IELTSのスピーキングは、実はIELTSの4技能の中でも、スコアが取りやすいです。
特に、目標スコアが6.0の場合、あなたがやることは、2つだけ!
- きちんと質問を理解して
- きちんと答える
難しい単語や文法を使う必要はありません。
というか、とりあえず、今の段階では文法や単語や発音のことを考えないでください。
「いや、『きちんと』って何?」と思う人も多いと思いますので、この記事で具体的に説明していきたいと思います。
今のスコアがだいたい5.0くらいの人を対象にしていますので、もし完全な初心者だったり、「何もしゃべれなかった・・・」という人は、下の記事↓をまず読んでください。
本記事の信頼性
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目次
質問をきちんと理解する
質問が聞き取れない場合、聞き返ししてもOK
IELTSスピーキングの試験では、「質問が理解できるかどうか」というのも採点ポイントに含まれています。
このように言うと、「質問がわからなかった時でも聞き返してはいけない」と、わからないまま答えようとする人も多いです。
IELTSスピーキングでは、聞き返すことで減点になるのではなく、わからないまま答えることが減点につながります
だから、「わからなかったら、堂々と聞き返す!」そういう意識に切り替えていく必要があります。
それはなぜか、ということを次の章で書きます。
ハイコンテクストの日本語、ローコンテクストの英語
日本とアメリカを比べたりするときなどに「ハイコンテクスト、ローコンテクスト」という言葉が使われたりします。
ハイコンテクストの言語というのは、言葉以外に色々なニュアンスやシグナルを人々が共有しており、言葉にしなくても伝わることが多いような言語です。
代表的な言語は、日本語です。暗黙の了解というのが日本ではとても多いことは、よく知られていますよね。
ローコンテクストの言語というのは、その反対で、いちいち言葉にしなければ伝わらず、誤解を防ぐために細部まで言葉で明確にしておく、という言葉です。
代表的なものが英語ですね。英語圏では移民など、英語が母国語ではない人が多数住んでいる、ということもかなり影響しているでしょう。
ハイコンテクスト → 日本語
言葉にしなくても伝わることが多い
ローコンテクスト → 英語
言葉にしなければ伝わらないことが多い
日本語を母国語として育った私たちは、全然意識していないかもしれませんが、実は「言葉にしなくても伝わっている」ことがとても多いのです。
いや、むしろ、「言葉にしないほうがコミュニケーションがうまくいく」というシチュエーションもあったりする。
「わからなかったらしっかり聞き返して理解に努めましょう」と言われると、当たり前と思うかもしれませんが、実際には、日本では、理解できなくても受け流したり、何となくニュアンスで受け答えしている場面がとても多いのです。
「今おっしゃったことがよく理解できなかったのですが、○○で△△ということでしょうか?」
とはっきり聞き返すのは、なんとなく失礼だから躊躇してしまう・・・という気持ちはないでしょうか。
そうなると、ローコンテクストで、いちいち言葉にしないといけない英語に直面すると、苦労します。
「わからなかったら聞き返すっていうのは減点になる、失礼になる」と考えるということ自体、すでにハイコンテクストの言語の発想なわけです。
英語を話す場面では、ご自分で思うよりも、しっかりと口に出して「聞き返す」ことが重要です。
下記の記事↓でも書いているように、普段の英語を話す時から意識してほしいです。
もちろん、IELTSのスピーキングも、日常で使う英会話力を試すので、この項目は非常に重要です。
聞き返しの表現
というわけで、IELTSスピーキングで6.0を目指す人がまず第一にしてほしいことが、この2つです。
- 聞き返してもOK!という意識を持つこと
- 聞き返す時の表現を覚えて、使えるようにしておくこと
前者については、上の章で説明しましたので、今日から実践してください。
後者も、本番までに必ず用意をしておいてください。
聞き返し表現の例
聞き返し表現は、たくさんありますが、IELTSスピーキングで使える、厳選した表現3つをお教えします。
聞き返し表現は下の章で説明するように完璧に使えるようになってほしいのですが、完璧にしようと思ったら、たくさんの数は無理ですし、たくさん覚える必要もありません。
①ちょっと聞き返したい場合
I’m sorry?
えっ、なんですか
②2度目に聞き返したい場合
I didn’t really understand the question. Could you say that one more time?
質問が理解できませんでした。もう一度言ってもらえますか?
1度目は軽くでも良いのですが、2度目はしっかりとした文章で聞き返しましょう。
③2回聞いてもわからなかった場合
Ok, I didn’t quite understand what you said, but I guess…
えっと、あなたの言ったことがあまりわからなかったのですが、でも・・・
この後に、「何となく推測で」こういうことが聞きたいのかな?ということに対する答えを言いましょう。
普段の英会話であれば、推測で答えずにわかるまで聞き返すことも必要ですが、IELTSの試験では3回以上聞き返すことは避けておきましょう。
使えるようにしておくことが大事
ここでのポイントは、必ず「使えるようにしておくこと」です。
知っているくらいじゃ絶対にダメです。「ちょっと考えれば、出てくる」くらいでも足りません。
「何も考えずに、聞き返したいときは口から自動的にスラっと出てくる、くらいのレベルにしておきましょう。
そのためには、練習あるのみです。
といっても、別にオンライン英会話とか、やる必要はありませんよ。自宅で一人で、実際に口を動かしてブツブツとつぶやきましょう。
もし状況が許されるなら、スピーキングの本番試験を想定して、大声でも練習してみる。口の筋肉のトレーニングなので、別に相手は必要ないですよ。
もしオンライン英会話を使いたいなら、披露の場と考え、「最近、聞き返しができるようになったんだけど、ちょっとやってみるからフィードバックをくれない?」と言って、聞いてもらいましょう。
オンライン英会話の利用法については下記も参照↓
さて、聞き返して理解することができたら、「きちんと答える」ことが必要になってきますが、これについて書いていきます。
きちんと質問に答える
文法を正しくする必要はない
ここで誤解のないように、クリアにしておきたいのが、「きちんと質問に答える」というのは、決して、正しい英語を使って答える、という意味ではありません!
IELTSスピーキングは「面接」のような雰囲気になるので(というか面接形式なので)、受験の面接や就職の面接を思い出してしまう人も多いと思います。
そうすると、大多数の日本人が「間違ってはいけない」という発想になります。
しかし断言しますが、これは逆効果です!
「間違えないようにしなきゃ」と無意識にでも意識的にも思うだけで、うまく行かなくなります。
特にこのレベルの人は、どうなるかというと、
- 文法を考えながら話すため、空白が多くなる
- 間違って言ってしまったものを、訂正する
という行動になり、「流暢性」のポイントが低くなってしまいます。
IELTSスピーキングで6.5くらいまでは、とにかく「流暢性・首尾一貫性」という採点基準を何よりも重要視して対策してほしいので、これは避けましょう。
きちんと答える = 的外れな回答をしない
ここで言う「きちんと答える」というのは、「的外れな回答をしない」という意味です。
たとえ文法・発音が悪くても、きちんと噛み合った受け答えをするだけで、コミュニケーションは取れる。つまり、IELTSで6.0が取れるのです。
これに関しては、こちらの記事で、詳しくお話ししています。
IELTSスピーキングで6.5以上を目指していくには
IELTSスピーキングでは、スコア6.5までは「賢そうに見えること」をアピールするより、「ふつうにコミュニケーションが取れること」が重視されます。
つまり、わからなかったら聞き返し、質問の意図に沿った回答をする、ということが大事なのです。
そして、その回答は、できるだけ「詰まり」や「空白」がないほうが良いです。
6.5以上を目指している場合は、今回の記事で書いたことと合わせて実践していってみてください。
スピーキングの対策をどのように進めていくか、全体像がわかる記事はこちらになります。
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