私はカナダに15年住み、10年語学学校を経営しました。
その経験から断言しますが、話し慣れていない状態で「やっぱり英会話はネイティブよね」と考えるのは思考停止でしています。
ネイティブ講師から習うということは、あなたの英語学習にとって「害」になることもあり得ます。
この記事を読んで、ご自身に合った講師をしっかり選んでください。
いや、それどころか、「今の自分には本当に講師が必要なのか」というところから、疑問に思って、検討するようにしてください。
私自身は、「ネイティブじゃなくても良いんだ」ということが実感できてから、会話力が一気に上がりました!
ネイティブ呪縛にとらわれてることが原因でなかなか英語が伸びない人が多いですが、
非ネイティブとのコミュニケーションをぜひ試してみてほしいと思います。
この記事を書いた人
非ネイティブの講師とは?
私が日本人講師が良いと勧めている記事もあるのですが。
日本人に英語を習うのに抵抗があるって気持ちもわかります。
そういう人は、東南アジア、ヨーロッパ、南米、中東などの非ネイティブで英語がうまい講師にならうと良いでしょう。
この記事ではお金のメリットは提示していませんが、結果的にネイティブ講師よりリーズナブルなことが多いので(フィリピン英会話など)、そこもメリットではありますね。
「ネイティブじゃないとはいえ、やっぱり外国人じゃないか。そんな中途半端な講師に習うメリットはあるの?」という疑問もあるでしょう。
非ネイティブ講師(日本人も含め)に習うメリット、ネイティブ講師に習うデメリットを挙げていきます。
ネイティブじゃない講師に英語を習うメリット
「ネイティブにならなくても良い」と思える
大半の日本人の英語学習者が英語を伸ばせない大きな原因の1つは、
ネイティブみたいに話さなければ、英語をマスターしたと言えない、と思っているから。
口に出しては言わないけれど、無意識ではみんな、そう思っています。
しかし、ネイティブを目指してしまうと、自分の英語はいつまで経っても「良い」と判断できないですよね?
だって、すべての意味でネイティブのようになるには10年以上かかりますから・・・。
いや、10年かかっても、無理な人のほうが多い。そうすると、目標があいまいになって、害でしかない。
大人になってからスポーツや楽器を始めてプロを目指す人は居ないのに、なぜ英語だとネイティブを目指すのか??
でもネイティブ講師に習っていると「これを目指さないと」ってどうしても思ってしまうと思います。
講師の話し方と比べて自分の足りないところばかり目についてしまう。
対して、ネイティブじゃない講師に習うことで「これでも良いんだな」というマインドを 育てることができるのです。
客観的で、現実的な目標を立てることができます。本当に、これは大きいですよ。
ワーホリに行く時、カナダを選んだ理由は「英語がキレイだから」。でも実際に行ってみると移民だらけ。カナダはむしろ色々な訛りを学べる国だった。そんな国に15年住んで、ネイティブを目指すことの無意味さを痛感したことが、カナダを選んだ1番のメリットだったと今では感じている。
— Kumiko|英語学習を高速化する人 (@IELTS_expert) March 22, 2022
英語学習者の気持ちがわかる
日本人講師の良さは「これ英語で何ていう?」ということを聞けることだ、と言われてますが。
それよりも、非ネイティブ講師は「生徒の気持ちがわかる」ということのほうが大きいと思ってます。
- なぜつまづくのか
- なぜ発音ができないのか。
- なぜ理解できないのか
- どうやって対処したら良いか
- どうやって説明したらわかりやすいか
というようなことを考えてくれる非ネイティブ講師は多い。
落ち込んだ時に講師自身の苦労話を聞くだけでも救われることも・・・!
ほとんどのネイティブ講師は、自分自身の言葉(英語)を「勉強」したことが無いので、よほど勉強したことが無いと理論もわからないし、精神的なことになるともっとお手上げです。
話すの速すぎて聞き役になるリスク
ネイティブ講師は基本的に話すのが速く、英語の文化として
- 沈黙に耐えられない
- 相手の話にかぶせる
- 結論から知りたい
というのも相まって、フリートークのレッスンだと、生徒が「聞き役」になりがち。
特に「コミュニケーション苦手」とか「英語を話し慣れていない人」は完全に飲まれてしまいます。
「いや、ネイティブ英語の速さに慣れておくべきなのでは」とか「ネイティブとも会話できるようになるように今は耐えてがんばろう」的な反論もあるかもしれません。
しかし、ネイティブ英語の速さを聞き取れるようになるのは、自主トレーニングでやるべきです。
1時間やそこらの英会話レッスンで聞き取れるようにはならないし、「会話」レッスンなのに目的間違ってるし、効率悪すぎるし、お金の無駄です。
じゃあ、聞き取れるようになるには何をしたら良いか?ということを書いている記事です。
圧倒されづらい
あまり大きな声ではいえないけど、特に白人のネイティブだと、人種の違いで圧倒されることも・・・
やっぱり、日本人はつい100年前まで鎖国だった影響からなのか?どうしても白人の青い目だったり背が高かったり押し出しが強い人には、タジタジとしてしまう傾向にあります。
上の章にも通じますが、圧倒されて「聞き役」になるリスクが高まります。
特に慣れないうちは、アジア系の講師をやはりお勧めしたいです。
実は私が経営していた学校の英会話クラスでも、色々なバックグラウンドの講師を雇ったのですが、アジア系、特に韓国系や中国系の講師は、かなりの人気がありました。
みなさん、最初は「え・・・」とちょっと戸惑うのですが、実際に教えてもらうと、話しやすい!!ということで人気でした。
文化背景も似ていますし、話が通じやすいところも人気の理由だったようです。
まとめ
最初にも書いたのですが、私自身が「ネイティブじゃなくても良い」って思えたことから会話力がグーンと伸びた実感があるので、ぜひお勧めしたいです。
なんというか・・・白人のネイティブ講師と対峙していると
「あなたの言葉を私が変なふうにしゃべっちゃってごめんなさい」
「間違ってるよね?間違ってるよね?」
みたいな卑屈な気持ちになります。大げさにいうと・・・
でも、非ネイティブ講師だと、「人の言葉を借りている感」がなくなり、「人類みんなの英語だよね!」って思える。
これがすごく大きいと思います。
私はネイティブ講師そのものを否定するわけではなく、日本の英会話業界はどうしてもネイティブ礼賛になってしまうので、「思考停止にならないで、しっかり選んで!」と言いたいのです。
非ネイティブ講師や日本人講師のメリットやネイティブ講師のデメリットを知り、しっかりと考えて比較検討してから、誰に習うかを決めてほしいです。
特に、初心者~初中級者の人ですね。
中上級者になって、自分の意見をはっきり言えるようになってきたら、そこでやっと、ネイティブ講師の良さが引き出せるはず!
どうしてもネイティブに習いたい人は、まずはそこをゴールにしても良いかもしれませんね。
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受験で失敗したKumikoがその後、どのようにして翻訳者になり、さらに語学学校の経営をするまでになったのか。
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