IELTSスピーキングでは、4つの採点基準(評価基準)の中に
文法の幅と正確さ
というものがあります。
日本人のIELTS学習者は、このうちの後半の「正確さ」つまり「間違えないこと」に重きを置く傾向にあります。
しかし、完璧に間違いなく話すのは、そもそも無理ですし、必要ありません。
それよりも、ネイティブスピーカーなら、こんなしゃべり方をする、という特徴、つまり「自然な話し方」をこころがけていくことが重要です。
しかし「自然な話し方」というのは抽象的ですね。
この記事では、本当にシンプルな、でも効果絶大の3つの方法を具体的に、レベル別に書きますね!
複雑な文法を使いましょう、ということではないので、今日から誰でも実行できます。
初級、中級、上級と3レベルに分けているのですが、これは「スコア〇だから中級」とかそういうことではなく、初級が出来てから中級、というように順番に進めていってほしい、という意味です。
私は、カナダで語学学校を創設し、10年間経営。カナダで初めて、日本人特化のIELTSコースを創設し、以来、1,000人以上の日本人に、対面・オンライン・通信講座を通してIELTSを指導してきました。IELTSスピーキングの本を2023年秋に出版予定。IELTS公式運営機関であるIDP Educationのセミナー講師でもあります。
目次
IELTSスピーキング文法初級編:主語を人にする
まずは、主語を人にする、ということを意識してみましょう。
人、というのは、I/he/she/they/we とか、人の名前(Mike, Kathy)などです。
主語を人にする、というのはつまり、基本的に文章の「始まり」を「人」にする、という意味ですね。
主語+動作動詞 の(受身とかではなく)シンプルなしゃべり方をする
ということです。
日本語につられて、モノや抽象的なことを主語にしてしまうと、こんがらがってしまい、難しい言葉や、受身やら副詞やらが登場してきてどうしてもつまってしまいます。
たとえば、
規制が特別に確立しなければならない。
ということを言いたいとすると、「が」がついている前の「規制」を主語にして
A regulation…
と始めます。
でも、「特別に」はどうする?
specially?
especially?
exceptionally?
そして、文字とおり「確立しなければならない」を英語にすると
A regulation should establish.
となってしまいますが、これだと「規制が自分で確立する」とおかしな意味になってしまうため、受身にして
A regulation should be established.
とするのが正しいのですが、受身って、スピーキングでとっさに出てこない場合が多いので、つまってしまうんです。さらに上にあるようなspecially とかいう副詞をつけるとなると、
自分でも何を言っているのやら!
そしてもちろん試験官にも通じない!
という英語になってしまいます。
なので、人を主語にする ということを考えます。
we, you, they といった、抽象的な主語はとても便利です。たとえば今回の例でも、weを主語にしてみましょう。
We should establish a special regulation.
すっごい、シンプルだと思いませんか?「特別に」というのを「特別な」と考えて形容詞にしているのにも注目!英語は形容詞のほうが副詞よりも多いので、形容詞を使うほうが絶対にラクなんですよ。
ライティング添削のコメントで
「be able to は、人が主語の時に使います」と書いていて、これは典型的な日本語の文章だな…と思った💦
この文章を直で英語にすると
be able to is… って始めちゃうから、そら行き詰まるわな💦
— Kumiko@英語スパルタ校長 (@IELTS_expert) January 23, 2021
多くの人が、難しいしゃべり方をしないとスコアが取れないと思っているのですが、間違ってしまったり、つまりが多いほうがずっと減点対象になります。
まずはシンプルに、
人を主語にする
主語+動作動詞 の(受身とかではなく)シンプルなしゃべり方をする
っていうのを心がけて練習してみましょう!!
IELTSスピーキング文法中級編:代名詞を使う

初級編の「人を主語にする」がだいたい実践できるようになってきたら、
代名詞を使う
というのを意識し始めてみましょう。
代名詞を使っていない例です。
…. I entered university. After I entered university, I did ….
・・・大学に入りました。大学に入った後、私は・・・
下線のところがかぶっているのがわかりますか?
これを下記のように変えます。
… I entered university. After that, I did…
・・・大学に入りました。その後、私は・・・
他の例です。
I go to school every day. I go to school everyday by train.
私は学校に毎日行っています。私は電車で学校に毎日行っています。
これを下記のように変えます。
I go to school every day. I use train to go there.
というように変える。
文字にするとわかるけど・・・
と思うかもしれません。実際、これはスピーキングになると多くなる間違いなんですよねー。
解決方法は、
代名詞を使うようにしよう!
と決心することです。意識しないことには何も変わりませんから。
代名詞については、こちらの記事もご参照ください。

IELTSスピーキング文法上級編:文章を長くする
初級編の「人を主語にする」、中級編の「代名詞を使う」が出来るようになってきたら、上級編です。
接続詞を使う
接続詞を使って文章を少し長くしていきましょう。
長くといっても、やみくもに長くするわけではなく、接続詞を使って、節と節をつなげる「2文節」で構成する文章が理想的です。
1文章ずつぶつ切りになっている方は、まずは接続詞を意識して使ってみましょう。
接続詞の基本としては
- and
- but
- if
- because
の4つですね。
ここで注意してほしいのが、接続詞と接続副詞を混同してしまうことです。混同している人はとても多いです!下記の記事で詳しく説明していますので、ご一読ください。
but=でも
however=しかしながら
というように、「丁寧とカジュアルの違い?」と勘違いしている人は多いです!!

ちなみに、このように2文節で文章を作るのは、ライティングでも同じなので、接続詞と接続副詞についてはしっかりと理解し、慣れておきましょう。
関係代名詞を使う
関係代名詞(who, which, that など)を使った文章は、情報を効率的に伝えることができます。
例えば、「This is the book that I bought yesterday.」のように、関係代名詞を使って2つの文章を1つにまとめることができます。
関係代名詞を用いた文章の練習を行い、スムーズに情報を伝えられるようにしましょう。
分詞構文を使う
分詞構文は、現在分詞(-ing 形)や過去分詞(-ed 形、不規則動詞の第三形)を使って、文章を短縮し、情報を効率的に伝えることができます。
例えば、「Feeling tired, I decided to take a break.」のように、分詞構文を使って文章を簡潔に表現できます。
分詞構文を習得することで、自然な英語表現が可能になります。
どうやったらできるようになるのか?
自己評価をする
上記に書いた3ステップを実行するには、まず頭の中で強く意識する必要があります。
ノートなどに書いておいて、スピーキングの練習の前に読み返すのも良いですね。
また、録音したものを自分で分析する際にも、この3つが出来ているか?というのをチェックリストのように使ってみてください。
録音したものを分析する方法はこちらの記事↓

フィードバックを受ける
IELTSのスピーキングの採点基準についてよく知っている日本人講師にフィードバックや学習アドバイスを受けることが有効になります。
頻度は高くなくても良く、2週に1度くらいでOKです。

まとめ:IELTSスピーキングで文法力をアップする方法
IELTSスピーキングでの文法力を向上させるためには、レベルに応じて3ステップで確実に改善していきましょう。
また、自己評価や専門家のフィードバックを活用して改善に努めましょう。
継続的な学習と努力により、IELTSスピーキングで高い文法スコアを獲得することが可能です。
文法以外の対策については、下記の記事を参考にしてくださいね!


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