IELTSスピーキング(Speaking)

IELTSスピーキングでしゃべれない人は、普段から疑問を持とう

IELTSスピーキングでうまく話せない、つまってしまう、という場合の原因は色々あるのですが、そのうちの大きな一つが

何を話したら良いかわからないし、日本語でも、答えるのが難しい。

そう、もはや英語力の問題ではないのです。英語力をためす試験なはずなのに、なぜ?

その答えや、日本人がIELTSの質問に答えられない理由、そして対策を書きますね!

本記事の信頼性

カナダに15年在住した経験をもとに、日本人がIELTSスピーキング問題を難しく感じる原因についてお話します。

後半パートでは、その解決策も説明しますので、最後までお読みください。

IELTSスピーキングでよくある、難しい質問

難しい質問の例

IELTSスピーキングでは、突拍子もない質問が出て、日本語でも答えるのが難しい・・・!ということになります。

そんな質問の例をいくつか挙げます。

  • どのようにしたら、人々はもっと科学に関して興味を持ちますか?
  • 科学の研究には政府と企業のどちらが費用を出すべきだと思いますか?
  • 男の子には男の子用のおもちゃ、女の子には女の子用のおもちゃを与えるべきですか?
  • 子どもには楽器を習わせるべきですか?
  • 将来的には郵便局は無くなると思いますか?

いかがでしょうか?

「まったく、考えたことがない!日本語で聞かれてもわからん!」って感じではないでしょうか?笑

なぜ難しい質問なのか?

実は、これらの質問は、特に「内容が難しい質問を出そう」という意図ではなく、英語圏では普通に日常的に議論されているネタなのです。

なぜ日本人がこれらの質問を難しいと感じてしまうのか。こういった理由があります。

  • 意見を述べる訓練をされていない
  • もともと疑問に思わない、まったく違う考え方だから

これについて詳しく書いていきます。

日本人がIELTSスピーキングの質問に答えられない理由

日本のテレビは害悪である

あえて、厳しい言葉遣いで言わせていただくと、日本のテレビをずっと見続けるのは「害」になります。

もちろん、テレビを観ること自体が、時間を食うので、勉強の時間がなくなるから、という理由もあります。

しかし、日本のテレビは、「内容」も問題だと思います。

このようにTweetをしたことがあるのですが、日本のテレビには下記のような特徴があります。

  1. 海外に関するニュースが極端に少ない
  2. 視点が一つしかない
  3. 正義は勝つ、悪は絶対にダメという考え方

詳しく見ていきます。

海外に関するニュースが極端に少ない

あんまり疑問を持っていない人も多いかもしれませんが、日本では、海外に関するニュースはとても少ないし、海外のニュースは何を放送するか、というのは、かなりフィルターがかけられています。

例えば2020年のアメリカ大統領選は、さかんに情報番組などでも取り上げられていましたが、やはり日本の視聴者が喜ぶのはトランプ氏の方ですし、映像としても華があるという理由もあるのかもしれませんが、映像に映るのはトランプ氏ばかり。

明らかに差がありました。

ニュースや情報番組に限らず、海外の生活などを伝える番組って人気があるようですが、かなり意図的に「盛られて」いたり、一部分だけを誇張したりして、「ウソ」とまでは言いませんが限りなく真実ではない報道が多いです。

私の母はテレビが大好きで、海外に関する番組もよく見ていますが、「カナダって○○なんだって?」というのが、たいていウソ、もしくは誇張だったりするのでちょっと辟易していました。

色々と例を挙げたのですが、つまり、受動的にテレビを観ていると、とにかく海外についての真実を知ることはかなり難しいということなのです。

これから海外にかかわっていこうと考えている人には致命的ではないでしょうか。

IELTSを勉強し、そして海外に出ていく人には、ぜひ自分から海外のニュースを能動的につかんでいってほしいです。

基本的にはネットで情報を仕入れることになるでしょう。

少しずつ(1日1つなど)でも良いので、英語のニュースも読んでみましょう。Twitter(X)など、SNSは文章が短いのでハードルが低いですよ!

視点が一つしかない

日本に限らず、メディアというものはそういうものかもしれませんが、番組を作る時だったり、そのテレビ局(会社)の方向性というものが、あらかじめ定めてあります。

特に私が気になるのが、下で書いている「勧善懲悪」なのですが、それ以外でも、視聴者は「このように感じるべき」というように操作をされていると感じます。

日本のテレビだけ観ている人は慣れてしまって、そんなことは感じないと思いますが、しばらくテレビを観ていなかったり、海外から帰国すると、かなり奇妙に思えます。

正義は勝つ、悪は絶対にダメ

これはニュースだけに限らず、すべての番組に隅々まで行き渡っています。

時代劇から通じる、「勧善懲悪」みたいな考え方も、一歩間違えると危険だなぁと思います。

「自分が正しい、他の考え方をする人は排除する」ということにつながるからです。

「正しい人は必ず報われる」というように思っていると、世の中は実際にはそうではないので、生きづらさにもつながります。

子どもが好きなアンパンマンのアニメも一緒に観ていると、「勧善懲悪」を感じますね。

また、画一的な考え方の押し付けを感じます。

アンパンマンのアニメの中で、とある登場人物が「パンは食べない」と発言をした時に、他の登場人物は「えーっ、パン食べないの?」「なんで?なんで?」「体調悪いの?」というような反応でしたが、これは少し古いと思います。

今の世の中では、アレルギーや宗教上の理由で、特定の食べ物を避ける人が多く居ます。

また、「精神病が甘え」というような考え方や「女性が家事・育児をすべき」みたいな考え方も、国際社会では淘汰されつつありますが、いまだに日本のテレビでは直接的・間接的にこういった考え方を発信しています。

日本でずっと生きていくのであれば、こういった考え方にどっぷりと浸かるのも、処世術として(?)必要かもしれませんが、海外に出ていくのであれば、幅広いモノの見方が必要です。

そしてその第一歩として受験するIELTSで、スピーキングやライティングで質問に答えやすい、ということにつながります。

日本の義務教育は英語圏の教育と真逆

日本でしか生活していないと、なかなかわからないことなのですが、実は、日本の小・中・高の教育は、世界的にもかなり特殊!

まぁ韓国などとは似通っているかもしれませんが、欧米諸国と比較して、という意味ですね。

カナダに住んでいたころ、とあるボランティアで小学校の授業を見学したことがあるのですが、先生が何かを質問すると、まぁみんなすごい手を挙げるんですね。

これには本当に驚きました。

それは単に一例ですが、日本の教育とは違う、英語圏の教育とはこんな感じです。

  1. 個性を大事にする教育(どの教科が得意、苦手)
  2. 答えは1つではない
  3. 自分の意見を言わさせられる
  4. プレゼン、ディスカッションの実践が多い
  5. 要約の練習をする
  6. エッセイ(小論文)を書かせられる

取りこぼしがないように、苦手を克服し、みんな一緒でなければいけない、「良い子」であることが求められる、「大学受験」という一つのゴールを目指している・・・という

日本の教育とは「真逆」ではないでしょうか。

特に、IELTSスピーキングでは上の3番、4番あたりが試されるのですが、日本の義務教育ではこういうのってまったく無いですよね・・・

どちらの教育が良い、悪いではなく、英語圏の国へ留学、移民などをしたいと思っているあなたにとっては、確実に不利ってことなんです。

受けてきた教育に関して嘆いていても仕方がないので、下で書くようなトレーニングを行い、自分の思考・習慣を切り替えていく必要があります。

日本に男女差別はないと言い切った女性

IELTSスピーキングのレッスンを対面で行っていた際に、男女差別の問題について考えることになりました。

生徒さんは、日本人の20代そこそこの女性でした。

すごく質問に答えづらそうにしているので、「今まで男女差別について感じたことは何もないですか?」と聞いたのですが、

「日本には男女差別って無いので・・・」と返事が来て、相当に驚いた覚えがあります。

「女性が」そのように思っているということも大問題ではありますが、男女かかわらず、国際社会ではそういった「マジョリティVSマイノリティ」のような議題は必須です。

男女間の差別問題だけではなく、人種・宗教・年齢など、たくさんの要素によって、差別というものは行われており、社会の一員としては、考えるのは避けて通れない問題です。

スピーキングで質問にきちんと答えるためのトレーニング法

ここまで読んで、「じゃあ、具体的にどうすれば良いの?」と思った人へ、自宅でできるトレーニング方法を伝授しますね。

トレーニングと言っても、スキマ時間に少しずつ取り入れていけるものばかりです。大きく生活を変えるのではなく、少しずつ習慣を変えていく、というように考えましょう。

普段から疑問を持つ

今、IELTSの勉強をされているということは、目標スコアを取ったら、その後に留学をしたり移民をしたり英語で仕事をしたりと、何らかの形で海外とかかわっていくということですよね。

なので、今回のIELTSにかかわらず、国際社会に生きる人として、「普段から疑問を持つ」ということを習慣にしてほしいと思います。

日常生活で、色々なことに疑問を持ち、自分でIELTSの問題を作ってみるなどできると良いトレーニングです。

例えば制服を着た学生を見かけたら、こういうことを考えます。

  • 制服はあったほうが良いか否か
  • 何のために制服はあるのか
  • 制服のメリット・デメリットは

頭の中だけで、いつどこでもできる習慣なので、ぜひ今日から取り入れてください。

インプットを多くする

Tedなど、彼らが意見を発信しているようなものをたくさん読んだり聴いたりすることで鍛えられます。

それほど難しいものでなくても、このように感じる機会を増やすことが大切です。

  • こういう考え方をするのか
  • こういう意見を持つのか
  • こんなことが議題になり得るのか

「IELTSに役立つか」ということばかり考えず、もっと気軽に英語圏の人々の考え方・文化に触れましょう。

日本のテレビを観る時間を、Tedや海外ドラマやドキュメンタリーなどを観る時間に充てましょう。

こちらでは、海外ドラマについて熱く語っておりますので、ぜひご一読ください。

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問題に慣れ、作り話をする

これは、IELTS対策としてはとても多いアドバイスですね。

とにかく英語の試験なので内容は何でも良いから、作り話でも良いから、と。

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ただ、質問の内容によっては、作り話をすることすら難しい、ということもあるのです。突拍子がなさすぎて。

なので、作り話をするにも、やはり、この2つは最初の段階として欠かせないです。

  1. 普段から疑問を持つ
  2. インプットを多くする

これらを意識することで、IELTSスピーキングの試験でも、ネタが思いつきやすくなりますよ!

IELTSスピーキングを独学でどう対策すれば良いかわからないという人は、スピーキング対策をまとめた記事もあるので、ぜひ参考にしてください。

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Kumiko
カナダで語学学校を10年経営し、IELTS対策をはじめ、TOEIC、英文法、ビジネス英語、翻訳、通訳、英会話などさまざまなコースで指導してきました。明日香出版社よりIELTS対策本を出版予定。詳しいプロフィールはこちら
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