IELTSリーディングは、得意な人と苦手な人がはっきりと分かれる技能です。
得意な人は、受験英語などを今まで勉強してきた人が多く、TOEICなども高得点だったりします。
反して、リーディングが苦手な人は、こじらせて、半年や1年経ってもなかなかスコアが上がらないこともあります。
この記事では、今までに1,000人以上の日本人にIELTSを指導してきた私が、IELTSリーディングの対策をまとめています。
- リーディング対策を今から始める方
- リーディングに苦手意識がある方
- 目標スコアにもう少しなのになかなか達成できない方
このような人は、この記事を読むと、IELTSリーディングの悩みを解決できます!
本記事の信頼性
一つ一つ丁寧に説明してるため、ブックマークをしておいて、じっくり読むことをお勧めします。
目次
IELTSリーディングテストとは
IELTSリーディングは、全体で60分間で、40問を解答する形式となっており、バンドスコアは0〜9.0まで、正答数に基づいて計算されます。
アカデミック版とジェネラル版の二種類が存在し、それぞれの試験では読解対象のパッセージや問題の形式が変わります。
アカデミック
論文やレポートなど、より学術的な内容が含まれている。
ジェネラル
広告、手紙、説明書など、日常生活で出会う可能性のあるテキストが中心となります。
問われる能力は、
- 内容理解
- 主旨把握
- 著者の意図理解
など、深い読解力が要求されます。
さらに、あらゆる文化背景からの情報に対応できる柔軟さも求められます。
IELTSリーディング対策の大枠
IELTSリーディング対策の柱になる、8つの対策を、この章で簡単に紹介します。
次章から、それぞれの項目について詳しく説明する流れです。
① 単語力
リーディングだけでなく、IELTS全般に言えることですが、やはり単語力はかなり重要です。
特にスコア6.0くらいまでは、とにかくあなたには単語力が足りないんだ、と思ってください。まずは、日常的に英単語を覚える習慣をつけましょう・・・!!
② スキャニングとスキミング
スキャニングとスキミングは、IELTSリーディングで必須のテクニックです。
スキャニング
特定の情報を素早く見つけるテクニック
スキミング
文章の大まかな内容を速やかに把握するテクニック
③ 問題文の読解力
IELTSリーディングでは、問題文(設問文)の理解が、とても重要です!
本文はすべて読まなくても良いけど、問題文は何度も返って読んでも良いくらい、しっかりと理解する必要があります。
④ 答えを見つけるスキル
問題文のキーワードに着目し、パッセージ内でキーワードに関連する箇所を探すことで、答えを見つけやすくなります。
また、記事全体の流れや構造を理解することも、答えを見つける上で役立ちます。
⑤ 公式問題集を解く&復習分析
IELTSリーディング対策の根幹となるのが、公式問題集(ケンブリッジ公式過去問)を解くことです。
時間を計測しながら公式問題集を解き、解答後に間違えた問題を復習・分析します。その結果にもとづいて対策を立てることで、スキル向上につながります。
⑥ タイムマネジメント
「時間さえ、無限にあればちゃんと解けるのに・・・」と思っている人は多いはず。
どのように制限時間に取り組むのかについて解説しています。
⑦ セブンステップ法
①〜⑥までの内容を踏まえ、どのようなステップを踏んでリーディング問題を解いていったら良いのか、という「問題の解き方」を解説します。
名付けてセブンステップ法!体系的な解き方が分かります。
⑧ 本番試験前の準備
本試験前はどのような準備をしたら良いのか、緊張を和らげるにはどうするか?ということが、わりと大きくスコアを左右します。
では、次章からは、この章で簡単に説明したリーディングの各対策について、詳しく説明していきます。
① 単語力を鍛える
リーディングだけでなく、IELTS全般に言えることなのですが、高得点を狙うためには、単語力の向上が欠かせません。
何度も反復する
単語に限らず、暗記モノはやはり何度も反復することが必要です。
よく「単語が覚えられない・・・」という嘆きを聞きますが、そういう人は、たいてい反復をしていません。
1度覚えたものを再度見たときに覚えていないので、ショックを受けています。
1度覚えたくらいではすぐに忘れるのは当然なので、それを前提とした単語の覚え方をする必要があります。
英単語アプリを使う
英単語アプリを利用することで、効率的に単語を覚えることができます。
私は、単語はノート派だったのですが、最近は「アプリは使わない手はないな」という考えになってきています。
スマホは現代人の生活にとって欠かせないものになっているため、スマホで英語学習を進めるというのは理にかなっています。
しかも最近の単語アプリはすごくて、読み上げ機能もあり、紙の単語種を使うより便利なんですよね。
暗記カードを作って、効率的に英単語を暗記したいけど、そもそも作るのがめんどくさい人は、WordHolicを使うといいです。手書きよりサクサク作れます。音声読み上げの単語アプリは色々あるけど、個人的には1番簡単に作れるんじゃないかと思います。
さらに手間を高速化したい人は、… pic.twitter.com/uTpT8vn710
— Kumiko|英語学習を高速化する人 (@IELTS_expert) February 7, 2024
単語を覚えるという作業は、どうしても単調になりがちなので、ゲーム感覚でできるほうが続きます。
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② スキャニングとスキミング
IELTSリーディングでは、効率的に情報を読み取るために、スキャニングとスキミングのテクニックが必要になってきます。
スキャニング?スキミング・・・?何それ?という方も大丈夫です。
この章では、スキャニングとスキミングの練習方法について詳しく解説します。
スキャニングとスキミングの違い
スキャニングとスキミングは、言葉は似ていますが、少し違います。
スキャニング
特定の情報やキーワードを素早く見つけるテクニック
スキミング
文章の大まかな内容や主題を速やかに把握するテクニック
IELTSリーディングでは、この2つどちらも必要なテクニックです。
スキャニングの練習方法
以下のステップを踏んでスキャニングを練習すると効果的です。
ステップ1: 練習素材を選ぶ
スキャニングの練習に適した素材を選びます。新聞記事、ウェブページ、雑誌など、情報がまとまっているものが良いでしょう。
下記は、理解度テストも付いている、スキャニングの素材としておすすめの英語サイトです。
Breaking News English
最新のニュース記事を短く、シンプルな英語で書かれたものと、それに関連するリーディングクイズがあります。さまざまなレベルの学習者向けです。
News in Levels
ニュース記事が3つのレベル別に提供され、クイズも付いています。スキャニングの練習に最適です。
ESL Fast
短いストーリーや対話を中心にしたリーディング教材があり、各教材には理解度クイズが付いています。初級から中級レベルの学習者向けです。
Breaking News Englishは、私の受講生もよく利用している、人気サイトです。
この他、現在のスコアが5.5程度の中級者であれば、TOEICのパート7などの素材もおすすめです。
ステップ2: タイマーの設定
素早く情報を見つける練習になるよう、タイマーを設定します。
制限時間は、文章の長さによりますが、たとえば「Breaking News English」の1つの記事だとしたら、最初は5分を目安にしてみましょう。
進み具合に合わせて、少し長くしたり、短くしたり微調整します。
ステップ3: スキャニングの練習
練習素材を用意し、タイマーをスタートさせます。
まず、理解度テスト(問題)をしっかり読んで、「自分は何を探すべきなのか」を十分に理解する。
↓
目的に沿った情報を探すため、目を素早く動かす。
↓
キーワードやフレーズを見つけたら、その周辺を読む。
↓
理解度テストに答える。
ステップ4: 結果の確認
タイマーが鳴ったら、理解度テストの答え合わせをします。
ステップ5: 反省と改善
特に間違った問題について、なぜ間違ったのかを分析してみましょう。課題があった場合、スキャニングの方法や速度を改善しましょう。
問題を解くことそのものよりも、この分析作業がとても大事です。
ステップ6: 練習の繰り返し
スキャニングのスキルを向上させるためには、繰り返し練習が必要です。
いろんな練習素材にチャレンジし、様々な情報を探す練習を行いましょう。
スキミングの練習方法
スキミングの練習方法として、以下のステップがあります。
ステップ1: 練習素材を選ぶ
スキャニングと比べて、少し分量が多いものがお勧めです。
下記は、スキミングの練習に使える、おすすめ英語サイトです。
The Guardian
世界的なニュース記事が多く、スキミングの練習に適したトピックが見つかります。練習の際には、記事のタイトルや見出し、最初の数行を読んで要約をつかむようにしてください。
New York Times
世界的に有名なニュースサイトで、さまざまなトピックの記事があります。スキミングの練習には、特に要約が記載されている記事や、リスト型の記事が適しています。
Medium
専門家や一般の投稿者による長めの記事やエッセイが豊富に揃っています。記事のサブタイトルや見出しを使って、スキミングの練習を行ってください。
これらは、ニュースがメインで、スキャニングの内容より難しいです。
IELTSリーディング自体は、難しすぎるため、単語や文法など他の要素が入ってきて、スキミング・スキャニングがしにくくなるため、トレーニングとしては、おすすめではありません。
ステップ2: タイマーの設定
素早く情報を見つける練習になるよう、タイマーを設定します。
制限時間は、文章の長さによりますが、たとえば「New York Times」の1つの記事だとしたら、最初は10分を目安にしてみましょう。
進み具合に合わせて、少し長くしたり、短くしたり微調整します。
ステップ3: スキミングの練習
練習素材を用意し、タイマーをスタートさせます。
まず、タイトル、見出し、サブタイトル、強調されている部分を読む。
↓
次に、パラグラフの最初と最後の1~2文を読み、文章の概要を把握する。
このステップでは、辞書や文法書などは使いません。わからない単語は無視するか、前後から推測します。
あくまでも、文章の概要をつかむことが目的です。
ステップ4: 結果の確認
タイマーが鳴ったら、探し出した情報を確認します。
ここのステップでは、辞書や文法書やネットで、わからない表現を調べてもOKです。
あくまでも自分がステップ3で考えた概要の答え合わせをするだけなので、すべての文章をきちんと日本語訳する必要はありません。
文章の概要や主要なポイントを理解できたかどうかを評価しましょう。
ステップ5: 反省と改善
課題があった場合、スキミングの方法や速度を改善しましょう。
時間を測って取り組むこと自体よりも、この分析のステップがとても大事です。
ステップ6: 練習の繰り返し
スキミングのスキルを向上させるためには、繰り返し練習が必要です。
異なる素材を使い、様々な情報を探す練習を行いましょう。
③ 問題文の読解力
IELTSリーディングでは、問題文(設問文)の読解力が、非常に重要です。
本文パッセージではなく、問題文のほうです!
問題文のほうは、しっかりと自分の言葉で説明できるくらいに理解しておかないと、なかなかスコアは上がりません。
この章では、問題文の読解力を向上させる方法について解説します。
英文法を勉強する
現在のスコアが4.5くらいまでの人に関しては、問題文の読解力を向上させるためには、まず英文法を勉強することが大切です。
中学校3年生くらいまでの文法で十分です。
書店の英会話コーナーではなく、受験英語のコーナーへ行き、中学校3年生まで網羅している文法書で、自分が好きなものを選んで、その1冊をやり遂げましょう。
終わってからも、文法でわからないことはたくさん出てくると思いますが、ひとまずは文法は終わりにしてOKです。
スコア5.0以上取れる人でずっと文法を気にしている人もいますが、そのレベルになると、文法は一区切りつけて良いです。
私の英文法講座では、IELTSで使える英文法をしっかりと身につけることができます。
空きが出た時に、下の英文法メール講座より募集のご案内しています。
英文の構造を理解する
あまり知られていないことなんですが、文法とは別に、英文の構造(構文)を理解することで、問題文の読解力が向上します。
「覚えた文法が、実際に文章となった時にどのように使われるか」というパターンを頭に入れ込んでいくために、このプロセスは必須なんです。
文法と構文については、こちらの記事で詳しく解説しています。
多読をする
※Pivotで、国山ハセンさんに多読の効果について語っている動画
やはり、たくさん英語を読むこと(多読)で、英語の文章がスンナリと読めるようになります。
これは誰もが言っている真実です。
洋書多読を1年続けて翻訳者になった私がおすすめする洋書4選です
数ある英語学習法の中でも、ダントツでコスパが良いと感じているのが多読
1日30分の多読を半年間続けると効果が実感できるはずです
スムーズに読むためのコツは… pic.twitter.com/IAtPNwwQIV
— Kumiko|英語学習を高速化する人 (@IELTS_expert) December 11, 2023
IELTSリーディングのスコアが6.0前後で、なかなか伸びないな、と感じている人は、毎日10分から、英文を読むことを始めて継続しましょう。
慣れてきたら徐々に時間を増やしていきます。必ず効果を感じられるはずです。
④ 本文中に答えのヒントを見つけるスキル
IELTSリーディングでは、本文パッセージの中に書いてあるヒントを見つけるスキルも必要になってきます。
この章では、そのスキルについて解説します。
キーワードの特定
上で書いたスキャニングにも関連しますが、問題文からキーワードを特定し、それに基づいて記事内の情報を探す、というのがIELTSリーディングのキモです。
キーワードとは、問題文で特徴的な単語やフレーズのことです。そういったキーワードを見つけることで、効率的に答えを探すことができます。
キーワードに下線を引いて、視覚的に目に飛び込んでくるようにすると、本文パッセージに戻った時に探しやすい、という効果もあります。
同義語・言い換えの理解
IELTSリーディングでは、問題文とパッセージ内で同じ意味を持つ単語やフレーズが異なる表現で使われることがあります。
同義語や言い換えを理解することで、答えを見つけやすくなります!
解決法は2つ!
1. 単語を覚える時に同義語も一緒に覚える
これはIELTSの対策をする人には必ず習慣にしてほしいのですが、新しい単語を覚える際には、必ず同義語も一緒に覚えるようにしてください。
単語ノートなどを作る時に、必ず同義語の欄も作ってくださいね。
2. 問題文をしっかり理解する
IELTSリーディングでは、問題文と本文の間の言い換えは、必ずしも「単語⇔単語」だけの言い換えではなく「単語⇔文章」だったりと、直接的ではないことも多いです。
例:
pen(ペン) ⇔ something to write with (書くときに使うもの)
こういう時に、単語レベルで「ペンの言い換えはどこだ?」と探していると、見落としてしまったり、ひっかけにひっかかる可能性が高くなります。
問題文を自分の言葉で説明できるくらいにしっかりと理解できていると、こういった言い換えも見破りやすくなります。
答えの順序を利用する
IELTSリーディングの問題では、答えが記事内での出現順に並んでいることが多いです。
一度見つけた答えを基準に、次の答えを探す際には、前の答えよりも後ろの部分を探すことが効率的です。
答えが見つからない時は一度スキップして、次の問題を答えてから戻ると、さらに読む箇所が縮まります。
例:
2番がわからないけど、1番と3番は答えられたのであれば、1番と3番のヒントが書いてあった箇所の間に2番のヒントが書いてあるはず。
Headingsの問題など、順序がバラバラの問題形式もあるので、気を付けましょう。
文章の構造を利用する
文章の構造を利用することで、答えを効率的に見つけることができます。
例えば、
- 因果関係を示す接続詞・接続副詞
therefore, because… - 対比を示す接続詞・接続副詞
however, although…
これらに注目することで、答えが導かれる部分を特定できます。
接続詞、接続副詞がピンとこない人は、下記の記事もご参照ください。
⑤ 公式問題集を解く&復習分析する
IELTSリーディングで高得点を獲得するためには、公式問題集を定期的に解くことが必要です。
だいたいの目安として、1技能につき週1回くらいがベストです。
この章では、公式問題集を使ったIELTSリーディング対策について、3ステップで解説します。
ステップ1:時間を計測しながら練習問題を解く
試験本番では時間が限られているため、本番を想定して、時間を計測しながら練習問題を解きます。
実際の試験と同じ時間制限を設けて問題に取り組むことで、問題点のあぶり出しが可能となります。
英語の初心者や、公式問題集を解いてみたら「正解数が9問以下だった」という方は、まずはこちらの記事をどうぞ↓
ステップ2:解答後、間違えた問題を復習する
問題を解いた後は、答え合わせをします。そして、間違えた問題を復習しましょう。
ここでは、辞書や文法書を使って、間違った問題がなぜその解答なのか、納得するまで考えていきます。
ステップ3:間違えた問題の原因を分析し、対策を立てる
間違えた問題の原因を分析し、それに対する対策を立てましょう。
復習内容が「なぜこの解答になるのか」を考えるステップだとするなら、ここでは「なぜ自分はこの問題を間違えたのか」を考える作業です。
なぜ間違えたのか?を深掘り
↓
間違えた原因を具体的にする
↓
それを補うトレーニングをする
なぜ間違えたのか、をしっかりと深掘りして考え、それに対する具体的な改善策を立てましょう。
例えば、読解力が足りないと考えたら、それはスキャニングなのか、単語力なのか、構文力なのか?とさらに深掘りします。
しっかりと深掘りして、原因が具体的になるほど、より具体的な対策が立てられます。
そして、対策を立てたら、それを補うようなトレーニングを、その他の日に行っていきましょう。
わかりやすい例でいうと、語彙力をアップさせる必要がある、となったら、日々のトレーニングで単語を覚えていく、ということです。
リーディングが解けない原因別の勉強法に解説した記事も参考にしてください。
⑥ タイムマネジメント
IELTSリーディングでは、短い時間で、多くの問題を解く必要があります。
すでにお話しした、スキャニング・スキミング以外のタイムマネジメントの方法について解説していきます。
制限時間を知る
IELTSリーディングは、60分間で40問を解く試験です。
まずは、試験時間を把握し、各パッセージや各問題にどのくらいの時間を割くべきか考えておきましょう。
アカデミックの場合、パッセージが3つありますが、単純に考えると、1パッセージにつき20分です。
一般的には、1つの問題には、1.5分程度の時間を割くことが推奨されます。
私は、目安として「1問につき1分」を推奨しています。
なぜなら、各パッセージの最初にトピックセンテンスを読んで全体像を把握する、という作業があるからです。
(次章「セブンステップ法」を参照)
これにかかる時間を差し引くと、実際に問題を検証する時間は1問1分程度となります。
ただ、「1パッセージ20分」「1問1分」はあくまでも目安で、個人差があるので、自分で試行錯誤してベストな時間配分を編み出していきましょう。
すべてを正解しようとしない
この記事を読んでいる方の目標スコアは、だいたい6.5や7.0ということが多いでしょう。
その場合、「全問正解」が目標ではないはずです。
例えば7.0を取ろうと思った場合、40問中30問取る必要がありますが、言い換えると、「10問は間違えることができる」ということです。
40問の中には、8.5と9.0のスコアを分ける目的のような激ムズの問題もあるわけですから、「すべてを取りに行く」ことはかなりの時間の無駄です。
「取り問題」「捨て問題」を意識して、メリハリをつけた解き方をしましょう!
こうしたリーディングの間違った認識で、スコアが伸びない人に向けた記事も書いています。
難しい問題は一旦スキップ
試験中に難しい問題に出くわした場合、1分以上悩んだ場合は、一旦スキップしましょう。
他の問題を解いた後に、時間があれば難しい問題に戻ることができます。ただし、スキップした問題を忘れないように、問題の横に印をつけておきましょう。
最初から時間を意識しすぎない
逆説的に思えるかもしれませんが、公式問題集などを使ってIELTSリーディングを練習していく中で、「時間に間に合わせる」ことを第1優先にしていると、まったくスコアが上がっていかないことがあります。
英語に限らず何でもそうですが、
まずは、ある程度上手になる
↓
時間を縮めていく(速くする)
このようなプロセスを辿らないと、なかなかうまくなれません。
例えば、キャベツの千切りを思い浮かべてください。
もともと綺麗に切れない、細く切れない人がいくら速く切ろうとしても、仕上がりが雑になるばかりですね。
まずは綺麗に細く切れるようになってから、スピードを上げていくべきです。
IELTSリーディングのタイムマネジメントも、これとまったく同じです。
最初から時間に厳しくやりすぎると、何が原因で間違えるのかわからなくなります。
間違えた原因を考えてみると「時間が足りなかった」もしくは「焦っていた」のどちらかになってしまいますから・・・。
もし、こういった原因で間違えた問題が10問以上あるなら、まず制限時間を少しゆるめに、例えば70分や80分などにして、回を追うごとに5分ずつ縮めていくと良いでしょう。
⑦ セブンステップ法
①〜⑥までの内容を踏まえ、効率的にリーディング問題を解く方法を紹介します。
名付けて、セブンステップ法!
その名のとおり、7つのステップを順序通りに踏んで解いていく、というやり方です。
ステップ1:全体像を把握する
まず、パッセージで各パラグラフ(段落)の一番最初の文章を読んで、各パラグラフに何が書いてあるのか推測します。
そして、それをつなぎ合わせて、パッセージ全体で何を言っているのか、どんな流れなのかをだいたいで良いので把握します。
これは簡単ではないのですが、何度も繰り返すうちに慣れていきます。
「スキミング」のテクニックを使い、タイトル、サブタイトル、図や表、写真、などもしっかり見て、ヒントにしましょう。
ステップ2:問題をよく読む
問題を解く前に、まず問題文をよく読むことは必須です。
問題文を正確に理解し、「自分は何を答えなくてはいけないのか」を明確に把握します。
ステップ3:キーワードを特定する
問題文からキーワードを特定しましょう。キーワードとは、問題文で特徴的な単語やフレーズのことです。
もちろん、キーワードは本文にはそのまま出てこずに、言い換えがされていることを前提にしなければいけません。
そのために、問題文をしっかりと理解していることが重要です。
ステップ4:本文内でヒントを探す
スキャニングのテクニックを使い、本文パッセージ内でキーワードに関連すること(ヒント)が書かれている箇所を探しましょう。
繰り返しますが、キーワードがそのまま使われていることは稀なので、言い換えがされていることを前提としましょう。
しっかりと問題文が理解できていれば、いろんな形で言い換えがされていても、明らかなひっかけに引っかかることは少なくなります。
ステップ5:答えの候補を絞り込む
キーワードに関連する箇所を見つけたら、答えの候補を絞り込みましょう。
該当箇所をじっくり読んで、問題文に求められている条件に合う答えを探します。
だいたい「この箇所に書いていそう」と思ったら、目を動かすスピードを大幅に落として、じっくりと読みましょう。
「とにかく速く!」と焦って、該当箇所まで速く読んでしまうと、ひっかけにあっさりと引っかかってしまう可能性が高くなります・・・!
ステップ6:正しい答えを選択する
答えの候補を絞り込んだら、正しい答えを選択します。
問題文を読んで理解した「自分は何を答えなければいけないか」ということと照らし合わせて、罠に引っかからないように慎重に答えます。
ステップ7:確認作業を行う
もう一度、問題文とパッセージを読み返して、答えが適切であることを確認します。
もしここまでの時間が無ければ、ちょっと自信がない問題には問題の横に印をつけておいて、後から戻ってくると良いですね。
「後」というのは、そのパッセージの他の問題を解き終わってからでも良いですし、すべての問題を解き終わってからでも良いです。
この7つのステップを、各パッセージごとに繰り返して、問題を解いていきます。
今回は、リーディング全般の解く順番の説明でしたが、私のIELTSオンライン講座では、問題形式別の攻略法について、詳しく学べます。
⑧ 試験前の準備
IELTSリーディングの試験本番に向けて、最大の実力を出すためにも、適切な準備が必要です。
試験前の復習
試験2週間前くらいになると、新しい問題は取り組まず、これまで学習した内容の復習を行いましょう。
特に、苦手な問題や単語、文法事項などを重点的に復習することで、試験本番でのパフォーマンスが向上します。
試験直前にやるべきこと!やるべきではないこと!
直前に「英語力を伸ばす」ということは難しいですが、それでも、できることはあるので、気を抜かず、やっておきましょう。
特に単語は、試験直前でも伸びます!
しかし、新しい問題に取り組むことは、焦りに繋がる可能性が高いですし、あまり効果も上がりません。
まとめ
本記事「IELTSリーディング対策・完全版」では、以下の重要ポイントを解説しました。
- 単語力
- スキャニングとスキミング
- 問題文の読解力
- 答えを見つけるスキル
- 公式問題集を解く
- セブンステップ法
- タイムマネジメント
- 本番前の準備
各章に、さらに詳しく解説した記事のリンクものせているので、ぜひそちらも参考にしてくださいね!
私のIELTSオンライン講座では、問題パターン別に、添削付きで、さらに詳しく解説しています。
現在は満席のため、空きがで次第、IELTSメール講座(無料)の登録者限定で、募集しています。
「独学でIELTSの目標スコアを取る方法」では、IELTSを「独学で」勉強して結果を出す方法を具体的に解説しております。
独学のスタートにぜひどうぞ!