「英語力を伸ばすにはどうしたら良いですか?」
と、ものすごくざっくりした質問をされた時は、私が必ず挙げる2つのことがあります。
1つ目は、英語をとにかく読むこと。
2つ目は、海外ドラマ。
今日はこのうち、「読むこと」について話します。
海外ドラマについてはこちら↓

「英語力を上げるには、読むことが大事ですよ」ってことは、たぶん今までの英語講師から誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。
なぜそんなに言われるのか?
それは効果があるからです。
でも、実行する人は少ない。なぜか?
それは効果が出るのが(期待しているよりも)遅いからです。
しかし、実は多読は「一番近道で、しかも確実な、誰にでもできる」英語学習法なのです。
この記事では、
- なぜ多読が英語に効果があるのか?
- どうやったら一番効果があるのか?
ということについて、書いていきますね。
私は語学学校を10年経営し、5,000人以上の人に英語を教えてきました。そして私自身も20年以上、多読を実践して英語を伸ばしてきています。
目次
なぜ多読が英語に効果があるのか

英語の悩みの9割はインプット不足
あなたは、こんな悩みを持っていませんか。
- 文法は知識として知っているけど、キレイな文法で話したり書いたりできない。
- 単語はがんばって覚えているけど、すぐ忘れる。
- 単語はがんばって覚えているけど、実際に話したり書いたりする場面で思いつかない。
- 「文法的には合ってるけど、不自然な言い回し」と指摘されることが多い。
- なかなか英語が口から出てこない。
- ずっと勉強しているのに、なかなか英語ができるようにならない。特に話すことと、書くこと。
たぶん、これ以外の悩みを持っている人はいないんじゃないか?というくらい、英語の悩みって上↑で挙げたものに集約されますが、実はこれらの問題はすべて、
多読で解決できます。
まさに、私がいつも言う、「英語の悩みの9割はインプット不足」ということなのです。
Twitterを見ていると、色々な英語学習者の悩みを見かけますが、「インプットを多くすれば解決するのになあ」と思うことがとても多い。
しのごの考えず、シンプルに多読をしましょう。ってことなんです。
特にライティングに絶大な効果あり
英語といえば英会話、という感じで、英会話学校でスピーキングを学ぶ人は多いです。
しかし、実際に日本で仕事で英語を使う、となったら「書く(ライティング)」仕事のほうが多いのではないでしょうか?
メールや、ちょっとした翻訳など・・・
「日本人は書くのはできるけど、話すのはできない」
などという説を良く見かけますが、実際には「正しく書くこと」「細かいニュアンスまで伝えるライティング」に悩んでいる人は多いです。
多読を積み重ねていくと、日に日に綺麗な英語を書けるようになってきます。
驚くほどの効果です。
多読がなかなか実行しにくい理由

レベルを選ぶ
英語の初心者や初級者がいきなり「本を読むぞ!」と読み始めるのはなかなか難しいでしょう。
幼稚園児が大人の本を読むのが無理なのと同じですね。
ただ、ここで初心者だからと言って「絵本」を選んでしまうと、「面白くないから続かない」という事態になりがちです。
まったくの初心者の場合は、まずは単語、文法、音読といったトレーニング系から始めましょう。

そして、ある程度の単語や文法が身に付いてきたら、下記のあたりのテキストに載っている、短い分量のパッセージ(文章のかたまり)から読むことを始めましょう。
こういったテキスト系のストーリー内容も最近は面白くなってきていますし、何より文章にクセがなく正しい英語を吸収できます。
初級のうちはとにかく「量が少ない」ということが大事です。
最初はやる気があるので「物足りない」と感じるかもしれませんが、物足りないと感じるくらいの短さでちょうど良いです。
下で詳しく書きますが、「毎日少しずつを継続する」ということを何より優先してください。
量が少ない、という意味ではTwitterやインスタなどのSNSでも良いですね。
欲張らず、少しずつ英語のアカウントをフォローしてみてください。
継続できない
多読はとにかく、継続が一番大事なのですが、やはり一番良く聞く悩みも「継続できない」ということです。
続けさえすれば、多読は一番確実な近道なのですが、続けることが難しいのです。
しかし、これはあなただけの悩みではありません。人類みんなの悩みと言えるでしょう・・・
下に、継続のためのやり方について書いていきます。
多読の正しいやり方

頻度とかかる期間
多読・多聴の大事さをいつも強調しているが「多」という字が付いていることから、1回に読んだり聴いたりする量をやみくもに増やすと考える人が多く、ハードル高く感じる。
ではなく、
✅期間を長くする
✅頻度を高くする
が重要。1日15分を半年以上、毎日続けることが1番効果的。
— Kumiko@英語スパルタ校長 (@IELTS_expert) December 29, 2020
毎日15分を1年間続けてみてください。
1年と言わず、半年でも良いでしょう。
毎日15分というのがポイントです。
「気が向いたとき」
「週1回」
とかでは効果出ません。
多くの人は、多読といいつつ、「3冊くらい読めば効果が出るかな」と思っているので、3冊読んでみてダメだったら挫折します。
もしくは、1冊も読まないうちに挫折することもよくあるでしょう。
習慣化するまでは、1日のうちのどの時間(タイミング)に読むかを決め、しっかりとタイマーを測って15分実行しましょう。
一度習慣になるとそれほど考えずに続けていくことができます。
習慣化についての記事はこちら

多読は、スキマ時間にぴったりの学習です。スキマ時間学習についてはこちら

溺れるくらいの量を読む
多読ってやる人が少ないけど、すごい効果なんだよねぇ…
1年間で自分の身長分くらいの本を読めると、自分でもかなりの伸びが実感できるはず。
特に読み書きには絶大な効果を発揮。
英語の文章が抵抗なく読めたり、綺麗な文章がスラスラ浮かぶようになると楽しい。— Kumiko@英語スパルタ校長 (@IELTS_expert) November 19, 2020
上記のツイートには、「自分の身長分」と書いていますが、これは
読んだ本を積み重ねた時に、自分の身長と同じくらいになる
という意味です。
これってけっこうな量です。
だいたい1年くらいかかるかもしれませんが、1年経ったころには、本当にびっくりするくらい自分でも変化がわかるはずです。
英語が楽しくなりますし、初級→中級の壁、中級の壁を越えることも難なくできます。
「英語とは、コップの中に水を一滴ずつ垂らしていって、コップに水があふれたときに話せるようになる」とよく聞きますが、まさにその通りで、自分の中に少しずつ蓄積していって、それが十分になった時に、自分でも不自由なく英語を使えるようになるのです。
多くの人は、この水が十分でない時に「効果が出ない」と嘆き悩みますが、
おぼれるくらいたくさんの英文を読めば、必ず成果は出ます。
これは私が保証します!
「そんな大量に英語を読むなんて、無理だ」という声が聞こえてきそうですが、ここで重要になってくるのが、上で書いた「習慣化」と、これから書く「何を読むか」です。
何を読むか
多読をやってください!
というと、
英字新聞
小説
から取り掛かる人が多いけど、
難しいので挫折する可能性大。
(スタバとかで読んでたらカッコいいけどね)いつも日本語で読んでるものを少しずつ英語に置き換えよう。
Yahooニュースとか
ブログとか
Twitterとか
それでも充分、多読👍— Kumiko@英語スパルタ校長 (@IELTS_expert) January 29, 2021
毎日続けるために、1番大事なことは、
「楽しむ」
ことです。
ですので、「何を読むか」ということがとても大事。
多くの人は、英語リーディングというと張り切って英字新聞とか小説とかTIMEとか読み始めるのですが、まぁ続かないですよね。
とにかく、自分の好きなものを読んでください!!
- 雑誌(テーマはなんでも。ファッション、車、料理、科学など自分が好きなもの)
- ブログ(同じく、テーマはなんでも。)
- Yahoo!ニュース
とか、どうでしょう?
「そんなんで良いの?」という声が聞こえてきそうです。
そうです、そんなんで良いんです。
小説は、ちょっと難しいので、リーディングをやり始めの方には実用書をお勧めしたいです。
私自身は、ビジネス書を色々読みました。
ビジネス書って、日本語でもそうですが、章立てがわかりやすく、平易な言葉で簡潔に書かれているんです。
でも、もちろん、自分の興味を持てるテーマを選ぶのが大事です。
そして、まじめになりすぎず、あまり面白くない部分は飛ばしたり、その本を読むのをやめちゃって次の本に進んだりもどんどんしちゃってください!
とにかく毎日続けることを第一優先にしてください。
自分のフィーリングを大切に!!
洋書の選び方については、下記の記事もご参照ください!

辞書は使わない
上でリンクを貼った記事の中にも書いているのですが、多読をする時には基本的に辞書は引かないでおきましょう。
辞書を引くと、
- スピードが落ちてぜんぜん進まない
- わからない単語が多すぎると自分に嫌気がさす
というようなデメリットがあります。
どちらも「継続」を妨げる大きな要因です。
とにかく続けることを優先に考え、どうしてもわからないと先に進めない、という単語だけ調べるようにしましょう。
ちなみに、Kindleの専用デバイスですと、辞書を引かなくてもその場で表示されるので手間の削減につながります。なかなか感動的な機能です。

前置きを飛ばす、目的意識を持つ
英語で本を読み切るコツ
✅ビジネス本は前書き長すぎなので本題まで飛ばす
✅小説は文章に相性あるので試し読み活用
✅あらすじなど前情報を必ず仕入れておく。日本語で読んだものや映画等でストーリー知ってるもの
✅ビジネス本は自分が何を知りたいか目的意識持つ
✅習慣化する、隙間時間に読書— Kumiko@英語スパルタ校長 (@IELTS_expert) November 17, 2020
ビジネス本のような実用書は、英語の本はとにかく前置き(前書き)が長すぎる傾向にあります。
「自分がどんなにすごい人か」「どのような経緯でこの本を書くことになったか」「この本を読むとどんな利益があなたにもたらされるか」というようなことが延々と書いてあります。これは文化だと思いますが・・・
ともかく、こういった前書きは、なかなか本題につながらず「え、何が言いたいの?」と見失いがちになるので、思い切ってぜんぶ飛ばして、第1章から読み始めてもまったく問題はありません。
また、本文もすべてを最初から読んでいく必要はなく、自分の知りたいところだけピックアップして目次から直接飛んじゃっても問題ありません。
基本的には、実用書は順番通りで読まなくても良いようになっています。
飛ばして読むためには、「自分はこの本から何を得たいか」ということを事前に知っておく必要があります。
そのために必要になってくるのが、「前情報を仕入れる」ということです。
前情報を仕入れる
意外に重要なのが、コレです。
Amazonの商品説明やレビューや、その他のレビューサイトなどで、どんな内容なのか、ということについてできる限り知っておきましょう。
- ビジネス本などの実用本であれば目次を日本語で読んでおく。
- 小説などであれば、あらすじを読んでおきましょう。
理解度が全然違います。
同じ意味で、
すでに日本語で読んだことがある本
というのも、とても良いですね!
内容的にはつまらなくなってしまうかもしれませんが、英語で読むハードルが低くなるため、英語で読む「引っかかり」が少なく、スムーズに読み進めていけることが嬉しくなるはずです。
これは海外ドラマや英語の映画を観る時にも同じことが言えます。
私も、Downton Abbeyというイギリスの時代物ドラマを観る時、ちょっと人物関係が難しかったので、あらすじや人物説明をネットで調べながら観ていました。
ネタバレという意味では、邪道なのかもしれませんが、しっかり理解しながら進めていけるので、よくわからないまま進めていくより断然楽しいと、私は思いますよ。
読み切らなくても落ち込まない、次へ挑戦
私自身も英語の本を数十冊読んできたが、積読や途中で諦めた本はその倍以上。
途中で諦めたドラマや映画も、最後まで観たドラマや映画よりも多いし、
パラパラっと見ただけで終わったテキストだってもちろん人並みにあります。(あなたも心当たりありますよね)でも英語自体は20年間以上続いている。
— Kumiko@英語スパルタ校長 (@IELTS_expert) October 24, 2020
これはあまり知られていないことですが、成功の裏には数限りない失敗がある・・・ということで、私自身も、上記のツイートのように、途中であきらめた本の数のほうが、最後まで読んだ本よりも多いです。
これって考えると当たり前のことなのですが、なぜか洋書に関しては「買ったから、最後まで読まなきゃ」と考える人が圧倒的に多い。
これをすると、すぐに挫折します。
たまたま選んだ本が合わなかっただけ、と考えて、すぐに次の本に移りましょう。
人間、その日の気分でも読みたい本は変わってくるものです。
2~3冊を同時進行しても構いません。
ただ、「多読をする」ということは継続していけば、英語力は上がります。
気軽に色々な本を読むためには、やはり紙の本ではなく電子書籍、Kindleをお勧めしたいですね~

まとめ
誰もが英語を伸ばす方法を模索しています。
しかし、私に言わせれば、多読さえすればほぼすべてが解決!なのです。
これほど確実な英語学習法はありません。
あなたもぜひ挑戦して、英語上級者の仲間入りをしてほしいです。
ちなみに、私は今でも多読の勉強法を取り入れていますよ。


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