この記事は、このような悩みを持った人に読んでほしい内容になっています。
- リーディングはできるけどリスニングがなかなか上がらない
- IELTSを数か月勉強しているけど、リスニングの正解数が変わらない
- 何回受験しても、リスニングのスコアが同じ
つまり、IELTSリスニングの対策をある程度しているけど、効果がみられない、という悩みに対する解決策を書きます。
本記事の信頼性
私が今まで1,000人以上の日本人IELTS学習者を見てきた経験から、多くの人が思い込んでいる間違ったこと・間違った勉強法を挙げ、正しい方法について書いていきます。
目次
英語耳が無いから伸びないは、思い込み!
全部を聞き取ろうとしない
問題を解いた後で、スクリプトを見たら完全に理解できるし、正解もできる。でも、問題を解くとなると、不正解になってしまう。
このような相談をよく受けます。
これは、 「英語の聞き取り能力」というのが原因、というのももちろんあります。
しかし、英語の聞き取り能力というのは、50%くらいの原因で、あとの50%は、「すべてを聞き取ろうとしていること」というのがあります。
例えば、日本語のラジオで天気予報などを聞くときに、キャスターの挨拶やその他のいらない情報はあまり聞き取らず、自分の地方の天気だけが耳に入ってくる、あるいは聞き取ろうとする、ということを自然にやっているのではないでしょうか?
それと同じようなことをIELTSのリスニングでもやる必要があるのです。
Part 1などでは、たぶん、今すでにやっている箇所があると思います。それを他のPartでも、できるようにする、ということです。
ともかく、先読みをするときに、このようなことを少しでも感じておくことが先決です。
- 私はどんな情報を取ったら良いのだろう?
- どんなストーリーなのだろう?
先読みは日本語訳が完璧にできれば良い、というのではなく、「自分の言葉で説明できるくらいの状態」ということです。
そこまでの時間はない!と言われそうですが、これはリーディングの速読や要約と同じで、すぐにできるようになるものではありません。
そして、少しずつ伸びていくというより、「突然腑に落ちる」という感じのものなので(イメージとしては自転車に乗れるような感じ??)ある程度長期的な視点を持っていただく必要がありますが・・・。
あくまでも目標であり、このような状態になれるように、練習を重ねていく、ということです。
全体像を把握することが大事!
6.0や6.5くらいで伸び悩むという方は、詳細にフォーカスしすぎて全体像の把握が足りてないということが多いです。
先読みの際に、タイトルやサブタイトルの力も借りて、何となくのストーリーを描いておきましょう。
詳細にフォーカスしすぎると、全体像を見失ってしまい、「どんなストーリーなのか?」ということがわからなくなってしまいます。
詳細にフォーカスしすぎることによって、トラップに引っかかってしまうような問題もIELTSには多いのです。
わからない単語にまどわされすぎず、前後から推測したり無視するなどして、全体的な視点を失わないように。
語彙力がないから伸びないは、思い込み!
リスニングが苦手な理由の自己分析としては「語彙力がない」つまり「わからない単語が多すぎる」ということを挙げる人がだんぜん多いです!
しかし、もしリーディングなどは目標スコアが取れて、リスニングが伸び悩んでいるなら、わからない単語が原因ではないです。
もっと正確に言うと、わからない単語が「存在する」ことが原因ではなく、「わからない単語にとらわれすぎている」ことが原因なのです。
自分が「単語力がない」と常に考えていると、1つでもわからない単語が出てくると、脳が考えるのを放棄するような状態になる人が多いのです。
「わからない単語が多少あっても、全体の流れに乗っていればつかめる」という状態になれることを目指してください。
「単語スルースキル」と私は呼んでいますが、これも立派なスキルなので、意識して磨いてください。
先読みの時には、日本語の直訳ではなく全体的に意味が捉えられるように、ということを常に意識してください。
それができないと、単語の数だけ増やしてもあまり効果は得られないこともあります。
IELTS音源を使ったディクテーション・シャドーイングは、効果がない!
IELTS教材は難しすぎて効果がない
リスニングで苦しんでいる人の中には、IELTSリスニングの音源を使って、ディクテーションやシャドーイングをする、ということを一生懸命やっている人も多いです。
しかし、IELTSの音源は、ディクテーションやシャドーイングの教材としては難しすぎます!
難しすぎると、時間ばかりかかって、まったく効果が出ません!
ディクテーションやシャドーイングで難しい教材を使うことの弊害については、こちらに書いています。もちろん、お勧め教材も載せています!
要約の練習をする
日本の義務教育では「要約」の練習はほぼやらないので、日本人は往々にして「全体的な要旨を汲み取って、簡潔に説明する」ということが苦手です。
「要約をしてください」というと、だいたいの人が「日本語訳」になってしまいます。
つまりこれは、全体的な視点が足りていないのです。
普段のインプットの時から、ある程度のかたまりの音声を聞いて、最後に論旨を短くまとめる、という訓練もとても有効ですのでお試しください。
この際に、すべての文章の訳をするのではなく、あくまでも「全体の流れ」を追うために、ポイントだけをまとめていくのが大事です。
日本語訳をした文章をつなげていくのではなく、自分の言葉で要約しましょう。
教材は、IELTSの音源ではなく、レベルも高すぎず、量も多すぎないテキストを使って練習していくのがお勧めです。
リスニングの答え方を練習する必要がある
リスニングが苦手な人の中には、リスニング独特の一連の流れが苦手、という場合もあります。
それを克服するには、この流れのトレーニングをしなければいけません。
文章を読んで全体ストーリーを把握する&詳細を知り音声に備える。
↓
音声を聞き、必要な箇所を取り出す、必要な箇所だけ集中して聴きとる。
↓
その情報を当てはめて解答する。
しかし、IELTSの問題を使ってしまうと、他の要因(単語が専門的で難しい、音が速くて聞き取れなかったなど)が邪魔をして、純粋に上の流れの練習ができないというデメリットが大きいです!
なので、下記の記事の後半にあります「5Stepアクティブリーディング」のように、質問と音源がついているテキストを使って練習していくのがお勧めです。
このテキストは、受験用のテキストながらも、大人の英語学習にもとても使いやすいです。
IELTSリスニングが伸びない原因を見つけよう!
「なぜかリスニングだけ伸びません・・・」と相談してこられる人は、みなさん真面目に一生懸命に勉強をしています。リスニング対策にかなりの時間を費やしていることも多いです。
ただ、この記事で書いたように、間違った思い込みや間違った勉強法のまま続けると、ただ時間を食って疲労していくだけで、ぜんぜん結果が出ない・・・ということにもつながります。
伸びないなら、ご自分が持っている常識を疑ってみることも、たまには必要です。
そして、いつも言うことですが、問題を解いた後には、しっかり分析することが大事!
分析をして、原因がわかったら、それに適した対策をとっていきましょう。
IELTSリスニング対策をまとめた記事もありますので、ぜひあわせて読んでみてくださいね。
「独学でIELTSの目標スコアを取る方法」では、IELTSを「独学で」勉強して結果を出す方法を具体的に解説しております。
独学のスタートにぜひどうぞ!