IELTSスピーキングの試験や模試を受けて、まったく何にもしゃべれなくてボロボロだった…と衝撃を受ける人は多いですね。
他の技能よりも一番ショックが大きいと言えるかもしれません。
今まで見てきた中でも、「本番で試験官と見つめ合って終わりました」という方も居ました。
そんな人に向け、まずは全く話せなかった状態から、とりあえず5.0を目指す方法について書いていきます。
良いお知らせとして、IELTSのスピーキングは全ての技能の中で、一番スコアの付け方が甘いです。
とにかく何かをしゃべれば、それだけで5.0、そして理論立ててしゃべるだけで、6.0を取ることは、ペラペラではなくても可能です。
本記事の信頼性
明日香出版社より、スピーキング特化のIELTS英単語集を発売しています。
目次
すでに行った問題を、再度行う
これは初心者の方だけではなく、すべての人に試験直前まで対策として行ってほしいものです。
練習問題は、一度は本番形式で取り組みます。そして、その後が肝心です!というか、その後のほうが重要です。
問題一つひとつについて、もう一度取り組みましょう!
再度取り組むときのポイント
再度取り組む場合は、一つひとつ止まっても大丈夫です。例えば、最初の問題に何度もトライしてもOKです。
完璧ではなく自己ベストを目指しましょう
自己ベストを目指すというのは、和英辞典などを見て理想の答えを作るのではなく、1度質問を聞かれて答えた直後にもう一度同じ質問をされたとしたら、1度目より良い答えができますよね。
それを2回、3回と繰り返すと、今の自分の英語の実力のままで自己ベストな答えが出来上がると思うのですが、そのことを意味しています。
和英辞典で調べて答えを作ったものを暗記する、ということはしないでください。
その方法の弊害は、このようなことが挙げられます。
- 実際には本番で辞書は使うことはできないので、無意識でも「単語がわからないから話せない」というように考えてしまって流暢性を阻害する可能性があること
- 暗記したような文章はもし本番で話した場合には減点になってしまう可能性があること
- 「完璧を目指す」というメンタリティだとこれも流暢性を阻害する可能性があること
本番で同じような問題が出てきた場合に、上記に言ったような自己ベストに近い答えができるように、復習することによって一つひとつの問題をつぶしていってほしい、というイメージです。
模範解答と照らし合わせる
模範解答を使う時のポイント
これは劇薬?みたいなもので、これをやるときには必ずポイントを守ってください!
模範解答を暗記しようとしないこと!模範解答のように話さなきゃ、と思わないこと!
まず、暗記をすると逆に減点になります。これは本当です。
ちゃんと採点項目に「暗記した文章を話している」という減点項目がありますので
暗記していることがばれると減点になります。
そして、ほぼ100%、暗記したことはバレます。
私もスピーキングやライティングを採点していて、暗記したものは一発で見分けられるので、試験官は確実に見破れるでしょう。
そして、メンタルの話になりますが、日本人のスピーキング自己評価が低いのは、ネイティブを目指そうとするからなんです。
カナダに行って一番私が(英語面で)良かったと思うのが、「非ネイティブの人がめちゃくちゃな英語で意志を完璧に伝えている」というのを目の当たりにして、「これでいいのか!」と実感したからなんですね。
そして、そういった人たちはIELTSでも6.0以上を取れてしまう。
いまだにあまり国際的ではない日本国内では、そういった場面を見ることが少ないからか、「ネイティブの話す英語が、英語である」みたいな思い込みからなかなか離れられません。
でも・・・それが逆に足を引っ張ってしまうのです。
模範解答の具体的な活用法
英語というより、模範解答の「内容」を見てほしいです。
特に初心者の方は、とにかく「型」を参考にしてほしい。
結論→理由→具体例
英語の話し方は、この順番が基本で、たまに結論が繰り返されることもありますが、基本的にはしません。
これって、日本語の話し方『具体例→理由→結論』とはまったく逆ですよね。
このテンプレートに関しては、下記の記事で詳しく説明しています。
必ずしも模範解答がこのようにきちんと並んでいるわけではありませんが、じっくりと観察していると、日本語での発想の並び方とまったく違うことがわかると思います。
そして、内容も観察してください。「この質問にはこのように答えるのかー」という感じですね。
決して、暗記ではありませんよ?あくまでも、一つの案として参考にする、という意味です。
模範解答は、初心者の方にとっては「あーこんな難しい単語使えない!こんな表現出てこない!無理!」というように「英語」を参考にしたり、まして暗記したりするものではありません。
模範解答は、内容を「観察」する、「気づきを得る」というものだと考えてください!それだけで十分です。
程度によっては、スピーキングの練習は少しお休みする
自分でも、かなりひどいな。と思ったら、スピーキングの練習は一旦お休みするのも一つです。
これは、対策じゃないじゃないか!と思われるかもしれません・・・ですが、スピーキングは、アウトプットの1種です。
ライティングよりはやりやすいとは思うんですが、やはり、スピーキングは自分の英語力の集大成という面があります。
そんなスピーキングを初心者が取り組み、泣きそうになりながら必死で練習する・・・
というのは、例えば、スポーツをやり始めた初心者が、すぐに練習試合をする、ということに似ています。
良いんですけどね・・練習試合、確かに、ためになる面もありますよ。しかし、あまり効率が良くないと思いませんか?無理やり感があるというか。
それより、もう少しスキルを自分で着々と伸ばしてから、挑戦したほうが良いのでは?と思いませんか?
上で、「スピーキングは英語力の集大成」と申し上げましたが、そうつまり練習試合のようなものなのです。自分のスキルを試す場、試される場。
その中身となるものが無いと「集大成」にはならないですよね。
この場合は、語彙、文法、リスニング、リーディング、発音、そういったものですね。
そこがある程度無いと、スカスカなままではなかなかアウトプットするのは難しいのですよ。
少しIELTSからは逸れますが、私がいつも「週1回の英会話学校のみ」で英語を上達させようとするのには、絶対反対なように、
まずは自主練をする、少し中身が出来てきてからスピーキングに改めて取り組む、というのも遠回りに見えて、近道になることもあると私は思います。
単語の勉強とインプット
というわけで、いったんお休みして、練習試合の数をこなす代わりに、スキルの地道なアップを目指すという話でしたが、その具体的に何をすればいいのかを話していきます。
単語の勉強
まずはIELTSのリスニングとリーディングの対策をやりつつ、同時並行で、単語が足りないなーと思う方は、単語の勉強も別途取り入れてほしいです。
単語の勉強はいわば自主練の中でも一番地味な、素振りやらランニングやらに相当するかもしれません。
とにかく毎日行ってほしいです!
筋肉が使わないと衰えていくように、単語も毎日やらないと絶対に忘れます。
1回覚えた単語をすぐ忘れちゃうんです!という愚痴を聞きますが、1回覚えただけで定着するなんて、自分にどれだけ期待をしているんですか、という感じです。
1回覚えてそれを使いこなせるようになるなんて、1%の天才ですからね。
- 毎日覚えて、グループに区切って反復して覚える。
- 例文ごと暗記して、暗唱もする。
- 自分で例文を作ってみて、間違えて、修正する。
そうやって初めて、ちゃんとその単語が使いこなせるようになるのですよ。
ちなみに、この場合の単語は難しい単語を指しておらず、目安でいえばTOEIC700くらいの語彙でしょうか。
でも、TOEICはリスニングとリーディングしかない(スピーキングやライティングの試験もあるにはありますが)のと選択式なのでスコアと本当の語彙力は一致しないのですが、
TOEIC700レベルの単語を「使いこなせる」ようになるだけでIELTSスピーキングでは良い線行きます。
覚えるだけでなく「使いこなせる」が重要!
すべてのIELTS学習者にまず覚えてほしい、必須の単語集を作りました。
こちらの無料メール講座にご登録された方に差し上げています!IELTS対策の入門として、ぜひどうぞ。
インプット
またインプットですが、これは私がいつも言う、多読・多聴です。
少し時間はかかるものの、スピーキングには(というか、英語のすべてのスキルには)一番、これが効きます。
ただ、あんまり「これ試験に役立つかな」とかを考えないようにしてください。
とにかく楽しんで自分の好きなものを観たり聞いたり。時々、気づきを得ることができればそれで良いと思います。
こちらの動画では、多読の効果について解説しています。
リーディングだけでなく、スピーキングやリスニングにも効果があるので、ぜひ参考にしてください。
定番のテーマ、言い回しについて考えておく
IELTSスピーキングで出される問題は、ある程度、パターン化しています。
それもそうですよね、何年も歴史のある試験であり、年に数十回実施している試験ですから・・・。
時事問題などは出ませんし、政治・国籍・宗教・人種・性別・職業のかかわりなく、ある意味、万人に当てはまるというか万人が答えられる質問でなければならない。
そんな縛りのある中で良く出されるのが、趣味の質問です。
好きな映画・ドラマ・TV番組・本・音楽・ウェブサイト・・・といった感じですね。
最低でも、上記に挙げたもので、自分の好きなものについて英語で一通り語れるようにしておいてください。
ポイントは、「台本を作ったものを覚える」のではなく、ポイントポイントで使う単語や言い回しなどをおさえておき、時々言ってみる、ということです。
- なぜ好きなのか
- どのような経緯で好きになったのか
- どれくらいの頻度で観る(聞く、etc)のか
Part 2にも対応できるように、だいたい2分くらい話せるような内容を考えておきましょう。もちろん、本当に好きなものでなくても、英語で話しやすいものを考えても良いです。
他に定番のテーマといえば、「人・物・場所」です。
初心者の方は、とりあえずこの3つについて、一つずつ思い浮かべて、それらについてある程度話せるようにしておきましょう。
例えば、
- 人なら、母について話そう。
- 物なら、昔おじさんにもらった腕時計について話そう。
- 場所なら、ハワイについて話そう。
なるべく本当に行ったエピソードがあると良いですね。
本番でそういったエピソードを思い付くのは至難の業なので、本番の前に必ずネタを仕込んでおきましょう。
これでけっこう明暗が分かれます。
再度挑戦!本番形式→復習、模範解答のサイクルを続ける
これは、今まで書いてきた学習を終えたのが前提です。
ただし単語やインプットに関しては終わりがないので、見極めが難しいですが、目安のひとつとしては、リスニングやリーディングで、目標スコアに近いスコア(0.5足りないくらい)が時々取れるようになってきたくらいです。
IELTSのリスニングやリーディングも難しいので、ベースとなる英語力がないとなかなかスコアを取ることができません。
ですので、一つの基準となるかと思います。
そして、再度、問題に挑戦します!
もし「やはり難しい」となった場合は、戻って様子見でも良いですし、もし、問題に挑戦し続けるとしても、やりっぱなしにせず必ず復習をしていくようにしてください。
リスニング、リーディング、ライティングの初心者対策
その他の技能の初心者対策も、それぞれ記事を書いていますので、下記をご参照ください!
リスニング
リーディング
ライティング
「独学でIELTSの目標スコアを取る方法」では、IELTSを「独学で」勉強して結果を出す方法を具体的に解説しております。
独学のスタートにぜひどうぞ!