タスク2は、IELTSライティングのメインとなる重要パートです!
IELTSライティングは2つのパート(タスク)があります。
タスク2は、タスク1の倍の配点がありますので、タスク2でほとんど決まるといっても差し支えないでしょう。
この記事では、重要パートのタスク2にフォーカスを当てて、詳しく解説します。
本記事の信頼性
パート2の具体的な書き方、対策を丁寧にお話ししていきますね。
目次
IELTSライティングタスク2 概要と問題形式
特徴
IELTSライティングのタスク2は、アカデミックとジェネラルが共通の内容です。
なので、タスク2を集中して対策したい場合には、ジェネラルの人でもアカデミックの参考書を使うことができます。
タスク2は、社会問題を中心として、幅広いテーマから出題されます。ただ、時事問題は出ませんし、専門知識が必要なものは出題されません。
専門知識は必要ないと言っても、普通にニュースで流れていそうな話題について自分の意見を持っておく必要がありますし、一般的に知られているレベルの「トピック別(テーマ別)」単語は知っておく必要があります。
IELTSの単語の対策についてはこちらの記事もご参照ください。
採点基準
IELTSライティングはタスク 1、2に共通して4つの採点基準があります。
- Task Response – 完成度(トピック関連性)
- Coherence and Cohesion -論理一貫性
- Lexical Resource – 語彙
- Grammatical Range and Accuracy – 文法
通称、TR, CC, LR, GR です。
①は、端的にいうと、問題にちゃんと答えられているのか!ということです。
②は、最初から最後まで一貫しているか、論理的か。ということ。
③は単語で④は文法なので、③④はわかりやすいですね。
4つそれぞれで0~9点が付けられます。
時間配分
IELTSライティングはタスクが2つあり、2つで60分の制限となっています。
公式では、タスク1に20分、タスク2に40分使うように、と指示がありますし、試験中も、20分経った時にお知らせがあります。
しかし、最初に言ったように、タスク2の配点は、タスク1の倍ありますので、とにかく、タスク2には時間と労力を回すべきです。
私個人的には、タスク2を先にやって45分かけ、その後にタスク1を15分で仕上げる、というやり方を推奨しています!
タスク2の問題例
タスク2の問題は、実際にどのような感じなのか?
IELTS公式問題集12のTest 5より、問題を引用しています。
Some people believe that it is good to share as much information as possible in scientific research, business and the academic world. Others believe that some information is too important or too valuable to be shared freely.
Discuss both these views and give your own opinion.
(日本語訳)
科学研究、ビジネス、アカデミックの業界では情報をできる限りシェアするのが良いと考える人も居る。一方、情報の中には重要すぎて自由にシェアはできないと考える人も居る。
この二つの意見について議論し、自分の意見も述べてください。
日本語訳を見ていただくと「~と考える人も居る。~と考える人も居る。」というように二つの意見が提示されていますね。
このように二つの意見がすでに問題文に書かれており、その二つについて書くことが求められている問題文のタイプは、
Discussion Essay(ディスカッションエッセイ)と呼ばれ、IELTSライティングとしては一番、出現率が高いタイプです。
タスク2の書き方
タスク2は4パラグラフ(段落)を書くのが基本です。
- イントロ
- メイン1
- メイン2
- 結論
という構成ですね。
メインパラグラフは、二つ合わせて「ボディ(本文)」とも呼ばれます。
それぞれのパラグラフに何を書けば良いのか、模範解答つきで、詳しく見ていきましょう。
イントロ(1つ目のパラグラフ)
- 今回の問題文の主題について話している人が世間には居ること
- 自分の意見は、二つの意見のうちどちらか
イントロには、上の二つの内容を書きます。
二つの文章に分けてそれぞれを書くのがシンプルでわかりやすいです。
①について
大枠は、ほぼ定型文(テンプレート)でまかなえる文章です。ただ、内容は問題文とかぶることが多いので、問題文をそのままになっちゃわないように、言い換え表現をできるだけ駆使する必要があります。
下のサンプルで言うと、
“There are some factions of society that have a belief”
この部分はテンプレートとして使いまわしできますね。
②について
二つの意見がすでに問題文に書かれていましたね。②では、この二つの意見のうち自分はどちらの肩を持つのかを書きます。ここで迷う人が居るかもしれませんが、はっきり言って、どちらでも良いので適当に決めてください。
なぜ適当で良いかというと、このタイプのエッセイで試験官が求めているのは「二つの意見についてきちんと述べられるか」であって、「自分の意見をしっかり持っているか」ではないのです。
二つのメインパラグラフには、問題文にある二つの意見についてそれぞれ書くことになります。
つまり、自分の意見は①イントロと④結論のパラグラフに「自分は~側の意見です」という文章を書くだけなので、自分がどちら側の肩を持つかによって、メインパラグラフに書く内容が変わってくるわけではないからです。
実際の解答例はこちら。
イントロ【模範解答例(サンプル)】
① There are some factions of society that have a belief in sharing information between scientific research, business, and the academic world. ② I agree with those who believe that precious data is the collective achievement and it should be shared openly for the public interest.
【日本語訳】
科学研究、ビジネス、アカデミックの業界では情報をできる限りシェアするのが良いと考える人が社会には存在する。私は、重要な情報は集団で達成するものだから公共の利益のためには開示するべきと考える人々に賛成です。
メインパラグラフ1
今回のようなディスカッションエッセイの場合は、メインパラグラフ1には問題文に提示されている二つの意見のうち、1つ目について書きます。
ここでポイントは、その意見を主張している人の立場に立って、いかにもその人の肩を持っているような書き方をする(代弁する)、ということです。
今回でいえば、「情報をシェアすべきだ」「シェアすべきではない」という二つの意見がありますが、メインパラグラフ1では、「シェアすべきだ」と主張している人ならどんな意見を書くか、と考え、メインパラグラフ2では、「シェアすべきではない」と主張している人の代弁をします。
二つの意見のうち、自分が肩を持たないほう(反対する方)をメインパラグラフ1に書き、持つほう(賛成する方)をメインパラグラフ2に書きます。
つまり、今回の模範解答では「共有すべき」に賛成しているので、メインパラグラフ1には「共有すべきでない」ことについて書き、メインパラグラフ2には「共有すべき」ことについて書く、ということになります。
メインパラグラフは二つとも、基本的にこの順番で文章を繋いでいきます。
- 自分の主張、そのパラグラフの結論
- 理由、詳細
- 具体例
これはそれぞれ1つずつ文章を充てていくとわかりやすいですが、うまくいかない場合は2文章に分かれたり、多くなったり少なくなっても構いません。
また、この3つの内容で足りない場合は③の具体例を足すか、また①②③のセットを繰り返します。
よくやってしまう間違いが、①②③と書いた後で、また①の結論を繰り返して終わることです。
これはどうしても日本語が結論を最後に持ってくることによるのでしょうが、繰り返しの内容は嫌われますので、少しだけ足したい場合は③具体例を足すようにしましょう。
下記はこれらを実践している模範解答です。①の文章が長いので②が短くなっていますが、このようなアンバランスがあっても問題ありません。
メインパラグラフ1【模範解答例(サンプル)】
①The reason why some claim that significant information should be limited to particular individuals or organizations is that the convenience people enjoy today is based on the endless efforts made by some hard-working people who figure out better solutions to the problems. ②It is unfair to take their efforts for granted. ③For example, there is a fierce battle between cell-phone manufacturers in Japan and the leak of technology information makes the headlines every day. ④Some engineers ended up being demotivated to make progress and innovation because of this.
【日本語訳】
①(主張)なぜ重要な情報は制限したほうが良いと何人かの人が主張するかというと、現在私たちたちが享受している利便性というのは問題に対する解決策を見つけようと一生懸命に働いた人々の努力の結果だからである。②(詳細)彼らの努力を当たり前のものとみなすのはフェアではない。③(具体例)例えば、日本では携帯電話メーカーの間での熾烈な競争があり、毎日、テクノロジー情報の漏洩についてニュースがある。④(具体例続き)何人かのエンジニアはこれが理由で技術革新をする気がなくなってしまった。
メインパラグラフ2
メインパラグラフ1と構成は同じです。
こちらのパラグラフでは、上で書いたように、「なぜ共有すべきか」という自分が肩と持つ方の主張について書いていきます。
こちらは①②③のセットを2回繰り返すような構造になっています。⑥では主張と詳細が1つの文章の中に含まれています。
メインパラグラフ2【模範解答例(サンプル)】
①Nevertheless, I am in favor of the opinion claiming that sharing information could enrich people’s knowledge. ②Most companies and organizations would encounter major barriers due to prohibitive costs and time to develop a comparable cornerstone.③Take Android, the most popular mobile operating system in the world, as an example. ④The mobile revolution was carried out because Google decided to keep its source code open to the public. ⑤The second convincing point is related to science. ⑥Scientists need to share their research and they need others to view and check their own research so that important studies would be replicated. ⑦For instance, a famous Japanese scientist discovered a historically significant fact by developing previously detected facts.
【日本語訳】
①(主張)しかし、情報をシェアすることは人々の知識を広げることになるという意見に賛成したい。②(理由)ほとんどの企業や組織は比較対象となる業績を上げるために、法外なコストと時間をかけなければならないという問題に直面するだろう。③(具体例)世界でも最も人気の携帯電話のオペレーティングシステムであるAndroidを例に挙げよう。④(具体例続き)この携帯電話の革命はGoogleがソースコードを公開したからこそ可能となったのだ。⑤(別の主張+詳細)科学者は自分の研究をシェアし、他の研究者にその研究内容を確認させる必要がある。そして重要な研究は真似されるべきなのだ。⑥(具体例)例えば、とある日本の有名な研究者が、それより前に発見された事実をもとに、歴史的に重要な事実を発見した。
結論
結論は、下記の二つの内容を含めます。
- 二つの意見が存在すること
- 自分はどちら側に賛成するか
ほぼイントロと同じような内容です。しかし、英語の表現はまったく同じにならないよう、できる限りで良いので言い換えをしてみてください。
この二つの内容を1つの文章にまとめられると良いですが、二つの文章になっても良いでしょう。
結論【模範解答(サンプル)】
In conclusion, there are arguments about whether companies and researchers should monopolize certain information, but I believe that the more we share the data, the more we benefit from it.
【日本語訳】
結論として、会社や研究者が特定の情報を独り占めすべきか、という議論があるが、私は多くのデータをシェアするほど利益が得られると思う。
タスク2の効率的な勉強法
まずはリスニングとリーディング
ライティングの記事なのにこう書くのもなんですが、正直なところ、タスク2に限らず、ライティングに取り組むタイミングが早すぎる!という人が多いです。
あまりにも早く取り組むと、気を付けるポイントが多すぎて、すごく混乱してしまうのですね。
早ければ早いほうが良い、ということは絶対になくて、早いという理由での弊害が出てしまいます。
リーディングとリスニングが目標スコアがちらほらと取れるようになってきたら、ライティングを始めるタイミングです。
IELTS対策でこじらせてしまい、ドツボにはまっている人をたくさん見てきたので、これはぜひみなさんに知ってほしいです。
公式問題集と解答用紙
こちらの記事にある、IELTS公式問題集(過去問)をとりあえず1冊手に入れてください。
公式問題集には本番形式の問題が4つありますので、こちらをまず1つずつ取り組んでいくと良いでしょう。
そして、もし手書きの試験を受ける場合には解答用紙を手に入れて、それを使って練習もしておきましょうね。
ネットで「IELTS official answer sheet」などと検索すると出てきます。
優先すべきは、完成度と論理一貫性
4つの採点基準に沿った対策をしていく中で、まず優先すべきは、この2つの基準です。
- 完成度
- 論理一貫性
つまり、下記のようなことです。
- 問題にきちんと答えられているか
- 自分の意見を出し、それに説得力を持たせるように(サポートする)理由や例を出せているか
- 最初から最後までずれていないか
- 余計なことを書いていないか
- 接続詞、接続副詞などを適切に使って、論理的な展開ができているか
ライティングの試験というと、多くの人がすぐに「文法と単語」を思い浮かべますが、実は上記のことができていないと、「自分でもよくわからないまま、全然スコアがあがらない」ということになります。
実際、そういう悩みの人を数多く見てきました。
この二つの採点基準にフォーカスして書いた記事がありますので、こちらをご参照ください。まずはここからです!!
語彙と文法の対策で注意点
語彙と文法を伸ばさなきゃ!と思うと、どうしても「難しい単語」「難しい文法」を無理に使うという方向に走ってしまいがちです。
しかし、これは効果がないばかりか、逆効果です。
とにかく難しい単語を使っておけばスコアがあがるほど、IELTSライティングは甘いものではありませんよ。
まずは持っている単語をしっかりと使えるようにしていくのが先決です。
数だけ増やすことを考えずにしっかり「使える」ことを意識して一歩ずつ積み上げていきましょう。
単語を「使える」ようになる方法についてはこちら
添削サービス
本番までに少なくとも1度は、何らかの形で、添削をしてもらう必要があるでしょう。
ただ、添削サービスを頼むだけで、ライティングのスキルが伸びていく、という期待はするべきではないです。
それについて詳しくこちらの記事に書いています。
添削サービスの選び方の基準も書いていますので参考になるかと思います!
IELTSライティングタスク2は怖くない
IELTSライティングのタスク2はエッセイを書くということで、とても心配する人が多いですが、この記事に書いたように対策をしていけば、決して難しいものではありません。
ただ、自己流で取り組んでしまうと、ちょっと変にこじらせてしまうことがあるので、注意が必要です。
私のIELTS7日間メール講座(無料)では、ライティングの独学方法について詳しく書いていますので、こちらもどうぞ。
「独学でIELTSの目標スコアを取る方法」では、IELTSを「独学で」勉強して結果を出す方法を具体的に解説しております。
独学のスタートにぜひどうぞ!