IELTSライティング(Writing)

IELTSライティングタスク1をスラスラ解ける書き方ガイド【解答例つき】

IELTSライティング(アカデミック)タスク1は、少し「とっつきにくい」と感じる人が多いようです。

日本の義務教育ではまずやらないような感じの問題ですから・・・。

しかし、コツをつかんで慣れれば、それほど難しくなく、得点源にもできるパートでもあります。

そんなタスク1の特徴・対策と、どのようにして勉強すれば良いのか、書いていきますね。

本記事の信頼性

タスク1の書き方を、解説と模範解答をつきで説明するので、IELTS学習にかなり役立つ内容になっています。

IELTSライティングタスク1の概要と問題形式

特徴

IELTSライティング(アカデミック)のタスク1は、図・表・グラフが問題文に提示されており、その特徴を文章で説明せよ、というものです。

文系の人などはちょっと苦手意識を持ってしまいそうな形式ですね。

でも、数字に強い弱いとか、計算が速い遅いなどは関係ないので、安心してください。

採点基準

IELTSライティングタスク 1には4つの採点基準があります。

  1. Task Achievement – 完成度(トピック関連性)
  2. Coherence and Cohesion – 論理一貫性
  3. Lexical Resource – 語彙
  4. Grammatical Range and Accuracy – 文法

※通称、TA, CC, LR, GR です。

①は、端的にいうと、ちゃんと図表を説明できているのか!

②は、最初から最後まで一貫しているか、論理的か!

③は単語で④は文法なので、③④はわかりやすいですね。

4つそれぞれで0~9点が付けられます。

時間配分

IELTSライティングはタスクが2つあり、2つで60分の制限となっています。

公式では、タスク1に20分、タスク2に40分使うように、と指示がありますし、試験中も、20分経った時にお知らせがあります。

しかし、タスク2にはタスク1の倍の配点がありますので、タスク2のほうにより多くの時間と労力を回すべきです。

私個人的には、タスク2を先にやって45分かけ、その後にタスク1を15分で仕上げる、というやり方を推奨しています!

タスク1は、この記事で書くような勉強法を実践して、本番までにさらっと書けるようにしておきましょう。

問題例

実際の問題をIELTS公式問題集の12より引用しますね。

The bar chart below shows the percentage of Australian men and women in different age groups who did regular physical activity in 2010.

Summarise the information by selecting and reporting the main features, and make comparisons where relevant.

(日本語訳)

下の棒グラフはオーストラリアの様々な年齢層の男女が2010年に定期的な運動をした割合を示している。

主な特徴を選び、レポートを行い、また必要な箇所で比較を行い、情報を要約しなさい。

問題文の後半の”summarise…”以降は毎回の問題文に共通して出てくる文章です。

この例では棒グラフですが、その他、折れ線グラフ・円グラフ・表・プロセス図などのバリエーションがあります。

出題の確率としては、折れ線グラフが一番高いと言えるでしょう。

また、図表が1つだけではなく、2個以上示されて、それらの間での比較を求められることもあります。

タスク1の書き方&解答例

構成

タスク2とも共通するのですが、タスク1でもパラグラフ(段落)を4つ書きます。

  1. イントロ
  2. まとめ(結論)
  3. 詳細1
  4. 詳細2

実際にどのように書いていくのか、パラグラフごとに見ていきましょう。模範解答(解答例)も付けています。

イントロ(最初のパラグラフ)

ここでは、問題文をパラフレーズ(言い換え)します。

基本的には1文章のみで構成します。

今回でいえば、問題文はこちらでしたね↓

The bar chart below shows the percentage of Australian men and women in different age groups who did regular physical activity in 2010.

この文章を、違う単語や表現を使って、同じ内容だけど違う文章を作るのです。

最初のパラグラフ【模範解答例】

The depicted bar chart gives information about the numbers of men and women taking part in exercise on a regular basis among six age groups in Australia in 2010.

どこがどのように言い換えされているか、一覧表にしてみました。

問題文 模範解答
the bar chart the depicted bar chart
shows gives information about
the percentage the numbers
physical activity exercise
regular on a regular basis
in different age groups among six age groups

ここまでの言い換えを最初からするのは難しいですし、無理に言い換えしようとするとヘンになってしまうことが多いので、まずは単語を1~2つ置き換えることから始めてみましょう。

まとめ – 結論 (2つ目のパラグラフ)

2パラグラフ目で、すでに結論を言ってしまいます。

その代わり、最後のパラグラフには結論は付けません。

二つの大きな事実(図や表の目立つ事実)を言い、2文章にまとめるのが基本です。

2つ目のパラグラフ【模範解答例】

①Overall, it is clear that the gender patterns varied, except for the eldest demographic (65 and over), which shows that nearly the same proportions of men and women who worked out regularly. ②The graph also demonstrates that females were generally more keen to engage in doing exercise than their male counterparts.

【日本語訳】

まとめると、男女それぞれのパターンは色々になっているが、65歳以上の最年長の数字では男女が定期的に運動した比率はほぼ同じになっている。また、一般的に女性のほうが男性よりも運動をすることに関してやる気があることをグラフは示している。

まとめパラグラフで使える表現

  • overall:まとめると
  • it is clear that… :・・・ということは明らかだ
  • the graph also demonstrates that…:また、グラフは・・・ということを示している

詳細1(3つ目のパラグラフ)

3パラグラフと4パラグラフは、詳細な事実を細かく書きます

まとめのパラグラフ(2パラグラフ目)で二つの事実を言っていますので、事実①を3パラグラフ目に、事実②を4パラグラフ目に書くと、収まりが良く書きやすいでしょう。

だいたい2文章~3文章が目安です。

3つ目のパラグラフ【模範解答例】

With regard to the numbers of men, there was a remarkably higher proportion in the 15-24 age bracket, at 52.8% and it was followed by the age group of 65 and over and 55 to 64, with 46.7% and 45.1%, respectively. Those aged between 35 to 44 were less active with 39.5% which was the one in which females represented the second highest.

【日本語訳】

男性の数字に関していえば、15~24歳のグループで52.8%とかなり高い値であり、それに続いて65歳以上と55~64歳のグループがそれぞれ46.7%、45.1%となっている。35~44歳の男性は39.5%と比較的運動をしていないが、同じ年齢グループの女性は2番目に高い値を示している。

詳細2(最後のパラグラフ)

4パラグラフ目では、3パラグラフ目と同じ形式で、詳細の事実を書きます。

まとめパラグラフの②に書いたことを掘り下げていきます。

4つ目のパラグラフ【模範解答例】

As for the figures for women, there were always more women involving physical exercise, excluding the youngest age group (15-24). In the 35-44 age group, the gap between males and females participating in physical activities was up to 13%, while for people aged 65 and over, the number of women exercising outnumbered that of men only by 1%.

【日本語訳】

女性の数字に関していえば、運動をしている女性は常に多いが、その例外は15~24歳のグループである。また、35~44歳のグループでは、運動をしている男性と女性の間の違いは最大13%である一方、65歳以上の人々に関しては、女性の数字は男性の数字を1%のみ上回っている。

詳細パラグラフで使える表現

  • As for~:~について
  • with regard to:~について
  • A is followed by B:Aに続いてB
  • respectively:それぞれ
  • excluding:以外
  • outnumber:数で~を超える

書き方まとめ

模範解答の英語版を読むと、なんだか小難しそうに見えますが、日本語訳を見ていただくと、特にたいした内容は言っていないことに気づくと思います。

ストラクチャー(構成)は、全部で4パラグラフ。そして、事実を並べていくだけです。

ただ、英語の表現が少し特徴的なので、そこは覚える必要がありますが、慣れてしまえばかなり時短で仕上げることができるでしょう。

次の章から、どのように勉強を進めていくかを書きます。

タスク1の効果的な勉強法

とにかく、ストラクチャーを覚える

何はなくとも、一番最初に、上で書いている採点基準のうち、この2つのポイントをきちんと取ることを考えましょう。

  1. TA – 完成度
  2. CC – 論理一貫性

特にタスク1は、模範解答を見るとなんだか難しそうであせってしまいますが、まず最初に単語!ではないですよ。

小難しそうな単語や表現を並べても、採点基準の①②が満たされていないと、ひどいスコアしか出ません。そして泥沼にはまることに・・・

この①②を満たそうと思うと、上の章に書いている「ストラクチャー」つまり、

  • 全部で4パラグラフの構成
  • 1パラグラフ目は問題文の言い換え
  • 2パラグラフ目はまとめ
  • 3パラグラフ目、4パラグラフ目は詳細

というこの構成をしっかり頭に叩き込み、本番では何も考えずに実践できるように慣れておかなくてはいけません。

アウトラインを書く練習をする

上で書いたようにストラクチャーをきちんと実践するためには、本文を何となく書いていってはいけません。

最初に簡単なメモを書き、それに沿って書いていかなければ、横道に逸れて失敗してしまいます。

今回の問題文でいえば

  • 男女色々/65歳、ほぼ同じ
  • 15~24、男、52.8% / 65以上ー46.7%、55~64ー45.1% / 35~64ー39.5%低い。女は2番目
  • 女、多い、15~24以外 / 35~44 男女間13% / 65以上ー1%だけ女多い

みたいな感じで、自分だけがわかるメモを手書きで書いていきます。

※1パラグラフ目は問題文の言い換えなのでアウトラインに書く必要はありません。

そして、これをもとに本文を書いていくわけです。

これは慣れていないとなかなか難しいですし時間もかかるかもしれませんが、このプロセスはスキップせずに必ず行いましょう。

その代わり、タスク1に関しては、本文を書くのにもかなり慣れてきて、ストラクチャーも完全に覚えたなら、アウトラインを書くプロセスは飛ばしても良いです。

模範解答の模写をする

問題を解く時には、できるだけ模範解答があるものを使うのが良いでしょう。

そして模範解答は単にさらっと読むだけでは頭に入りませんので、「模写」つまり書き写しをするのが良いです。

IELTSライティングの中でも、特にアカデミックのタスク1は、模範解答の「模写」をすることがとても効果的です

使われる表現が独特だからです。

ただ、精神統一の時に使うような「写経」みたいに、頭の中で何も考えずにただ書き写す、という作業をするのは時間のムダですよ。

下記のようなポイントをしっかり頭で意識しながら模写を行いましょう。

ストラクチャーに注目

上の章で述べた、ストラクチャーをしっかりと意識しながら模範解答を観察しましょう。

どの箇所にどんな内容の文章を書いているのか、ということですね。

もちろん、私がこの記事で提案しているストラクチャーは、単なる一例なので、違う構成の模範解答も多いと思います。

その場合でも、どのような構成になっているのかを注目してみてください。

主語と動詞の使い方に注目

私がタスク1の添削をしていて、特にいつも気になるのが主語と動詞の使い方がおかしくなるパターンです。

特殊な単語にどうしても目が行ってしまい、その単語を覚えることばかりを考えていると、「正しく使う」ことがなかなかできません。

模範解答の模写をしている時に、「この文章の主語は何で、動詞は何かな?」ということをいちいち考えてみてください。

また、間違いではないとしても、中級者に多いのが、the percentage of ○○ is higher than ○○. のように、

the percentage や、the numberなどが、主語になる文章ばかり続けてしまうことです。

これだとなかなかスコアが上がりませんので、主語を色々にすることが大事です。

そんな場合でも模範解答の模写をして、使われている主語と動詞に注目することで参考になりますよ。

良い模範解答は、必ず色々な主語と動詞が使われているはずです。

言い換えに注目

上の二つができるようになってきたら、個々の単語や表現の言い換えに注目すると良いでしょう。

良い模範解答であれば、必ず言い換えが色々されているはずです。

今回の模範解答でも、「運動する」という表現を下のように言い換えています。

take part in exercise / work out / participating in physical activity / be less/more active / involve physical exercise

しかし、言い換えできる単語と、できない単語があるので注意しなければいけません。

今回でも、例えば、men/womenなどはなかなか言い換えできないですね。

こういった、言い換えできる/できないの判断も、模範解答を分析しているとつかめるようになってきます。

添削サービス

IELTSライティングの対策をしていると、誰かに添削をしてもらいたくなると思います。

添削サービスを検討する前にぜひ一読してほしい記事がこちらです。

添削サービスの選び方(忖度なし)、効果的な使い方などを書いています。

IELTSライティング添削サービスの賢い選び方と効果的な使い方【利用者必見!】IELTSライティングの添削サービスの失敗しない選び方、賢い使い方について書いています。添削サービスにも良い・悪いがあります。そして、どれだけ良いサービスでも、自分の使い方によっても、効果がまったく出ない!ということもあり得ます。良いサービスを選んで、自分でも効果を高めていくために、ぜひこの記事を参照してくださいね。...

IELTSライティングタスク2の対策

IELTSライティングにはタスクが二つありますが、タスク2についてはこちらの記事をどうぞ。

タスク2に関しては、アカデミックとジェネラル共通になっています。

IELTSライティングタスク2の攻略法!スラスラ書くコツ&解答例タスク2は、IELTSライティングのメインとなる重要パートです!この記事では、そんな重要なタスク2にフォーカスを当てて、効果的な書き方や対策を書いています。問題サンプルと模範解答(解答例)をもとに、わかりやすく解説。...

タスク2のほうがタスク1よりも倍の配点があるので、タスク1をしっかり書けるようになったら、どんどん時短を考えて、タスク2のほうに時間とエネルギーを割くようにしましょう。

ABOUT ME
Kumiko
カナダで語学学校を10年経営し、IELTS対策をはじめ、TOEIC、英文法、ビジネス英語、翻訳、通訳、英会話などさまざまなコースで指導してきました。明日香出版社よりIELTS対策本を出版予定。詳しいプロフィールはこちら
7日間無料メール講座
独学でIELTS目標スコアを取る方法

「独学でIELTSの目標スコアを取る方法」では、IELTSを「独学で」勉強して結果を出す方法を具体的に解説しております。

独学のスタートにぜひどうぞ!

無料購読