冠詞の最低限のルールをおさえておきたい!という人へ記事を書きましたのでこちらもご参照ください。
ライティングで文法ポイントを上げる考え方と、自己トレーニング方法
おさえておくべき文法
エッセイならではの文法ポイント
- 省略形を使わない
- we, I, you などを一般的な文章の時に使わない。
- can not ではなくて、cannot にする
これら、エッセイならではの項目はとりあえず、すべてしっかりおさえておくことが何よりも最優先。
しかも、今日から意識して実践できるものです。
すぐに完璧にはならなくても、2~3回で覚えられますし、その割には効果が大きいのでコスパが高いです。
今、誰か指導者が居るならその人に聞いたり、私が主催しているIELTSオンライン講座にも記載しています。
大きな文法項目
- 時制
- 文型(主語・述語の一致)
- 動詞の使い方
- 接続詞
- 分詞
- 受動態
これら、ポイントに大きく響く、文法項目にフォーカスして取り組むことが大事です。
どのようにおさえていくか、次の章に書きます。
文法を知ってるか知らないかを分析する
大きな文法項目を克服していく第一歩は、まず自分が
- 文法ルールをそもそも知らないのか
- それとも、知っていても運用できていないのか
ということを分析することです。
「文法ができない」と、一口にいっても、実はその問題はこの2つに分けられるのです。
やり方は簡単で、添削などで間違いを指摘されたら、「なぜ間違いなのか」ということを自分が「説明できるか」という観点で見るのです。
説明できなければ
→文法のルールをそもそも知らない
説明できれば
→知っているけど、運用できていない。もしくは、ケアレスミス(たまたま今回だけ)
文法のルールを知らない場合
そこで、文法のルールを知らない、となった場合に初めて、文法書が登場します。
文法書の該当項目だけ読んで、理解につとめます。
理解しづらい箇所はネットで調べたり、誰かに聞くなどして補強すると良いでしょう。
上でも書いたように、文法書はこのように参考書的な使い方をするものであって、端から端まで読み物のように読むものではありません。
知っているけど運用できていない場合
知っているけど運用できていない場合というのは、インプットが足りていません。
私がいつも言う、英語の悩みの9割はインプット不足です。
特に「書けない」悩みは、多読で解決します!
短期的目線では、問題演習をたくさんする、というのも定着するために良い方法です。
IELTSライティング文法ポイントを効率よく上げる方法
- 大きな文法項目で間違いを少なくする
- 小さな文法項目はとりあえず無視
- 自分の解答を見直し、分析
- 文法ルールを知らない場合は文法書で学習
- 知ってるけど間違う場合はインプット、問題演習
これらのことを意識することで、IELTSライティングで効率よく文法ポイントを上げることができます。
私の英文法オンライン講座では、IELTSに役立つ文法力が身につきます。
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