IELTSのリスニングでスコアを取れない原因は、本当に様々です。
一概に「英語耳が無いから聞き取れない」「イギリス英語のせいだ」と言うことはできません。
これら7つの原因が考えられます。
- ボキャブラリーが足りない
- 構文・文法力が足りない
- 速読のテクニックを知らない
- 英語耳を持っていない
- IELTSの試験形式に慣れていない
- 背景知識が足りない、英語圏の文化に慣れていない
- 集中力がない
この記事では、症状別の特徴と対処方法を説明します。
本記事の信頼性
リスニングが伸びない原因をつきとめて対策をすることで、効率的なスコアアップにつながります。
目次
① ボキャブラリー(語彙・単語力)が足りない
症状
- 質問文(音声本文ではなく)1つにつき絶対に1つ以上わからない単語がある。
- 答え合わせをしてみたら、答えになっている単語そのものが「知らない単語」であることが多い。
対処法:単語力を伸ばす
まず単語力を伸ばすこと。単語力は絶対に必要です!!!
ですが、何でもかんでも、「単語を知らないせいだ」と思うのは危険です。リーディング・リスニングは単語以外のことが原因となっていることもとっても多いんです。
他の原因についても、これから説明する内容を、しっかり分析をしてくださいね。
単語を伸ばす勉強法については、こちらを参考にしてください。
② 構文・文法力が足りない
症状
- IELTSの質問文(本文ではありません)を見たとき、単語はわかるけど、全体の文章になると、混乱してしまう。または、質問文の意味をとるのにすごく時間がかかってしまう。
- Section 1だけでなく全体で、空欄穴埋め形式の問題で、とんちんかんな単語を入れることが多い(たとえば、人の名前が正解なのに数字を入れたり)
対処法:IELTSで使う英文法を学ぶ
文法力が無いと、いつまでも「なんとなく」で終わってしまい、IELTSで、なぜかいつもリスニングだけがスコアが落ち込む、ということになってしまいます。
少し複雑な文章になると、分詞の知識が重要になってきます。
また、IELTS頻出の空欄穴埋め形式の問題については、文法形式だけで、入る単語を何となく予想できなければいけません。
例えば、a small number of ______. という空欄に数字を入れてしまった方がいましたが、of の後は名詞もしくは形容詞+名詞しか来ない、ということを知っていれば、そういう間違いはないはずです。(数字は形容詞なので)
まぁ、a small number of は「少ない~」という意味なので、意味的にもおかしいのですが。
特に、これらのIELTSに出てくる文法だけを狙いうちで勉強してください。
- 品詞(名詞/形容詞/動詞)
- 文型(SVOなど)
- 関係代名詞
- 分詞
- 受動態
決して、文法書を端から端までやろうとしないこと。
IELTS英文法に特化した勉強法については、こちらを参考にしてください。
③ 速読のテクニックを知らない(英文の処理が遅い)
症状
- 上に書いてあるような文法・構文は知っているし、スクリプトを見ながら時間をかければ訳を正確に取ることができる。でも音声を聞いて選ぶのはできず、いつのまにか音声が過ぎていってしまう。
- 音声が流れる前の準備時間(20~30秒)ではとてもじゃないけど半分も読めない。
対処法:情報を取る
なぜリスニングなのに速読のテクニック?と思われるかもしれませんが、IELTSのリスニングは、リーディングの試験でもあります。
その理由は、音声が流れる前に勝負がついてしまうからです。
音声は一度しか流れないし、音声が流れた後には考える時間は与えられません。
つまり、音声を聞きながら答えを書いていくんですが、音声を聞きながら長い文章を読むのはほぼ不可能ということ。
そう、音声が流れる前の準備時間(20~30秒)で、どれだけ読むことができるかがリスニング攻略のカギを握るわけです。
※音声が流れる前の準備時間とは、「You have some time to look at questions 1-6.」みたいな感じでアナウンスが流れた直後の空白時間のことです。
そして、リスニングは時間が勝負なので、読まないでいいところは、少しでも読まない努力をしなくてはいけません。
その意味では、「読む」と考えるのではなく、「情報を取る」と考えてください。
アナウンスでも、”read”ではなく、”look at”と言っていますからね!
音声が流れる前の準備時間(20~30秒)でやること6つ
- タイトル、サブタイトルから情報を取る
- 箇条書きになっていたら、箇条書きのタイトルから情報を取る
- 1,2から、全体の流れ(ストーリー)をなんとなくでもいいから把握する
- 【質問&選択肢問題の場合】質問文だけでもしっかり読む。理想は選択肢も読む
- 【空欄穴埋め問題の場合】空欄の前後をしっかり読む。空欄にどのような単語(品詞、人物なのかモノなのか)がくるのかを予測
- さらに理想はその後、「言い換え表現」について考えておくこと。例えば、「employ」という言葉があったら、音声ではemployではなくhireと言われるかもしれない。と身構えておくことです。
理想は1~6まですべてできれば完璧!音声が流れる前に、勝ったも同然です。
全部は無理でも、理想に近づけるよう、1~6の順番で出来る限りの準備ができるようトレーニングしてください。
④ 英語耳を持っていないから聞き取れない
症状
- スクリプトを見れば「ああ、こう言っていたのか」とわかるが、IELTSリスニングの音声では聞き取れない。
- 知っているはずの単語でも音声だけで言われると聞き取れない。
対処法:ディクテーションとシャドーイング
ひたすら英語の音に慣れる必要がありますが、ふつうに英語を漫然と聞くだけだと、時間がかかってしまいます。そこで時間を早回しする方法があります。
それは、ディクテーションとシャドーイングです!
ディクテーションは、日本語でいうと「書き取り」です。英語音声を聞いて、聞こえてきたものを一言一句書き取っていくわけです。ど根性!体育会系!の世界です。
ディクテーションの効果ややり方については下のページも参考にしてみてください。
シャドーイング(音読)とは、その言葉のとおり、お手本の英語をまるで影のように追いかけるスピーキング練習法です。
つまり、聞いた英語をそのまま聞こえたとおりに口に出して真似するのです!(気持ちとしては0.5秒遅れでついていく感じ)
もちろん、リズムやイントネーションもできるだけ合わせます。
慣れてないうちはスピードについていくのも難しいかもしれませんが、大切なのは毎日こつこつ続けること。続けていくうちに、発音もネイティブのものに近づいていくという嬉しい副効果もあります。
ぜひ、こちらを読んでからシャドーイングに取り組んでください。
⑤ IELTSの試験形式に慣れていない
症状
- 最初の準備時間に、どこを読めば良いかわからずボーっとしてしまう
- 答え合わせしたら、空欄にとんちんかんな言葉を入れてしまっていることがよくあるが、音声が何を言っているかはだいたい把握できていた(この場合は、「速読テクニック」「構文・文法力」の章もご参照ください)
- ネイティブとの会話やドラマ・映画などの聞き取りには自信があるのに、IELTSは正答数が低い(この場合は他の理由も疑ってみること)
対処法:公式問題集を解いて分析する
公式問題集を必ず試験までにやってください。
解いて終わりにせず、必ず見直して、「どうして間違ったのか?」「2回目に間違わないようにするにはどうすればいいか?」を考えてください。
2回、3回と繰り返し聞いて、答えられたらOK!として見直さない。
上のようなことをやらず、必ず分析をやってください!
特に「どうして間違ったのか?」ということについては、原因が具体的になるまで「なぜ?」「なぜ?」と深掘りしていきます。
⑥ 背景知識が足りない、英語圏の文化に慣れていない
症状
- flat, lift, poundなどのイギリス特有の言い回しがわからない。
- お金や面積、サイズの単位など(square feet, pound, acreなど)がわからない。
- どうしてそういう話の展開になるのか、時間をかけて考えてもわからない。
対処法:海外ドラマを見る
ちょっと対処に時間がかかってしまうと思いますが、海外ドラマや映画、洋書などをとにかくたくさん観たり読んだりすること。
海外に住むのもアリですが、現実的じゃない人も多いと思うので。
ここでのコツは、焦らないこと!
結果をすぐに求めないでください!1ヶ月~3ヵ月くらいのスパンで考えましょう。
IELTSのほかの勉強に疲れたら海外ドラマ観ようかな・・・くらいの軽い気持ちでやってください。好きなものを選ぶのが大事です!
IELTSでスコアを取ったら、海外に留学する人も多いはず。英語圏の文化を知っておくことは、IELTSだけじゃなく将来的にも絶対に役立ちます!
⑥ 集中力がない
症状
リスニングの音声を聞いていると、途中から他のことを考えている。気づいたら音声が先のほうまで行ってしまっている。わからないなーと感じた瞬間からストーリーの流れを失ってしまう。
対処法:集中力を持続する方法を学ぶ
集中力を持続する方法は、色々とあります。
- 1つのことをやる(シングルタスク)をまずは5分続けてみる→10分→15分と長くしていく。
- 休憩時間をしっかり分けて取る(たとえば、食べながら、飲みながら勉強をしない)
- 難しいことと簡単なことを交互にする(リーディングをやった後はリスニングなど、自分の得意なものと苦手なものの組み合わせ)
- 自分のサイクルを把握し、それに応じて計画をたてる(例えば朝型の人は朝にいちばん大変なことをやる、など)
試験本番では3時間ほど集中力を持続させないといけないので、勉強しているときから少しずつ集中力も意識して鍛えていきたいですね!
原因を改善するとIELTSリスニングは伸びる!
リスニングが伸びない理由を「イギリス英語がだめ!」「スピードが速いから聞き取れない」からと、ハナから決めつけてはいけません。
まずは、IELTSの公式問題集を使い、リスニングを1セット解き、答え合わせをしてスクリプトを参照に、間違った問題を「なぜ間違ったのか?」という視点で振り返ってみてください。
そして、今回説明したような伸びない原因を突き止めましょう。
- ボキャブラリー(語彙・単語力)が足りない
- 構文・文法力が足りない
- 速読のテクニックを知らない(英文の処理が遅い)
- 英語耳を持っていない(英語の音に慣れていない)
- IELTSの試験形式に慣れていない
- 背景知識が足りない、英語圏の文化に慣れていない
- 集中力がない
もちろん、2つ以上の原因が合わさっていることもあります。
じっくり見極めて、見当違いの勉強をしないように気をつけてくださいね。
IELTSリスニングの対策をまとめた記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
「独学でIELTSの目標スコアを取る方法」では、IELTSを「独学で」勉強して結果を出す方法を具体的に解説しております。
独学のスタートにぜひどうぞ!